2021年8月31日火曜日

くらふとらぼ大橋悠依選手の快挙祝い新イラストを採用ひこにゃんスイムキャップ9月1日に発売

 彦根市平田町の縫製業「くらふとらぼ」は、東京五輪で金メダル2個を獲得した大橋悠依選手の快挙を祝い、ひこにゃんの新しいイラストを採用した「ひこにゃんスイムキャップ」を開発。9月1日に発売する。
 ひこにゃんの新しいイラストは大橋選手の快挙に合わせた特別バージョンで、水着姿のひこにゃんが描かれた金メダルの上に横たわるひこにゃんがデザインされている。
 くらふとらぼでは大橋選手への祝福ムードを継続し、さらに盛り上げていける商品作りを企画。また、新型コロナの影響で気軽にプールに行ったり、水遊びができない中、新型コロナが落ち着いたころに
水泳などを楽しんでもらおうと「スイムキャップ」を開発した。
 伸縮性の生地に工房でひこにゃんのイラストを転写して製造。ひこにゃんや彦根藩井伊家にちなみ、朱色と黄色の兜(かぶと)カラーと白色の2種類。チャイルドサイズとレディースサイズがあるが、縦横に伸び縮みするため大人の男性でもかぶれる。税込み1200円。くらふとらぼのネットショップなどで販売。
 代表の磯嶋美樹さん(50)は「このキャップをして練習し、大橋選手に続く優秀な選手が出てきてくれたらうれしい。子どもから大人まで利用してほしい」と話していた。問い合わせはくらふとらぼ☎(49)2512。

2021年8月29日日曜日

レート白粉 田中嘉蔵商店の建物解体

 彦根市城町1丁目にあった「旧田中嘉蔵商店」の建物が23日までに解体され、旧城下町から貴重な文化財がまた1軒なくなった=店舗の建物は読者提供。
 旧田中嘉蔵商店は旧下魚屋町にあり、「レート白粉 田中嘉蔵商店」と右から左に書かれたレトロな看板が特徴だった。レート白粉は明治11年ごろから昭和29年ごろまで経営の化粧品メーカー・平尾賛平商店が販売していた白粉(おしろい)。市文化財課に建物の詳細な記録はないが、城下町彦根を考える会の資料によると江戸時代の建物とされる。市民によると、今月中旬から数日の間に解体されて更地になった。
 建物があった敷地前の江戸時代後期の長屋10戸は、市が昨年度から今年度にかけて所有者7人から購入し保存活用する。
 一方で、今回の旧田中嘉蔵商店のように旧城下町に残る文化財的に貴重な建物の解体は後を絶たない。財政的に厳しい行政による保存活用が困難な中、民間や各種団体と連携しながらの対策が急がれる。

2021年8月26日木曜日

近江高校野球部ベンチ入り唯一の1年生 横田悟選手にインタビュー

 近江高校野球部のベンチ入りメンバーのうち彦根市・犬上郡から唯一、彦根市平田町の横田悟選手(16)=1年生=が入っている。
 横田選手は平田小、中央中の出身。中学時代はクラブチームの湖東リトルシニア(東近江市)に所属し、投手と遊撃手だった。近江高では遊撃手。
 「打ったボールに対して素早く入り、肩にも自信がある。深い守備でもアウトにできる」と自己分析。打撃については「次につなぐ意識を常に持っている。調子を崩しても、取り戻し方を把握しているので期待してほしい」と話し、滋賀大会では8打数1安打(センター前ヒット)だった。
 ベンチ入りメンバーではただ一人の1年生。「1年生らしく、元気を出したい。常に負けない気持ちを表に出して戦いにのぞみたい」と意気込んだ。甲子園に対しては「先輩たちに声を出して、守備で引っ張っていく気持ちで戦いたい」と抱負。対戦した選手として「同じ1年生の横浜高の緒方漣選手をあげ「ボールへの入り方がとてもうまい」と称えた。
 将来の夢には「プロ野球選手」をあげ「守備のポジショニングでまだ甘い部分がある。(昨年プロ野球の中日ドラゴンズ入りした)先輩の土田龍空選手を目標にがんばりたい」と述べた。
 最後に市民に向けては「コロナ禍で世の中の雰囲気が少し暗くなっているが、自分たちの野球を見てもらって元気になってもらえたら。一生懸命に努力したい」と力強く語った。

