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2015年3月31日火曜日

開花宣言、彦根城の桜もちらほら


 彦根地方気象台は3月31日、桜(ソメイヨシノ)の開花を発表した。昨年より2日早いものの、平年並みだという。彦根城内の桜もちらほらと咲き始めている。
 気象台では敷地内にある標本木の桜の花が5、6輪咲くと開花を発表。昭和28年に統計を開始して以来、これまでで最も早かったのが平成2年、最も遅かったのが昭和59年だった。平年値は4月2日で、2日前後の開花を平年並み、3日以上を早い・遅い、と呼んでいる。
 1本の樹のうち8割以上の花が咲くと満開と呼ばれ、開花から約1週間かかるとされる。また標高が100㍍高くなるごとに、満開が2、3日遅くなる。

彦根城内堀沿いに花見ぼんぼり設置 桜まつり開幕へ

 彦根城桜まつりが4月1日から彦根城内で始まる。26日には内堀沿いに花見ぼんぼりが設置された。桜まつりは毎年、花見のシーズンに開催されており、玄宮園前から大手門橋、京橋一帯で夜間(午後6時~同9時)に桜がライトアップされる。20日までの予定だが、桜の開花状況によっては変更もある。
 27日に設置されたぼんぼりは、高さ約2・8㍍の20本が表門橋から金亀児童公園前まで設置。高さ60㌢の10本が金亀児童公園の桜の木につるされた。桜まつり期間中に点灯する。
 また5月6日までは金亀児童公園内の特設テントで、弁当や近江牛、湖魚のつくだ煮、地酒、ひこにゃんグッズなどの特産品が販売される「ご城下にぎわい市」が開かれている。午前9時~午後5時。
 彦根城の内堀で屋形船を運航しているNPO法人小江戸彦根は、桜の開花に応じて増便や夜間運航を行う。
 通常は平日が1日6便、土日祝日が7便だが、4月4日~20日は増便し、午後6時半~と同7時半~夜間運航も行う。桜まつり期間中の料金は中学生以上1500円、4歳~小学生700円、3歳以下無料。
 問い合わせは小江戸彦根☎080(1461)4123。

2015年3月30日月曜日

井伊家当主具足と彦留神社本殿が滋賀県有形文化財に

 滋賀県教委は24日、県内6件を新たに県指定有形文化財に指定すると発表した。6件のうち、彦犬地区では、彦根藩井伊家伝来具足25領と彦富町の彦留神社本殿が入った。
 彦根城博物館には、江戸時代における井伊家当主の初代から十四代までのうち、五代・直通(みち)=岡崎市美術博物館蔵=と十四代・直憲=滋賀県護国神社蔵=を除く当主の具足18領と、当主の子息の具足7領が所蔵されている。いずれも朱色で統一された具足は「井伊の赤備え」として知られ、泰平の世になってからもその形式が踏襲された。
 戦国期から江戸時代後期までの歴代当主らが着用した具足がまとまって残っているのは、仙台藩の伊達家や福岡藩の黒田家しかなく、また井伊家伝来の古文書の内容を裏付ける品として「我が国の武具甲冑の歴史上、貴重だ」としている。休館中の彦根城博物館では再開する6月1日から7月7日まで、井伊家当主の具足10~12領を展示する。
 彦留神社の本殿は棟札から明和3年(1766)に建立。祭神を安置する身舎(しんしゃ)の前面に、神職が神事を行うための前室(ぜんしつ)が設けられた三間社流造(さんけんしゃながれつくり)と呼ばれる形式。鎌倉・室町時代以降に多くが建てられ、滋賀県内の神社本殿の特徴になっているが、江戸時代以降、一部の本殿では身舎の正面中央の柱2本を除き、身舎の半分と前室を一体化させた形式になる。また部分的に取り付けられていた彫刻の装飾が広範囲になり、軒を支える箇所も複雑化し、建物を華やかに見せるようになる。
 滋賀県でも江戸時代の18世紀ごろから建物の形式が変化し、彦留神社の本殿は内外部ともにその変遷期の特徴が出ており、「学術的、意匠的にも優れ、かつ良材を用いて高い技法で建築された本殿として価値が高い」という。

