彦根城博物館は、彦根藩の井伊家十四代目当主・直憲の幕末~明治初期に撮影された古写真2点と、明治時代に描かれた肖像画など4件が同館に寄贈されたと発表した。
古写真は大名の正装・衣冠姿で、県知事となった明治4年(直憲数え24歳)以前の彦根藩主時代に撮影されたものと、洋服姿で断髪した青年華族の姿であることから、廃藩後の明治初期に撮られたもの。断髪後の直憲の写真は新たに確認されたという。寄贈者は錦町の渋谷博さん。
肖像画は、礼服用のフロック・コートを着て、左胸に勲章を付けていることから、県知事の後に伯爵となった中年期ごろの姿だとみられる。石版刷の技法で作られている。
肖像画が入っていた桐箱には、明治38年(1905)4月に彦根藩出身で明治の書聖として知られる書家・日下部鳴鶴が揮ごうした墨書もある。直憲の肖像画はこれまで見つかっておらず、貴重なものだという。寄贈者は本町3丁目の山口文太郎さん。
ほかの寄贈品は、大橋中村(現在の芹川町の一部)で村役人をしていた前田家に伝来した江戸時代初期から明治時代初期の資料と、彦根藩の中堅藩士・青木家に伝わる藩主からの達書写しや青木家五代・秀好が戊辰戦争時に東北地方まで従軍した際に撮影された写真など歴代5人の肖像画・写真。
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