2021年8月24日火曜日

ひこね燦ぱれす解体せず図書館として活用する方針

 彦根市小泉町に建設中の市スポーツ・文化交流センターの整備に伴い、前市長時の計画で解体される予定だったひこね燦ぱれす(小泉町)について、和田裕行市長が解体せずに図書館として活用する方針を示していることがわかった。今月17日以降、市議会の主な会派にもその意向を伝えた模様だ。
 
合築しまちなか交流棟に
前市長時、同様施設の整備計画
 
 彦根市は2025年に県内で行われる国民スポーツ大会に合わせて、新しい市民体育センターを建設するため、南彦根駅近くの小泉町に昨年4月1日に着工。来年6月22日に完成し、12月に開館する予定。計画では約3万5000平方㍍の敷地に、3階建てのスポーツ棟や2階建てのまちなか交流棟、共有部分、403台分の駐車場などが整備される。
 ひこね燦ぱれすは1991年(平成3年)2月1日に建築面積2267平方㍍で竣工。1階に507人を収容できる多目的ホールや教養文化室、2階にミーティングルームや研修室、会議室がある。駐車場は200台分。
 前市長時の計画では、ひこね燦ぱれすが築30年を経過して今後の修繕対応が必要なため、解体して同様の施設(まちなか交流棟)を建設する合築案が盛り込まれた。現在はまちなか交流棟の建設も行われており、基礎部分の工事が進んでいる。
 
過去に図書館の整備案も
130台の駐車スペース確保課題
 しかし、解体費用には概算で約1億円かかり、建築基準法でも耐震工事の必要がないため、和田市長は公約や就任後の本紙のインタビューなどで、ひこね燦ぱれすの保存と有効活用に言及。先の6月議会では「取り壊すのか、有効活用するのかを検討しているところだ」と述べていた。関係者によると、その後、解体せずに図書館として活用する方針を固め、17日以降に順次、市議会の公政会や夢みらいなどに所属する市議に伝えたという。
 元々、整備中の市スポーツ・文化交流センターの場所には、同センターの整備計画が決まる前まで、図書館を整備する案が水面下で進んでいた経緯があり、前市長の時に同センターの整備が決定した際は地元住民から驚きの声もあがっていた。
整備中のまちなか交流棟には1万5000冊を収める図書コーナーを設ける予定だが、まちなか交流棟の図書コーナーは子どもや子育て世代ら向けにし、ひこね燦ぱれすの図書館にはほかのジャンルの書籍を配置するとみられる。
 一方で、前市長の時の計画ではひこね燦ぱれすの解体後の跡地には駐車場を整備する予定だった。解体しなかった場合は約130台分の駐車スペースがなくなるため、今後は代替のスペースの確保が必要になる。
 
市議会の対応注目
また市議会で過半数を占める最大会派の公政会などは、ひこね燦ぱれすを解体して同センターの整備を進める前市長の計画案を了承していた。公共事業の抑制を掲げて和田市長を当選させた民意か、一度は了承したメンツをとるか、公政会でも賛否が分かれている模様で、9月議会での公政会を中心にした市議会の対応が注目される

 

