2013年9月4日水曜日

亡き父と、娘の中野裕子さん「二人展」京都銀行彦根支店で

 「父と娘 二人展」が京都銀行彦根支店2階(大東町)で9月2日から開催されている。
 「娘」の中野裕子(雅号・信水)さん(69)=中薮町=は、当時5カ月だった昭和20年7月3日に父・太田政信さん=享年33歳=を戦争で亡くした。後に、父との共通の趣味が絵画だったことを知り、5年前に父の描いた絵を見つけたことから、二人展を思い立ったという。
 展示点数は、父の画が日本画中心で、山陰線・花園駅舎などの風物を主に描いている。そのほか、細かいタッチで描いたスケッチ画や自画像も。作品数は100号の大作と二曲屏風1点、スケッチ4点、色紙5点。
 中野さんの画が静物を主にした水彩画をはじめ、仏画、季節の様子をつづった俳画などバラエティに富む。そのうち、南米アルゼンチンのパタゴニア地方にある世界自然遺産・ペリト モレノ氷河を描いた作品は、中野さんの娘・出水稚子(いずみわかこ)さん(39)=東京都=と8年前に旅行に出かけた際の風景。水彩画の現代技法を活用し、氷河の迫力を引き立てている。作品数は80号5点、30号5点、10号10点、俳画12点、仏画10点など。
 中野さんは「父は、本当はもっと絵を描きたかったのだろう。父の絵が出てこなければ、私もこのような形で作品展を開くことはなかった」と話していた。
 開催期間中は中野さん本人も会場にいる。開催時間は午前10時~午後5時、最終6日のみ午後4時まで。

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