狂言のアマチュア集団「彦根伊呂波(いろは)会」のメンバーが、今月22日から渡欧し、フランス・パリとベルギーで公演する。同会は平成3年に彦根と周辺市町の住民で組織し、現会員は6人。大蔵流狂言師・木村正雄さん(82)の指導で、毎月2回けいこをしている。東京・大阪・京都の各伊呂波会と合同で彦根城博物館の能舞台で発表会を開いているほか、城西小6年生に狂言を教えている=写真は昨年11月。
海外の若者ら60人から便り
昨年3月11日の東日本大震災後、岩手県奥州市(旧水沢市)出身で同会代表の小澤祥子さん(66)=愛荘町=あてに、パリやベルギー在住の友人や、その友人を通して日本語を学ぶ現地の若者たち計約60人から、見舞いや励ましのメールが届いた。
「賢明な日本人のことだから、きっと立ち直ると信じる」などといったメールの一部は、7月に岩手の民放ラジオを通じて被災者にも届けられた。
小澤さんは、友人だけでなく、若者たちも心配をしていることに感動し、「何かお返しができないか」を検討。海外での狂言公演を企画し、パリやベルギーの友人に場所の提供などを依頼し、開催することになった。
訪問するのは、団長として木村さんと、小澤さん、元高校教諭・篠原静さん(66)=米原市=、以下いずれも彦根市の元市議・辻橋正一さん(64)、元朝日新聞記者・中村憲一さん(64)、松田秀昭さん(66)の同会メンバー5人、京都伊呂波会の4人ら計13人。
22日に渡欧し、24日~26日までパリで、29・30日にベルギーで公演する。「濯(すす)ぎ川」、「蝸牛」など5演目を披露する予定。現地ではフランス語であらすじを説明した後、演じるという。2月2日に帰国する。
小澤さんは「世界の人たちからたくさんの支援をいただいたことにお礼の気持ちを込めて、日本の伝統芸能を見せて来たい」と意気込んでいる。
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