2021年8月20日金曜日

木俣家屋敷跡の一般公開に向け整備作業始まる

 彦根城内の木俣家屋敷跡の将来的な一般公開に向けて、枯れ木などを除去する作業がさきごろ行われ、彦根城のスタッフや市文化財課職員らが参加した。
 木俣家は徳川家から井伊家に仕え、大坂の陣後に筆頭家老になった重臣。元禄8年(1695年)には452人の家人がいた。知行は江戸時代初期が4000石だったが、享保7年(1722年)には大名クラスの1万石まで加増された。
 屋敷は当初、彦根城の山崎郭にあったが、元和元年(1615年)から同8年にかけての第二期の築城工事時に現在の地に移ったとされる。敷地内には天明5年(1785年)の棟札が残る約80平方㍍の主屋の一部が現存し、そこには3室の座敷と、板戸で仕切られた入側(廊下)と縁がある。門を入って石畳の正面に見える玄関や左手の長屋は明治時代に建てられたという。奥には持仏堂と呼ばれる建物もある。約4100平方㍍の庭園には杉や竹などの樹木が生い茂っている。
 彦根城運営管理センターは城内で働くスタッフや文化財課の職員たちに呼びかけて計約20人で「管理応援団」を結成。彦根城の世界遺産登録を目指す中で、対象遺構にも入っている重臣屋敷の代表格にあたる木俣家屋敷跡の整備を開始した。
 この日は、彦根城博物館の講堂で十八代当主の井伊直岳さん(52)から木俣家や屋敷について学んだ後、木俣家屋敷跡に移動し、庭園や建物周辺の枯れた樹木を切り取って除去した。9月に2回目の作業を行い、今年度中にあと数回の作業を予定。来年度以降、市が建物と庭園の調査を行い、整備計画や実施設計を経て、本格的な整備と庭園の公開を進める計画だ。
 宮川敏明所長(55)は「木俣家屋敷跡は現在の玄関口にあたる場所にある。世界遺産登録に向けて、市民レベルで応援するきっかけ作りとして整備をしていきたい」と話している。管理応援団の団員も募っている。問い合わせは彦根城運営管理センター☎(22)2742。

まん延防止等重点措置(まん防)、酒類提供できる町に隣接する彦根市内の飲食店から不満の声

新型コロナの感染拡大防止のため、国の「まん延防止等重点措置(まん防)」に滋賀県が追加適用されたことを受け、飲食店などで時短営業が行われている。彦根市など13市では酒類の提供も停止となっているが、酒類の提供ができる犬上郡や愛荘町に隣接する市内の飲食店では「お客さんが町の店に行っている」と不満の声があがる。
 まん防により、県内13市の要請に応じた居酒屋を含む飲食店や喫茶店の営業時間は午前5時から午後8時までで、持ち込みを含め酒類の提供も停止されている。一方で、犬上郡と愛荘町を含む県内6町の飲食店などでは午前11時から午後8時まで酒類の提供が認められている。
 この措置に対し、近隣町に隣接する市南部の飲食店の男性店主(48)によると、まん防後の来店客は常連や知人に限られるといい「酒類の提供を停止していると言うと、帰っていくお客さんもいる。隣接の町の飲食店に聞くと、来店客が増えているとのことだ。なぜ統一しないのか、納得いかない」と述べている。
 愛荘町で飲食店を経営する男性店主(44)は「まん防後、県外からやノンアルコールのみを含め、お客さんが増えているのは事実だ」と話す。
 県の担当者は「町では感染者の拡大が見られないため、市と区別した。法律的にも県内全市町での適用はできないが、県独自で全域での酒類禁止はできる。今後のまん防の延長に伴って検討する」としている。
 
協力金を早期給付
 県は16日から、営業時間の短縮要請に応じている飲食店などに協力金の一部を早めに給付するための申請受付を開始した。
 対象は要請に応じ、今年度の新型コロナ感染防止臨時支援金の受給実績があり、もしサポ滋賀を導入済みの飲食店など。13市内では一律36万円、6町内では一律30万円を給付。問い合わせは県営業時間短縮要請コールセンター☎077(528)1341。

