滋賀県教育委員会は5日、有川家住宅(彦根市鳥居本町)、本隆寺(彦根市石寺町)の木造僧形神坐像などを県指定有形文化財に、有川家庭園を名勝に、西明寺(犬上郡甲良町)のフダンザクラを天然記念物(追加)に指定した。
有川家住宅は江戸時代から、中山道沿いの鳥居本で「赤玉神教丸」の製造販売をする有川製薬として経営。敷地内には、宝暦9年(1759)建築の主屋、同12年の粉挽蔵、寛政7年(1795)の文庫蔵、文化5年(1808)の書院、同7年の薬医門、同12年の大蔵などが建つ。
有川家庭園は、主屋の座敷前の池庭と書院前の平庭で構成、広さは合計で約156平方㍍。池には4㍍と2・8㍍の橋も架かっており、池庭は粉挽蔵が完成したころに整備された。一方の平庭は、公家や高僧などを迎えるための庭として書院が建てられたころに建築された。
木造僧形神坐像は、全体の彫り方から9世紀の平安時代に作られたと推定される。日本古来の神が仏教に帰依した姿を表した像で、カヤで作られている。明治時代の神仏分離により、荒神山にあった奥山寺三宝荒神社(現荒神山神社)から移されたと伝わる。
西明寺のフダンザクラは、江戸時代から同寺で咲いており、樹齢250年といわれる。昭和49年3月に天然記念物に指定された母樹があるが、衰退が著しいため、30年~10年前にかけて母樹から取り木を行い育成したところ、6本がみごとに成長した。フダンザクラは9月上旬から翌年4月ごろまで開花。ソメイヨシノと比べると花は小ぶりだが、紅葉の季節の11月には白い花で満開となる。今年は今が五分咲きで20日前後から満開になるという。
今回は県内で計12件(追加含まず)が新たに指定され、有形文化財や記念物などで指定件数は389件に。選定・選択を入れると合計463件になった。
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