2013年3月25日月曜日

お浜御殿 公有地化完了、発掘・整備へ

 彦根市松原町の旧彦根藩松原下屋敷(通称・お浜御殿)=国指定名勝=の公有地化が完了した。
 お浜御殿は、文化7年(1810)ごろに十一代藩主・井伊直中によって、琵琶湖沿いに整備。奥座敷や書院などがあったとされる。一部は縮小、取り壊しされており、現存するのは約2万0881平方㍍(元々の約8割の広さ)の敷地にある奥座敷と台所、4つの藏のみ。明治22年(1889)に大広間と玄関の2棟が増築されたほか、建築時期不明の門番所と長屋が残っている。
 全敷地の約半分を占める庭園は、琵琶湖と連動して水位が変化する汐入(しおいり)形式を採用した池を中心に、西側に緩やかな州浜、東側に築山が設けられている。しかし、江戸時代の建物を中心に壁の亀裂やはく離、柱の損傷、庭園の荒廃など早期の改修が必要なため、市は平成15年度から購入を開始。総経費9億8700円(うち80%は国の補助)をかけて、このほど公有地化を完了させた。
 平成21年4月からは毎年春と秋に限定公開している。今後は、建物の保存修理と植栽の整備、発掘調査などを行い、新たな観光ルートとして一般公開する予定。

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