2015年3月28日土曜日

ひこねブランド開発委員会 彦根商工会議所が中間報告

 地域資源を生かして都市間競争を勝ち抜くまちづくりを目指し、彦根商工会議所が昨年設立した「ひこねブランド開発委員会」(委員長・小出英樹会頭)が20日、記者会見を行い、中間報告を発表した。
 人口減対策や地域経済の振興、新たな雇用の創出を目的に、同会議所の会員や大学教員、歴史研究家ら24人と専門家7人で昨年9月に同委員会を設立し協議をしてきた。
 中間報告で小出会頭は、イベント・祭りの定期開催や夜間ライトアップなど「集客」と、地場産業を生かしたり、戦国・江戸期をテーマにした「商品」開発、地域を学ぶセミナー開催の「生活」の3つのブランドを展開させる方針を説明。「世界中の人が一度は滞在してみたいと思われるようなまちにしたい」と抱負を語った。平成27年度に商品開発、同28年度に販売促進と全国へPRを行う予定。
 また会見では専門家を代表し、大阪府や大阪市の特別顧問を務め各地で観光政策の立案を手がけている大阪府立大学観光産業戦略研究所の橋爪紳也教授が「現在は激烈な都市間競争の時代にある。ほかの地域と違うことを実行する必要があり、未来の彦根のあるべき姿を示さなければならない」と話した。
 ほかに、歴史や起業家育成、経済学、IT活用など人材育成のための講座「彦根プレミアム塾」の開講や、街並みの整備計画などをする「彦根まちづくり会社」(仮称)を設立させる計画も示した。

井伊直弼公生誕200年祭に向け補正、プレミアム商品券2回発行へ

 一般会計補正予算案(4億8126万円)など6議案が23日、彦根市議会3月定例会に追加提案され、25日に可決された。補正予算案の主な内訳は以下の通り(いずれも万円)。
 ▽プレミアム商品券発行(1億4508)=1万円に3000円分を上乗せするプレミアム商品券を1回あたり2万冊販売し、それを年に2回実施。そのプレミアム分(1億2000万円)を補助。
 ▽彦根仏壇活性化(278)=彦根仏壇の技術を生かせる新たな製品を開発するための市場調査や、新たに雇用する職人の人件費補助など。
 ▽企業立地促進(478)=今後の工業用地開発に向けて基礎資料を作成するため、彦根市へ立地の可能性がある健康や福祉、医療、環境の分野の企業計3000社へ電話調査を実施。
 ▽観光推進(350)=将来の観光交流人口を増加させるため、5~10年後の中長期的な観光目標を設定し、その目標に向けた市独自の戦略と戦術を策定。
 以下は井伊直弼公生誕200年祭関連事業。
 ▽200年祭への交付金(5998)=7月10日~12月23日に200年祭を実施。天秤櫓と佐和口多門櫓での特別展、生誕記念イベント、市民提案事業、主要団体イベントを開催。
 ▽彦根の老舗再発見(156)=200年前から続く商いについて調査し、直弼公および彦根藩と商いとの経緯を明らかにする。
 ▽彦根の食創出・育成(153)=茶人としての魅力を発信するため、創作菓子を募集し選考された3作品を10月24、25日の大名茶会でお披露目する。
 ▽彦根城夜楽開催(130)=期間中2回、夜間に天守や櫓、石垣がライトアップされる。

2015年3月27日金曜日

三成会議と三成の戦3 三成タクシー運行開始、ぐっさんのライブも

 石田三成に焦点をあてたイベント「三成会議」と「三成の戦3」が21日に彦根商工会議所であった。
 彦根、米原、長浜の3市は三成に関する観光事業を展開しており、昨年3月には最初の三成会議を清凉寺で開催。2回目の今回は一般公開し、三成タクシーのドライバー認定証交付式、各団体の取り組み事例発表、滋賀大学の永田えり子教授による基調講演、三成タクシーの車両披露があった=写真
 三成タクシーは、認定試験に合格した彦根と長浜のタクシー会社の運転手25人がガイド役となり、彦根の居城・佐和山城跡や、長浜の三成出生地、秀吉と出会った米原市朝日の観音寺などを巡る貸し切りタクシー。車体にはゲーム「戦国無双4」に登場する石田三成のイラストがラッピングされており、彦根・米原・長浜の各駅に1台ずつ配置されている。
 三成の戦3では、戦国時代をえがいた映画「のぼうの城」に出演したタレントのぐっさんこと山口智充さんのライブがあり、会場が満員になる250人が来場。山口さんのトークとものまねに終始、笑い声が鳴り響き、山口さんも予定時間を大幅に延長してトークや歌を披露していた。

彦根観光センターオープン

 昨年10月まで彦根観光協会の事務所として使われた尾末町の施設がリニューアルされ、20日に「彦根観光センター」としてオープンした。
 観光客らへの「おもてなし」の機能を向上させるため、昨年12月4日から改装工事が行われていた。彦根観光協会は四番町スクエアのひこね街なかプラザに移転した。
 施設は146平方㍍の平屋建てで、バスの乗務員用と観光客用の休憩スペースがあるほか、土産物の販売や観光情報誌が置いているコーナーも。年中無休。見学自由。
 彦根観光センター(尾末町)が20日オープンし、同日、記念セレモニーが開かれた。
 セレモニーには大久保市長や彦根商工会議所の小出英樹会頭、彦根観光協会の一圓泰成会長らが参加。テープカットを3人とひこにゃんらが行った=写真=後、市長は「彦根の玄関口としての機能を期待しています」とした上で、この日に同センター内に設置されたびわ湖FreeWi―Fi」にもふれ「彦根に来る多くの外国人にも活用してもらいたい」と述べた。
 同センター内では休憩スペースや、20業者による約200種類の彦根の名産品などを販売する土産物コーナーがある。開館は午前9時~午後5時。

