2009年7月7日火曜日

環境問題の解決策 滋賀大学・柴山桂太准教授「技術革新」と「『新食』導入」

 滋賀大学の柴山桂太准教授は4日、環境問題をテーマに市内で講演し「文明社会は人口増、食糧増、資源増の3つの問題が転じて環境問題になり、それを繰り返すもの」とし、その難局を乗り切った例のひとつが「日本の江戸期だ」と解説した。
 柴山准教授は、「環境問題はいまに始まったものでなく、世界の文明史上絶えず直面してきた」と説明。古代文明が栄えたイースター島(チリ)を例にあげ「文明が発達して人口が増え、生活を養うために魚などの食糧と森林資源が乱獲されたことが環境破壊をもたらし、内乱や疫病が起こった」と指摘。根本的な問題は「人口増を補う食糧・資源の確保と管理だ」と展開した。
 その成功例として、古代アテネと18世紀のイングランド、江戸期の日本を紹介。アテネは都市で枯渇しかけた資源の木材を戦争による収奪で他国に求めて維持した。18世紀のイングランドは石炭採掘の技術革新に注力し資源を木材から石炭に転換、エネルギー効率を飛躍的に伸ばした。
 また江戸期の日本では、1600年頃から100年間に人口が1500万人から3000万人に倍増し木材枯渇が深刻化したが、その後人口増は収まったとし、その背景には「人口抑制や、生活での省エネと幕府による森林再生政策、さらに新たに鯨食を取り入れたことがある」と解説。
 中でも「イングランドの技術革新」、「日本の省エネ・資源再生と『新食』導入」が、今後の文明社会の活路を見出す上で参考になるとの見解を示した。

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