彦根市河原2丁目の憩いの場「自然の布館『より~な』」が3月いっぱいで閉鎖することが、2日わかった。施設の利用者や周辺住民からは「残念だ」との声があがっている。
彦根出身の画家・上田道三のめいとしても知られる平居圭子さん(77)=後三条町=が、人々が気軽に集える場所をつくろうと、元々は油問屋だったという古民家を活用し平成11年11月にオープン。
彦根の方言から「より~な」と名付けて、地元の女性グループが中心となり、古い着物やちりめんを利用しての編み物や小物を展示・販売してきた。ほかにも、演奏会やカルチャー教室、ギャラリーなどのスペースとしても活用。小学生から高齢者までが集う憩いの場として、市内外から親しまれてきた。
建物は江戸時代末期から明治時代にかけて建てられたともいわれ、母屋と離れ、蔵2棟、庭から成る。県外の家主から、同じ建物で隣接の美容院と合わせて売却に出すとの打診があり、3月いっぱいでの閉鎖が決まった。知らせを聞いた利用者らが毎日のように詰めかけており、「出会いの場だっただけに、閉鎖となるのはとても残念だ」との声があがっている。
今月26、27日には大正琴やよし笛のコンサートなど最後のイベントを催す予定。平居さんは「愚痴や不満などをここで置いていって、すっきりして帰っていかれる場所でもあった」と懐かしんでいた。
閉鎖後については「不明」とのことだが、歴史的、まちづくり的にも重要な建物の一つのため、更地化や取り壊して建物新設など、彦根のまちづくりに逆行する方向に進むことは懸念され、扱いが注目される。
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