2015年3月25日水曜日

滋賀県議選彦根・犬上選挙区の立候補予定者へインタビュー、エフエム彦根でも放送中

 4月3日告示、12日投開票の滋賀県議選を前に、滋賀彦根新聞社とエフエムひこねコミュニティ放送は、彦根・犬上選挙区(定数4)に出馬を予定している6人にインタビューを行った。
 前回までは彦根4、犬上1の定数だったが、今回から彦根と犬上で4になる。同選挙区で出馬を予定しているのは、自民党から公認で西村久子氏(71)=甲崎町=と細江正人氏(67)=本町、推薦で大野和三郎氏(58)=豊郷町。民主党から公認で中沢啓子氏(55)=芹橋=と江畑弥八郎氏(60)=八坂町(以上いずれも現職)。共産党から公認で新人の中川睦子氏(57)=日夏。
 本紙の山田貴之編集長が一人ずつにインタビューを行い、彦犬地区の懸案事項への取り組みや考えなどを聞いた。内容は後日の本紙で紹介するほか、エフエムひこねでも4月1日までの平日に随時放送している。放送日時は以下の通り(①午前7時55分(26日のみ同8時10分)②同11時③午後3時④同4時⑤同6時05分⑥同7時10分)。
 ▽25日=①細江②西村③中川④中沢⑤大野⑥江畑▽26日=①西村②中川③中沢④大野⑤江畑⑥細江▽27日=①中川②中沢③大野④江畑⑤細江⑥西村▽30日〜1日=①中沢②大野③江畑④細江⑤西村⑥中川(以上敬称略)。

観光施設で観光情報閲覧、びわ湖Free Wi―Fi彦根が最初に導入

 観光施設でインターネットを使って容易に情報収集ができるよう、彦根市は20日から市内4カ所で公衆Wi―Fiサービス「びわ湖Free Wi―Fi」の運用を県内で初めて開始した。
 県内を訪れる観光客らの利便性を向上させるため、彦根、長浜、大津、近江八幡の4市は昨年12月に「びわ湖Free Wi―Fi4市推進協議会」を設立し、サービスの仕様や連携体制を協議。一足早く彦根でサービスを開始することにした。
 提供場所は彦根市観光案内所、彦根観光センター、彦根城天守閣事務所、ひこね街なかプラザの半径30㍍以内。各所にはステッカー=写真=が貼られている。例えば、天守閣事務所でインターネットに接続すると、自動的に「彦根城のご案内」ページに移るなど、場所ごとにさまざまな観光情報が閲覧できる。接続料は無料だが、1利用者あたり1回につき15分、1日4回まで。メール送信による認証方式。
 今後、ほかの3市でも平成27年度に運用が始まる予定で、利用者が各市で一度登録しておけば、ほかの市でも観光情報が閲覧できる。

2015年3月24日火曜日

小川良憲投手と伊東優作選手が抱負、センバツ出場の近江高校

  近江高校野球部のベンチ入りメンバーのうち、彦根出身でエースの2年生・小川良憲投手(17)=彦根東中=と、1年生の伊東優作選手(17)=中央中=に抱負などを聞いた。
 小川投手はプロも注目しており、チームから絶大の信頼を受けている。自身もそれを自覚しており、「自分のピッチングで相手打線を抑えることで、チームの雰囲気も良くなり、味方の打線が良い方向につながると思う」と説明。
 昨年夏の大会に続いて甲子園のマウンドを踏むが、「この冬のトレーニングで昨年よりも1・5倍ほど成長したと思う。球のキレ、精度、コントロールともいい感じで仕上がっている」と自信を見せる。
 甲子園での目標については「チームとしても自分としても優勝を目指す」と意気込んでいた。
 伊東選手は初の甲子園出場。50㍍6秒1の俊足が持ち味で、センターを守る4番バッターの笹治健汰副主将の控えや代走としての起用になりそうだ。
 「1年生なので出場する機会は少ないかもしれないが、出番が来たら1年生らしく全力プレーを見せてチームの勝利に貢献したい」と抱負。「彦根出身者は多くないけれど、どんな出場の仕方でも全力でがんばるので、そういう姿を見ていて欲しい」と話していた。

