県文化財保護協会は3月2日、彦根市宮田町の六反田遺跡から、縄文時代後期末(約3000年前)の食料貯蔵のための穴と土偶を発見したと発表。7日午前10時から鳥居本地区公民館で説明会を開く。
平成19年から調査をしており、昨年度は約5587平方㍍で縄文時代後期前葉(約4000年前)から平安時代までの集落跡を発見。今年度は約3800平方㍍で調査をした。
発見した食料貯蔵穴は、冬から夏の終わりまでの食料不足を補うため、当時の主食だったカシやトチノミなど木の実を備蓄するための設備で、計15基。穴の大きさは直径1~2㍍、深さ0・5㍍前後。当時の木の実もそのままの状態で1万2000粒以上残っていた。縄文時代後期末の食料貯蔵穴の発見は県内初。
土偶は、豊穣などを祈る祭祀に用いられた土製の人形で、乳房などを表現しているため女性をかたどったとみられる。長さ12㌢、幅6・8㌢、厚さ2・5㌢。頭部と両腕、右足は欠損しているが、この時期の土偶は関西地方では2例目で、下半部が分かるのは初めて。
京都大学大学院文学研究科の泉拓良教授は「西日本で食料貯蔵穴が集落脇の低湿地に作られていたことがわかった。当時の縄文集落と食料貯蔵施設の位置関係が明らかになったことは重要な発見」とコメントしている。
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