彦根市は19日、昨年の市の観光に関する経済効果の測定調査結果を発表。観光客数は大幅に増えたものの、ひこにゃん人気に陰りが見え始めたことや以前から課題となっている観光客の周遊に変化がないことも報告された(数値はいずれも推計)。
調査は依頼元の滋賀大学地域連携センターが、彦根城築城400年祭が開催された平成19年から毎年実施。平日、休日、イベント日の3日間、彦根城内やいろは松駐車場、四番町スクエアなど5カ所で行ったアンケートと、駅前観光案内所・花しょうぶ通り・佐和山ふもとの駐車場に設置した留め置き調査の結果から推計している。
昨年は観光客数が前年比8万人増の220万人と、400年祭の翌年以降最多となり、うち宿泊客が25万人で、その比率も32%と前年から5ポイント上昇し、連泊も1%から9%にアップした。宿泊客のうち彦根市内へ泊まったのは41・6%。交通費や飲食費、宿泊費など観光客の消費総額は前年より12億円増の132億円で、雇用効果など経済波及効果総額は同23億円増の251億円だった。
訪問地別では、彦根城が前年比13%増の83万人で、1月と3月を除いて前年を超え、10月までは平成19年とほぼ同水準だった。彦根城以外では例年同様、夢京橋キャッスルロード、四番町スクエアに変化はなく、立ち寄り地点も宿泊客が2・28、日帰り客が2・09―と差はない。
観光客の周遊性に変化がない中で、観光客数や宿泊数が増加した原因について同センターは、長浜で大河ドラマの関連イベントが開催されていたことと、京都で法然上人800回忌と親鸞聖人750回忌の法要が営まれたことをあげた。
ほかの特徴としては、▽大型車の駐車が前年より約1100台増の6244台になった▽31人以上の団体客の割合が上昇したが、主には家族あるいは友人・知人の二人連れが多い▽10代~20代が少なく、60代以上が多い構成で高齢化が進んだ―ことも指摘した。
同センターは総括として、ひこにゃんグッズの土産購入費に占める割合が前年から微減(23%→21%)していることやひこにゃんへの年賀状数の減少から「影響力が徐々に弱まっており、ひこにゃんに偏重しない観光戦略が必要」と助言。また、商店街によって観光への温度差があることが観光客の滞在時間や消費額が伸びない一因になっているため「周遊させるために商店街との一層の連携が欠かせない」としている。
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