近江高の応援団「つながり」テーマに

 甲子園への出場決定後には、ダンス部(チアリーダー)や吹奏楽部、野球部、生徒会で応援団が結成。18日には総勢約100人が野球部のグラウンド横の敷地で初の全体練習を行った。
 各部の代表者らによる会議で、これまでの部員一人に1曲から、曲を途切れさせないために回ごとに1曲に変更。練習ではルパン三世のテーマ曲など回ごとの9曲と、チャンス時の近江マーチ、校歌の計11パターンの演奏と振り付け、声かけなどを合わせていた。
 野球部2年生で応援団長の中山晃希君(17)は「思っていた以上に完成度が高かった。僕たち野球部のために応援してくれることはうれしい。『つながり』をテーマに途切れることのなく応援したい」と語っていた。
 また小川投手と中学校時代に同じ塾に通っていた2年生の生徒会長・山本叶也(きょうや)君(17)は「野球部は僕たちの誇り。負けたら終わりなので結果を求めて全力でがんばってほしい」とした上で「個人的には良憲(小川投手)の晴れ舞台なので、特に応援したい」と話していた。

2015年3月21日土曜日

井伊直弼は開国派でなく「攘夷派」、母利氏が持論

 文化プラザで14日、「井伊直弼と徳川斉昭」をテーマにしたひこね市民大学講座があり、元彦根城博物館学芸員で京都女子大学の母
利美和教授が、直弼の根本的な考えには「攘夷」の思想があったという持論を展開した。
 母利教授は幕末期の国際状況について、▽アヘン戦争でイギリスが清国に勝利▽ロシアの南下政策▽ペリーが浦賀に来航―などをあげた上で、ペリー来航時の軍艦の砲撃の射程距離が5・6㌔㍍だった一方、日本のが数百㍍しかなかったとし「当時の政権も防御できないことをわかっていた」と、開国しかなかった時代背景を解説した。
 開国論と攘夷論については、福井藩や一部の幕府役人らが「積極的開国」、直弼らが開国後に富国強兵をして攘夷に移る「大攘夷」(暫定的開国)、徳川斉昭らが「精神論的な攘夷」という3つのパターンがあったとし「直弼と斉昭は攘夷という考えでは同じだった」と説明。
 直弼が大老職に就任した直後の安政5年(1858)6月19日に幕府内で行われた評議を記録した「公用方秘録」について、幕府内のほとんどの役人が直ちに調印するべきだと主張した一方、「直弼は天皇の勅許を得ないうちは調印すべきではない」と慎重論を展開したことを紹介。しかし結局は米国との交渉役に任せたことで勅許を得る前に調印してしまったため、江戸屋敷に帰った直弼が側近の宇津木景福(かげよし)から「諸大名の意見を伺った上で決定するべきだった」と指摘されたとする記録を明かした。
 また斉昭は、幕府が将軍継嗣を公表するため諸大名に登城を命じた日の前日に、勅許を得ずに調印したことを詰問するために登城し、これが幕藩関係の秩序を乱す大罪にあたったことをあげ「諸大名の意見を聞かなかった直弼と、前日に登城してしまった斉昭の2人の失策が大混乱を巻き起こすことになった」と解説。明治時代以降は富国強兵策がとられ、その後の海外への軍事的進出につながったことから「結果的には直弼が考えていた大攘夷の時代になっていった」と結論づけた。

袋町に貸し出しスペース=袋町ダンスホール紅花=オープン

 彦根市河原2丁目の袋町内に大人向けの貸し出しスペース(名称未定)が4月1日にオープンする。今月29日午後6時~プレイベントが開催される。
 元々はクラブやダンスホール、キャバレーなどの店だったが、数年前から空き店舗になっており、袋町内の料亭などの経営者12人による有限会社の「相互観光」が管理してきた。
 広さは約150平方㍍で、シャンデリアや装飾などがそのまま残っており「昭和時代の雰囲気が特徴だ」という。元々はVIPルームだった席をステージに改装しており、ライブや落語、ミニ集会、映画鑑賞など幅広いイベントスペースとして開放する。収容人数は約50人。
 同社の小島誠司副社長は「袋町を活性化できる催し物の会場として使って欲しい。昭和チックなイベントも企画していきたい」と話していた。問い合わせは小島さん☎090(1485)3116。
 29日のプレイベントにはバンドやDJ、ダンサーなど複数の団体が出演。ワンドリンク付き2500円。チケットは(bo-cyan@hotmail.co.jp)。

2015年3月18日水曜日

三成会議と三成の戦3 ぐっさんも彦根に

 石田三成に焦点を当てたイベント「三成会議」と「三成の戦3」が21日に彦根商工会議所4階で行われる。
 彦根、米原、長浜の3市は三成に関する観光事業を展開しており、昨年3月には最初の三成会議を清凉寺で開催。2回目の今回は一般公開し、午前9時〜三成タクシーのドライバー認定証交付式、各団体の取り組み事例発表、滋賀大学の永田えり子教授による「三成とともに生きるということ」についての基調講演、三成タクシーの車両披露がある。入場無料・先着150人。
 また3回目の三成の戦では、午後2時半〜城西小の児童・西畑奏音君による新作落語・三成の披露と、映画「のぼうの城」に出演したタレントのぐっさんこと山口智充さん=写真=のスペシャルライブがある。入場料1000円。定員あり。チケットの申し込みは実行委員会☎(27)5501。

