2012年9月22日土曜日

鳥居本駅舎 旧豊郷小 旧日夏村役場 高宮・加藤家住宅(旧布惣) 国の登録有形文化財へ

 国の文化審議会は21日、彦根市や豊郷町など県内11件の建物を登録有形文化財にするよう文部科学大臣に答申した。対象の建物は以下の通り。
 ▽加藤家住宅(高宮町)主屋、一之蔵、二之蔵、三之蔵=いずれも江戸時代末期建設。高宮宿で「布惣」という屋号で高宮布を扱う麻布商だった。主屋の1階には装飾を施した腕木(うでぎ)、2階には横長の虫籠(むしこ)窓が当時のまま残る。蔵はいずれも江戸末期の町家にあった土蔵の形式。現在は「宿駅・座 楽庵」として、ギャラリーやカフェとして開放されている。
 ▽近江鉄道鳥居本駅舎=昭和6年建設の木造平屋建て。半切妻の屋根と、半円アーチを備えた出入り口、出入り口横の煙突が特徴で、県内でも数少ない木造の洋風駅舎。
 ▽旧日夏村役場産業組合合同庁舎(日夏町)=昭和9年建設のヴォーリズ建築。1階の南半分を日夏村役場、北半分を産業組合として、約25畳の2階は大広間で議事堂としても使われた。昭和25年に彦根市と合併した後は、2階が日夏公民館として平成11年まで、旧産業組合の部分は農協が同14年まで使用。同21年から個人所有となり、交流施設「日夏里(ひかり)館」として使われている。
 ▽旧豊郷小学校校舎、講堂、酬徳記念図書館=いずれも昭和12年建設のヴォーリズ建築。校舎は南北125㍍の長大さで、内部の床や廊下、教室の扉・窓には木材を使用。校舎と渡り廊下で繋がっている講堂は木製のいすを備え、2階席も設けた高い天井が特徴。図書館も床やカウンターなど要所に木材を使用。一時は取り壊しの危機にあったが、住民運動で阻止され、改修後、現在に至る。
 なお、今回の11件が登録されると滋賀県内の登録数は326件になる。

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