2021年8月16日月曜日

今年の近江は2年生ながら投手と4番バッター「二刀流」の山田陽翔のチーム

 今年の近江は2年生ながら投手と4番バッターの「二刀流」の活躍を見せる山田陽翔のチームと言っても過言ではない。
 最速146㌔の直球と鋭く曲がるスライダーが持ち味で、滋賀大会では4試合に先発し、計21回で1失点、自責点0、防御率0・00、28奪三振、奪三振率1157の文句なしの成績を収めた。中学時代にテレビ番組の企画で読売ジャイアンツの元木大介ヘッドコーチを一塁フライに仕留めた逸話は有名だ。また山田は打撃センスも抜群で、滋賀大会では2本塁打9打点の成績を残した。兄の優太さん(日体大)は大阪桐蔭高で活躍したことでも知られ、野球センス抜群の兄弟だ。
 山田と並ぶ主戦でエースナンバーの岩佐直哉は最速148㌔の右腕。滋賀大会の決勝では7回からリリーフに上がり、伸びのあるストレートで力投を見せた。滋賀大会全体では山田から引き継ぐ形で登板し、17回3分の1を投げ、自責点1の好成績だった。甲子園でも山田、岩佐のリレーで強豪校を倒したい。
 攻撃陣では主に5番を打つ新野翔大がその中心的存在。滋賀大会決勝の立命館守山高戦では3回まで無安打に抑えられていたが、4回の2つの死球で1、2塁で迎えたチャンスに打席に立った新野がチーム最初の安打を放ち、そのまま勢いに乗ったチームは6回までに6点を奪い勝利を確実にした。
 主将の春山陽生も滋賀大会でチーム最多の8四死球の選球眼が持ち味で、チームを引っ張る。攻守の要の2年の山田をほかの3年が支えるチームカラーで、初の全国優勝を手にしてほしい。
 
初戦は日大東北
5日目第2試合
 近江が大会5日目の第2試合で戦う福島の日大東北は、エースで4番の吉田達也投手が引っ張るチームで、今年の近江とも似ている。初戦を勝ちあがると2回戦では大阪桐蔭と東海大菅生の勝者との対戦という、今大会の優勝候補との対戦が待っている。

2021年8月10日火曜日

右足と耳が不自由な楠亀美恵子さん自作の詩や随筆をまとめた本3巻目発刊

 右足と耳が不自由な楠亀美恵子さん(75)=彦根市芹橋1丁目=が、自作の詩や随筆をまとめた本「一八〇度変わった書き続けた半世紀の記録集 音無き心のメッセージ③」を発刊。自身の病気や夫、長女の死など波乱に満ちた人生を歩んできたこれまでの経験を収めており「生きることの大切さを知ってほしい」と訴える。
 
夫と長女 事故と病で亡くす

 楠亀さんは1994年に自宅に美容室を開店。2001年に腰を痛め、右ひざに人工関節を入れる手術を行った。05年5月に人工関節を入れ替えた後、痛み止めの注射の影響で右ひざの関節を失い、薬の副作用の影響で両耳の聴力も失ったという。その後も手術を繰り返し、骨移植により感染症を発症した際は命の危険な状態にもなったが、08年にはつえで歩けるまで改善し退院した。091224日には夫の郁雄さん(享年73)を交通事故で亡くし、昨年2月1日には長女の希(のぞみ)さん(享年47)が病気で急逝した。
 楠亀さんは夫を亡くした後、ショックで何も手につかない状態だったが、思ったことを自由に表現できる詩に出会い、10年の彦根市立病院で開催された健康ふれあいまつりで「心の声の詩」40作を展示。小学校時代の恩師の三宅春代さん=後三条町=に出会い、彦根市民文芸作品に応募し、随筆「腕時計」が入選した。以降、随筆サークル「多景島」に入会し、作品を書き続けた。

