2009年7月17日金曜日

「日本伝統建築技術保存会」(事務所・西澤工務店)が国の「保存団体」に

 彦根市鳥居本町に事務所があるNPO法人「日本伝統建築技術保存会」(会長=西澤政男・西澤工務店社長)が17日、国の選定保存技術(建造物木工の分野)の保存団体に認定された。選定保存技術の認定は県内で2件目だが、建造物木工の技術としては県内初。
 選定保存技術は、昭和50年(1975)に文化財保護法改正に伴い設置。文化財保護のため保存が必要な伝統的技術・技能を文部科学大臣が選定保存技術として選定し、その技術・技能を保有する個人・団体が行う伝統技術の研修会などの事業に補助をする。
 そのうちの「建造物木工」技術は、文化財建造物を修理(解体修理)する際に用いられる大工の技術で、近年は一般木造建築工事の省力化や木造の社寺建築の減少により、建造物木工の技術を持つ技能者が減っているという。
 「日本伝統建築技術保存会」は、建造物木工技術の継承と伝承者の養成を目的に、文化財建造物の修理経験をもつ木工技能者など75人により平成12年に設立。同16年にNPO法人になり、これまで講義や実技演習の場を設け、技能の継承に尽力してきた。

西澤会長「今後も後継者育成に尽力」
 西澤会長は「これまでの活動が認められて大変名誉なことだと思う。認定により重い責任を負うが、これからも気を引き締めて後継者育成に取り組みたい」と話している。なお西澤会長は昨年11月に、国内最高水準の技術の保有者に贈られる「現代の名工」にも選ばれている。

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