2015年3月16日月曜日

佐和山城の石垣と瓦破片 彦根城の鐘の丸と太鼓丸に再利用を断定

  彦根市教委文化財課は11日、佐和山城に使われていた石垣と瓦の破片が彦根城内の鐘の丸と太鼓丸の石垣の中から発見されたと発表。佐和山城の部材が彦根城を構築する際に使われていたことは伝承として知られていたが、初めて物的証拠が確認された。
 文化財課は平成24年度と同25年度に石垣の保存修理に伴う発掘調査を実施。同24年7、8月に鐘の丸の虎口(出入り口)の石垣で行った調査では、石垣内に栗石などを入れる裏込めに異物がほとんど混入していないことから、一度も改修されていないことが判明。また鐘の丸の曲輪(くるわ)があった大手門方面の高さ約7㍍・幅約314㍍の石垣のうち、虎口寄りの上部の幅約30㍍の石垣に使われている石材が、湖東流紋岩と青っぽいチャートの2種類で構成されていて、この2種類の石材を使った県内の城跡は佐和山城にしかないことから、佐和山城が廃城した後に彦根城築城のために持ち込まれたことがわかった。彦根城内のチャートは赤っぽいため、佐和山城のとは異なるという。井伊年譜など文献史料には鐘の丸が最初に完成した曲輪だと記されていることから、当時の正面に位置した大手門から見える位置に佐和山城の石垣を使って整備し、居城の移転を石垣で示したと考えられる。
 同25年7、8月には太鼓丸東側の調査が行われ、約40㍍分のうち約3・5㍍の石垣の根石(ねいし)で一度も修理されたことがないことがわかり、裏込めからは彦根城内では確認されていない瓦の破片=写真=が大量に出土。この瓦の破片は▽精製された粘土ではない▽焼きが甘い▽彦根城の瓦と比べて出来が悪い▽中心の飾りが一巻きの唐草文―などから、佐和山城の瓦の破片が彦根城の太鼓丸の石垣を築造する際に栗石として入れられたことがわかった。佐和山城の瓦の文様は、近畿では豊臣秀吉の晩年の居城だった伏見城でも見られるため、石田三成と秀吉との密接な関係もうかがえる。
 城郭史が専門の滋賀県立大学の中井均教授は「佐和山城の瓦などを使ったことは、関ヶ原の合戦後、大坂城を攻めるために一日でも早く彦根城を完成させる意図があったことを示す考古学的にも貴重な発見。鐘の丸から見た大手門方面が京都・大阪に向いていることも注目される」と話していた。
 なお13日~開国記念館で出土した瓦の破片や写真パネルなどが展示されている。
彦根城の石垣探検会
 市教委文化財課は21日に城内の石垣を見学する「彦根城石垣探検隊」を行う。学芸員のガイドで今回、発表された石垣群のほか、江戸時代の石垣構築技術の変遷や修理状況を学ぶ。小学生は保護者同伴で。集合は午後1時に彦根城博物館前。参加費100円。申し込みはメールかファクス、往復ハガキで20日まで。定員100人。問い合わせは同課☎(26)5833。

高宮の心を東北へ 被災地・田の浦で滋賀県立大生と支援活動

  東日本大震災から4年目を迎えた11日、彦根市民団体「高宮の心を東北へ」のメンバー10人が宮城県本吉郡南三陸町の田の浦地区を訪れ、現地を訪問した滋賀県立大学の学生グループ・田の浦ファンクラブ学生サポートチームと一緒に炊き出しなどの支援活動を行った。
 同団体は震災以降、陸前高田市やいわき市、気仙沼市などで支援活動をしており、9回目の今回は10日夜に出発し、11日午前11時から午後6時ごろまで田の浦地区に滞在。
 県大生ら約20人は昼過ぎからキャンドル作りを行い、震災のあった午後2時46分には全員で黙とうし、同3時半ごろ~キャンドルを点灯して被災者と一緒に祈りを捧げた。
 同団体の加藤親生さん(51)=高宮町=は「被災者の皆さまにはすごく温かく迎えて頂き、私たちも皆さまの笑顔に救われました。出来る人が出来る時に出来る事をするという思いで今後も続けたい」と話していた。また県立大の鵜飼修准教授(46)は「大学関係者以外の彦根からの応援に感謝しています。お陰様で現地の方々との交流を深める事が出来ています」と語っていた。

