彦根市長選は26日投開票が行われ、現職の獅山向洋氏(68)が新人4人を破り、3選目を果たした。しかし、次点の大久保貴氏(45)との差は、わずか39票で、有効投票数の7割が現市政に批判票を投じた結果に。結局、その批判票の分散が、現職の再選につながった。投票率は、争点がなく、投票日が雨天だったためか、戦後2番目に低い44・89%。当日有権者は8万5321人。
選挙戦は、序盤から中盤にかけて、獅山氏が知名度と組織力からリードしていたが、終盤にかけて、大久保氏、和田裕行氏(38)、辻橋正一氏(61)の「現市政の問題点」の指摘が徐々に浸透。3人が追い上げて、その後を伊藤善規氏(61)が追い駆ける情勢となったが、結局、あと一歩、及ばなかった。
獅山氏は、自民党市連協の推薦を受け、県議や市議、公明党の市議、彦根商議所幹部らの支援もあり、組織力でほかを圧倒したことが、勝利につながった。
大久保氏は、民主党の県議や市議、旧さきがけのグループらが支持。選挙戦では「病院再生」を第一に掲げ、市南部地域を含めた均衡発展も唱え、善戦したものの、あと一歩だった。
和田氏は、自民党の県議、地元の市議、嘉田知事の支援者、若手有志らの支援を受け、企業誘致による景気回復や子育て支援の充実を訴えたが、前回と同様、約1000票届かなかった。
辻橋氏は、民主党の県議や市議、嘉田知事の支援者、地元住民が支え、「市民協働での市政運営」を全面に出した。しかし、福祉や医療の関係者票が大久保氏と分け合う形となり、票が伸びなかった。
伊藤氏は、地元や保守系の一部が応援に回り、芹谷ダム建設の推進と、しつけ教育の導入を呼びかけたが、支持を得られなかった。
なお白票は188票で、「ひこにゃん」も10票前後あったという。
午後10時45分に当確の知らせが入ると、銀座町の獅山陣営の事務所からは歓声があがり、獅山氏が登場すると拍手がわき起こり、万歳三唱が行われた。
勝因について、獅山氏は「4年間の実績が認められた」と強調。接戦になったことには、「それぞれの候補の主張に共鳴する市民が多くいたということだろう。地域性も出たと分析している」と話した。
最初に取り組む政策としては、「新型インフルエンザ対策」と「景気対策」の実施をあげた。
27日には、当選証書の授与式も市役所で開かれ、小川良紘・市選管委員長から当選証書が授与された。
0 件のコメント:
コメントを投稿