夫へ「もう一度 私の側に」
長女へ「戻っておいでよ!」

 本は2015年3月の第1巻、16年5月の第2巻に続き3巻目で、詩69作、随筆26作、短文集7作を収録。作品のうち夫との思い出をよんだ「桜酒」は「(中略)貴方と桜が散る頃 ひらひらと一枚の花びらが盃に入ったとき 喜んだでしょう これが『桜酒だ』って あの日『いってきます』と言ったきり 『ただいま』を言わずに一人で黄泉の国へと旅だってしまった 『桜酒』思いだしたら帰ってきて もう一度私の側に…(中略)」。
 亡くなった長女をよんだ詩「雲になったノンちゃん」は「(中略)『母さん~母さん~母さん~』ノンちゃんの声だ!忘れるはずのない娘の声だ 何処にいるの?見えない姿を追い求め 遠くを見渡すと伊吹山のふんわり雲がノンちゃんの顔に…『こっちに、戻っておいでよ!』手をかざすとふんわり雲は遠くへと離れていく(中略)」。
 楠亀さんは「死にたいと思ったこともあるけれど、生きなければ人生とは言えない。死にたいと思っても自ら死を選んではいけない。生きることの大切さ、生きてこそという言葉をこの本で伝えたい」と話していた。本は税込み1000円。206ページ。問い合わせは楠亀さん☎(27)3730。次女が対応する。

 

2021年8月7日土曜日

大橋悠依選手祝う横断幕を屋形船に、母校の東中・佐和山小、花しょうぶ通りも

 東京五輪の水泳競技の400㍍個人メドレーと200㍍個人メドレーで金メダルを獲得した大橋悠依選手を祝うため、市内各所で横断幕や懸垂幕、のぼり旗が設置されている。NPО小江戸彦根は彦根城内堀で運航する屋形船の両サイドに横断幕を掲げた。
  小江戸彦根は1日、赤地に白文字で「祝 大橋悠依選手おめでとう!」と書かれた横断幕を小江戸彦根が運航する屋形船と船着場に計3本掲げた。小江戸彦根副理事長の小島誠司さん(50)は「これからも彦根市民として応援していく気持ちを込めて、彦根のシンボルの彦根城で運航している屋形船に横断幕を掲げた」と話していた。
 花しょうぶ通り商店街振興組合も1日、同様のデザインののぼり旗2本を同通りの滋賀中央信用金庫前と街の駅・治部少丸前に設置した。
 大橋選手の母校の市立佐和山小学校は7月29日に、手書きの懸垂幕を校舎運動場側に掲げ、3階窓に横書きで「祝2冠 大橋選手 佐和山っこの憧れです」とのメッセージを設置した。いずれも200㍍個人メドレー直後から教員約10人が作成に取りかかり、翌日掲げた。
同じく母校の市立東中学校には7月30日、校舎正面に「祝 大橋悠依選手(2010年度卒業生)金2冠達成」などと記された縦8㍍×横1㍍の懸垂幕が設置された。東中同窓会が寄付した。
 なお彦根市は3日に市役所に懸垂幕、彦根駅の改札口に横断幕を掲出。彦根市民会館に設置している彦根出身3選手の五輪出場を祝う横断幕を市役所に移動した(7日付で紹介)。

 

 