ジェットコースターにはまった小学生=城北小3年の中久木大祐君「将来は設計士に」

 「時間があればジェットコースターの全体図を描く」という小学生が彦根にいる。市立城北小学校3年生の中久木(なかくぎ)大祐君(9)だ。中久木君に将来の夢やジェットコースターの魅力などを聞いた。
 中久木君は幼児のころから乗り物好きで、その中でも特にジェットコースターに関心があった。3歳のころに初めて遊園地(大阪のひらかたパーク)を訪れ、子ども用のジェットコースターに乗車し「とても感動した」という。
 以降も三重のナガシマスパーランド、東京の花やしき、としまえん、後楽園の計5園に計10回ほど訪れ、ジェットコースターなどに何度も乗車。また、時間がある時は自宅などで画用紙に実物のジェットコースターの全体図や中久木君が考えた設計図を書いており、その数は1000枚ほどあるという。最近ではストローや段ボールなどを使って立体の工作もしている。
 ジェットコースターの魅力について、中久木君は「押される感じが好きで、とにかく迫力があるのが魅力」と話し、将来の夢については「高専で勉強した後、ジェットコースターなどを設計する人になりたい。大人だけが乗れるのではなく、子どもを含めたみんなが楽しめる遊園地にしたい」と笑顔で語っていた。母親の裕子さん(41)も「大祐が設計したジェットコースターに早く乗りたい」と待ち望んでいた。
 なお中久木君は、市教委が今年度設置した自習の優秀者を表彰する「彦根マイ☆(スター)」の継続した自主的な取組部門で入賞。担任の古川友里絵教諭(26)のすすめで締め切り間近に応募したところ入賞したといい、中久木君は「継続してきたことが認められてうれしい」と話していた。

2015年3月13日金曜日

近江鉄道220形の定期運行終了へ

 近江鉄道は、24年間走ってきた「220形電車」の定期運行を終了すると発表。米原・多賀大社前間を11日午前に走った後、13日に「卒業式」を行う。
 220形は平成3年に運行を開始し、つり掛け式のモーターと空気バネという全国的に見て非常に珍しい構造で、特有の走行音があったため鉄道ファンに人気があった。
 すでに2両が除籍しており、4両が走行しているが、実際に定期運行しているのは「お~いお茶」がラッピングされた車両=写真=など2両のみで、残りは工事用や貸し切り用などに使用。今回、老朽化を理由に定期運行している2両も終了させることにした。
 13日は午前11時31分に多賀大社前駅を発車し、同47分に彦根駅の1番線ホームに到着。入庫した後、午後2時半~臨時列車(アンコール号)として彦根駅を出発し、米原駅を折り返して同3時26分に彦根駅に戻る。その間に、来場者にはメッセージカードが配られ、電車帰着後に車内に貼り付けられる。同3時39分に入庫する。
 記念商品として彦根駅改札口では、記念乗車券(860円)、つり掛けモーター音を録音したCD(1500円)、記念タグ付きおーいお茶が販売される。問い合わせは同社運輸課☎(22)3303。

2015年3月9日月曜日

Too Many Rulesのれいりー・ぱるぴんデビューへ「紅白出場目指す」

 彦根市内の事務所に所属し間もなく高校生になる女子2人組のユニット「Too Many Rules」が今月末にCDデビューを果たす。先月末にはビバシティ彦根で歌を初披露した。
 2人はいずれも4月に滋賀県内の高校に進学する「れいりー」さん(15)と「ぱるぴん」さん(15)。れいりーさんはすでにテレビのドラマや教育番組などにも出演しているが、以前から歌手志望だったため、同じ学校に通う親友のぱるぴんさんに声をかけ、今年2月3日にユニットを結成した。
 れいりーさんが今年1月4日に、アニメ・おぼっちゃまくんの主題歌などで知られるロックバンド・元いんぐりもんぐりのボーカル・永島浩之さん宛てに「(同バンドのデビュー曲)『女子高生』をアレンジして歌ってみたい」とメールで送ったところ、その3日後に直接連絡がきて曲作りがスタート。先月中旬、Too Many Rulesのデビュー曲「女子高生2015」が完成した。
出演依頼受付中
 2人は「アイドルとお笑い芸人の間に入っていきたい」と話している通り、歌の合間には女子高生同士の普段の会話を漫才風に取り入れている。また今年の年末の紅白歌合戦への出場を本気で狙っているといい、「まずは(テレビ番組の)ミュージックステーションに出たい。『一発屋』でもいいので、女子高生がネタにしてくれて、みんなの記憶に残るようなユニットになりたい」と笑顔で話していた。
 CDは「女子高生2015」のほか、れいりーさんのソロ「メイビーアイラブユー」を収め、今月29日に発売する予定。イベントなどでの出演依頼も受け付けている。問い合わせはイベント企画会社・工房JINTA(小泉町)内の専属事務所「Vacation」☎(23)0082。

