研究グループは、林原類人猿研究センターのチンパンジーの胎児に対し、三次元の超音波診断法を使いながら妊娠14週目から出生直前までの脳容積の変化を調査。人間の胎児の場合と比べた。
この結果、チンパンジーの胎児の脳容積は妊娠17週から22週ごろまでは人間の胎児と同じような成長速度を示したものの、22週ごろで成長速度が頭打ちとなった。32週目時点で、脳容積の成長速度は人間の胎児が1週あたり26・1立方㌢㍍なのに対し、チンパンジーの胎児は4・1立方㌢㍍と、拡大しないことがわかった。
研究グループでは「人間の脳の巨大化は胎児期からすでにスタートしており、人間の祖先がチンパンジーとの共通の祖先から分かれた後、人間において独自に獲得したといえる」としている。この研究成果は今月24日の米国の科学雑誌で報告された。
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