2021年8月1日日曜日

水泳・大橋選手へ彦根市市民最高栄誉賞、金メダル2個に恩師ら「誇り」ひこにゃんも祝福

 東京五輪の競泳女子200㍍個人メドレーの決勝が28日に行われ、彦根出身の大橋悠依選手(25)が2分8秒52のトップでゴールし、金メダルを獲得。400㍍に続き2冠を達成した。この偉業に彦根東学校や草津東高校時代の教員や恩師らから称賛や喜びの声があがった。また彦根市は29日、新たに「彦根市市民最高栄誉賞」を創設し、大橋選手に授与すると発表した。
  競泳女子200㍍個人メドレーが行われたこの日、彦根市役所の1階ロビーではテレビ画面を前に来庁者らが観戦したほか、定例会見中だったため、和田裕行市長や市職員たちが会見のあった特別応接室内でテレビ観戦。優勝した際は市長らがガッツポーズをし、涙ぐむ職員もいた。
市長は「感動をありがとうとしか言えない。2つの金メダルの獲得は我々の想像を超えている。色んな苦労を乗り越えて、この日にピークを持ってこられた精神力はすばらしい。コロナが落ち着いたら盛大にお祝いしたい」と述べた。
彦根城博物館に登場したひこにゃんも「大橋選手おめでとうございます」と書いたメッセージボードと手作りの金メダル2個を手に祝福。時折、泳ぐそぶりも見せていた。ひこにゃんを見に来ていた兵庫県伊丹市の小学6年生の川原心音さん(11)は水泳を習っているといい「これからもがんばってください。応援しています」と笑顔を見せていた。
 大橋選手が通っていた彦根イトマンスイミングスクール所長の嶌和雅さん(45)は「すごいとしか言えない。日本の大橋選手から世界の大橋選手になった」と称えた。彦根イトマンでは大橋選手を祝福するコーナーも設けている。
 彦根イトマン時代に指導していた堅田イトマンスポーツクラブ所長の奥谷直史さん(53)=草津市=は「すごいことをしてくれた」と第一声。「会った時にはごくろうさんと言ってやりたい。五輪後はゆっくりしてほしい」と語っていた。
 大橋選手が草津東高校の1、2年生の時に担任を務めた滋賀県競技力対策課の藤江隆史さん(48)=彦根市野良田町=は大橋選手が1位になった瞬間、思わず「やった」と思わず声を上げたといい「本当によくやったと同時にお疲れさんと言ってやりたい。高校の時もまじめで努力家で、非の打ち所がない生徒だった」と称えていた。
 彦根東中学校時代の校長で彦根市スポーツ協会専務理事の木村輝男さん(69)=彦根市稲部町=は、中学校の大会で応援に行っていたことなど当時を振り返りながら「とんでもないことをしてくれた。誇りに思うしすばらしい。凱旋した時には協会としても何かしたい」と称賛していた。
 なおこれまで、彦根市市民栄誉賞を陸上の桐生祥秀選手が2016年9月30日、大橋選手が17年9月18日、市民栄誉賞特別賞を桐生選手が171115日に受賞している。

 

競泳女子400㍍個人メドレー大橋悠依選手が金メダル同級生らから喜びの声

 東京五輪の競泳女子400㍍個人メドレーの決勝が25日に行われ、彦根出身の大橋悠依選手(25)が4分3208で優勝し、金メダルを獲得した。地元では同級生らから喜びの声があがった(写真は岸本さん提供)。
 大橋選手は24日の予選を全体3位の記録で勝ち上がり、翌日の決勝では最初のバタフライから得意の背泳ぎに移るとトップに出て、平泳ぎでその差を広げ、最後の自由形でもキープしたまま1位でゴールした。
 大橋選手はインタビューで「不安もあったが、自分を信じて泳いだ。金メダルをとれるとは思っていなかった。色んなことがあったが、チャレンジの機会に感謝している。やってきたことは間違っていなかった。楽しいレースができた」と喜びを語った。
 大橋選手の中学校の同級生で小学2年生の時からイトマン彦根で一緒に練習していた会社員の岸本悠花さん(25)=草津市=は、車内のテレビで大橋選手の泳ぎを見て、すぐにLINEで「おめでとう。ありがとう」と伝えたという。「金メダルおめでとう。そして感動をありがとう。言葉にならないぐらいうれしいです」と話していた。
 大橋選手を小学3年から高校3年まで彦根イトマンで指導した奥谷直史さん(53)=堅田イトマンスポーツクラブ所長=は「ほっとしたと同時に本当に良かった」と話した。決勝での泳ぎについては「予選ではバタフライが少し堅い印象があったが、決勝はいい泳ぎだった」と解説した。昨年秋には大橋選手、奥谷さん、岸本さんとで草津市内で会った。
 和田裕行市長は「金メダルの獲得、誠におめでとうございます。このような素晴らしい結果を残されたことは彦根市民はもとより、全国の皆さまに大きな感動を与えていただいた」と述べた。
 大橋選手は競泳女子200㍍個人メドレーにも出場予定。決勝は28日午前1145分の予定。