近江高野球部へ城北小児童が応援メッセージ贈る

 選抜高校野球に出場する近江高校の野球部に向けて、隣接する彦根市立城北小学校の児童たちが応援メッセージを製作。城北小児童会の代表3人が5日、近江高を訪れて野球部員に手渡した。
 両校は児童と生徒が一緒にあいさつ運動をしたり、5・6年生が近江高の文化祭に参加したり、城北小の運動会で近江高のブラスバンド部が演奏したり、交流活動が盛ん。城北小ではこれまでの交流に感謝を込めて、児童会が近江高野球部へ応援メッセージを初めて贈ることにし、全校児童251人が学年ごとにメッセージを作った。
 1年生は自分の顔を描き、2年生は雪だるまに、3年生はクローバーにそれぞれ激励のメッセージを、4年生はロケット型に漢字一文字を書き、5年生は100羽鶴を作り、6年生は桜型にメッセージを記入。それらを縦1・2㍍×横2㍍の画用紙2枚に低学年と高学年に分けて貼り付けて完成させた。
 近江高には6年生の竹山笑加さん(12)、高松明日香さん(12)、大澤舞美さん(12)が訪問。校長室で行われた贈呈式で児童たちは、野球部主将の仲矢惇平選手(17)=2年生=ら5人に応援メッセージを贈った。
 児童の竹山さんは「私たちの自慢のお兄さん、お姉さんに心を込めて作りました。アルプス席やテレビの前で応援しますのでがんばってください」と激励。仲矢選手は「こんなにも応援してくれて、皆さんに恥じないプレーができるようしっかり戦ってきたい」と述べた。
 近江高では、応援メッセージを同校2階ホールに掲示するほか、百羽鶴については甲子園への持参を予定している。

2015年3月6日金曜日

彦根市議会3月定例会の一般質問


 彦根市議会3月定例会の一般質問が9日〜始まり、会派代表に2人、個人に15人が登壇する。11日までの予定。質問内容は以下の通り。
 【会派代表】
 ▽公政会(北村収議員)=平成27年度一般会計予算、大久保市政の総括と課題、本庁舎の耐震化、学校給食センター、彦根城世界遺産登録、国体、彦根市立病院の院内暴力、農政の現状、副市長2人制。
 ▽夢みらい(赤井康彦議員)=平成27年度一般会計予算、国体、彦根城世界遺産登録、高齢者福祉計画、教育行政、子育て支援、市民との協働のまちづくり、防災。
 【個人】
 ▽辻真理子議員=バルブ産業の現状、神宮踏切の改良工事、市立病院の地域拠点病院化。
 ▽安澤勝議員=鳥居本学園、ひこにゃんのポーズ増設。
 ▽北川元気議員=まち・ひと・しごと創生、彦根のIT活用。
 ▽宮田茂雄議員=学校図書館、河川整備、高校再編。
 ▽馬場和子議員=国と進める施策、安心と温もりある対応(市立病院の現状など)、平田こども園構想。
 ▽田中滋康議員=市立病院(産科問題など)、生活保護制度。
 ▽山田多津子議員=介護保険制度の充実、浜がけ、自主性ある教育行政。
 ▽矢吹安子議員=投票率アップ、旧井伊神社再建。
 ▽渡辺史郎議員=公有財産管理と土地有効利用、JR稲枝駅改築、市道、稲枝東幼稚園改築。
 ▽安藤博議員=予算編成にあたって、教育行政、観光行政。
 ▽有馬裕次議員=介護問題。
 ▽上杉正敏議員=地方創生戦略、コンビニ健診。
 ▽山内善男議員=三津への老人ホーム建設計画、TPP撤退、市立病院の労働問題。
 ▽野村郁雄議員=河瀬公園の実現、観光行政、市長のこれまでの取り組み。
 ▽安居正倫議員=彦根市総合体育館の建設。

彦根マイスター自習がんばった小中学生を表彰

 彦根市教委は今年度、自主学習をがんばった市内の小中学生に贈る「彦根マイ☆(スター)」賞を設置。先月28日に玄宮楽々園で入賞者15人の表彰式を行った。
  家庭で自主的に学んでいる児童生徒の取り組みを推奨しようと、自主学習ノートで勉強し続けている「家庭での自主学習ノート」部門(マイスター1)と、趣味や自由研究などを続けている「ずっと続けてがんばっている」部門(マイスター2)を設定。マイスターはドイツ語で名人・達人という意味で、英語では「私の星」という意味のため、自分の夢や希望との願いも込めたという。
 マイスター1には121点、同2には8点の応募があった。それぞれの最優秀賞と特選の受賞者は同1が梶間奈緒さん(城南小5)と堀居真依さん(東中1)、同2が年長組から4年間で約1800冊の本を読んだ江畑孝亮君(城南小2)と落語を続けている西畑奏音君(城西小2)。

