吉岡さんは昭和25年に金沢大学に入学し、在学時に幕末の政治に関心をもって以降、歴史史料を集めてきた。本では黒船が来航した嘉永6年(1853)から安政の大獄(1858~59年)までを、史料を抜粋しながら年ごとの動向を紹介。
第1分冊から第5分冊までと別冊の計6冊で構成。そのうち彦根藩に関しては井伊家史料のほか、彦根藩公用方秘録や長野義言の日記・秘中要記などを活用し、第2分冊の第4編からは直弼の動きをたどっている。
吉岡さんは、直弼が休んでいた安政5年6月19日に日米通商条約の仮条約の調印が済んでしまい、また安政の大獄は直弼がたまたま大老職にいた時の幕府がやったことだとし「直弼を憎まれ者にして歴史を語ることに疑問をもつ。歴史は非情だと思わざるを得ない」と説明。現在は次作の発刊に向けて、桜田門外の変から明治政府樹立までの史料もまとめている。
吉岡さんは「彦根市民の皆さまには直弼の本当の姿を知ってほしい。この本を読んで頂ければ、直弼の人となりや大老職に就いてからの苦悩をわかって頂けるのでは」としている。本は1セット1万円。申し込みは吉岡さんファクス06(6575)3100のみで。
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