夕張希望の杜理事長で地域医療の専門家として知られる村上智彦さん(50)が5日、「市民自ら守り支える地域医療」をテーマに文化プラザで講演。「住民が健康づくりに励み、医療を大事に扱えば地域医療はうまくいく」と訴えた。
村上さんは、小児科などの医師不足で悩んでいた兵庫県丹波市で市民たちが地域住民の啓発を兼ねて医師招へいの署名活動をしたことを紹介。「37度台の発熱だけで子どもを病院へ連れてくるという自分たちのことしか考えない住民がいる所には誰(医者)も住みたくはない」、「地域医療を守るのはそこの住民次第で、医療崩壊している原因は住民にある」と語った。
全国でがん患者が最も少なく全国で長生きの都道府県が長野県だとしたうえで、その原因に「検診の受診率の高さ」をあげ、「検診を受けるから長生きというよりも、元々、健康への意識が高い人が受けるから寿命が長いのだろう」と分析し、積極的な検診をすすめた。
高齢化社会に関しては、平成18年に財政破綻した夕張で人や物が限られた中で医療業務に取り込んでいることを解説したうえで、「年寄りが増えても、自分たちで考えて福祉を産業にすれば良い」「高齢者をお荷物ではなく、資源だと考えれば産業は成り立つ」との持論を展開した。
村上さんの講演会は市民有志による彦根市の地域医療を守る会主催で約200人が参加。講演後には村上さんを交え「彦根市の地域医療の課題と希望」をテーマにしたパネルディスカッションもあった。
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