2015年3月5日木曜日

織田信長が松原内湖に大船を浮かべた歴史、石田三成の佐和山惣講も

 「あまり知られていない彦根の歴史」について、県立琵琶湖博物館上席統括学芸員の用田政晴さんが先月28日、大学サテライトプラザ彦根で講演。織田信長が松原内湖に大船を浮かべた歴史などを紹介した。
 市内3大学などによる大学サテライトプラザ彦根運営協議会が企画し、用田さんは「王と武将の湖」をテーマに来場者80人の前で講演。まず県内2番目の規模の前方後円墳・荒神山古墳について、はにわと葺き石を備えたのは県内で荒神山古墳のみだとした上で「湖北や湖南の古墳は、高島など湖西に比べて前方後円墳の形が多いが、ここからは当時の大和政権の影響を受けていた地域だということがわかる」と解説した。
 天正時代に信長が松原内湖に大船を浮かべた歴史については、信長公記に記された内容を紹介しながら「多賀の山中の材木を善利川(芹川)を使って松原へ流し、棟梁らによって長さ30間(約54・5㍍)・横7間(約12・7㍍)の弁才船を作らせた」「しかし大きすぎたため、3年後の天正4年(1576)に丸子船10艇に作り変えらせた」と説明。用田さんは「信長はクロマグロのような海に浮かべることもできる巨大な船を作らせたが、琵琶湖には海ほどの浮力がないため、一度使っただけで失敗に終わり、アジのような丸子舟に分けられた」と語った。
 佐和山城については「石田三成が入城した文禄4年(1595)時に『佐和山惣講』が行われ、百間橋を整備するなど佐和山城の正面を東山道があった鳥居本側から琵琶湖側に変えた」との考えを示した一方、井伊家が入った頃に正面が変えられたとの説もあるため「鳥居本側を客用に、琵琶湖側を三成の住まいなどにした可能性もある」と述べた。
 最後にまとめとして、古墳時代初期に陸路志向から水路志向へ変わり、以降も8世紀ごろの律令期には陸路へ、16世紀末の戦国時代には水路へ、明治時代には陸路へ―と変遷していった歴史の流れを示した。

遠藤慎也さん特殊メイク・造形展、文化プラザで

 ハリウッド映画やNHK大河ドラマなどの特殊メイクや造形を製作している遠藤慎也さん(31)=大阪市=の作品展が文化プラザメッセ棟1階で開かれており、最終日の7日午後2時~は遠藤さんによる講座もある。
 遠藤さんは小学生のころに映画「ジュラシックパーク」を見て特殊メイクに関心をもち、中学生のころから独学で勉強し始め、高校時代にはテレビやCMの仕事をした。卒業後、米国ロサンゼルスでの留学を経て、帰国後にテレビや映画の仕事をしながら、専門学校の講師も務めた。平成22年には会社「アークエストスタジオ」を設立し、同25年には社名を「Shiny Art」に変更。現在は義手や義足など医療分野でも貢献している。
 文プラでは、「フランケンシュタイン」など人気映画の宣伝用に作った胸像など9体のほか、製作過程の展示物も並んでいる。粘土や石こう、樹脂製の義眼で作られた作品は動き出しそうなほどの迫力がある。観覧無料。
 7日の講座では映像による製作過程の解説、特殊メイクの実演などがある。大人1000円、学生700円、高齢者・障害者900円、小中学生無料。申し込みは文化プラザ☎(27)5200。

2015年3月4日水曜日

ガラス造形作家・竹川久仁子さん彦根幼稚園で出前講座、ひこね市文化プラザ主催

 彦根市旭町のガラス造形作家・竹川久仁子さん(55)を招いた出前講座が市内の保育園と幼稚園計5園で行われた。文化プラザが子どもたちに物作りの楽しさを教えようと企画。園児たちは、立方体のアクリル製の透明ボックスに、砂などの研磨剤を吹き付けて曇りガラスのようになった各面に、ひこにゃんやアニメキャラ、花などをクレヨンや色鉛筆で描いた。
 24日に行われた本町の彦根幼稚園(高橋容子園長)では4、5歳の園児40人が進級記念と卒園記念として制作。竹川さんが見守る中、思い思いの柄を塗り描いていた。園児の伊藤友芽さん(6)は「友だちの顔やウサギ、チューリップなどがうまく描けた。大事に使いたい」と話していた。

伊勢大神楽・渋谷章社中が城北小学校で舞と曲を披露

 彦根市立城北小学校で25日、伊勢大神楽の流派の一つ渋谷章社中(本部・大阪府高槻市)の芸の鑑賞会が開かれた。
 同校では音楽の授業で和楽器について学習しており、城北学区青少年育成協議会などが約600年前から続いているという伊勢大神楽を子どもたちに知ってもらおうと招いた。
 伊勢大神楽は伊勢神宮に参拝できない人たちのために、みこしのような長持(ながもち)と一緒に各地を訪れて、悪魔を退治して清める意味がある「舞」と大道芸のような放下(ほうか)芸の「曲」を披露するお使いの団体。
 城北小には渋谷章社中のメンバー9人が来校し、全校児童251人や保護者ら約20人が見守る中、獅子舞や天狗姿に変装したり、笛、太鼓などを演奏したりしながら10種類の舞と曲を披露。合間には放下芸師とチャリ師と呼ばれる役者が漫才のように掛け合いながら、子どもたちの笑いを誘っていた。児童の大澤舞美さん(12)は「獅子舞を初めて見ることができてうれしかった。これからももっと日本の伝統芸能を学びたい」と話していた。