岸さんは日本経済の問題として、15年間続いているデフレと成長しないことをあげた上で「昨年のアベノミクスはこの2つの問題を解決しようとした点で正しい。ただ、3本の矢のうち金融政策と財政出動は勝利したが、成長戦略は負けで2勝1敗だと言える」と説明。
成長戦略の手法について、規制緩和など構造改革を行って企業や産業の競争力を強化するか、補助金や交付税、税制優遇などを行うかの2つあると紹介しながら、日本航空(JAL)や東京電力の企業名をあげ「企業は(補助金などで)甘やかすとダメになる。省庁も予算がほしいため構造改革を嫌うが、構造改革をしないと競争力が強くならない」と述べた。
地方を含めた今年の経済状況としては、昨年の金融政策と財政出動の効果が徐々に波及すると予想。「消費税がアップした4月から6月にかけてはマイナス成長になるが、全体の成長率は2・6%を少し下がる程度でまあまあだと言える」と解説。来年に地方統一選(4月)や自民党総裁選(9月)、消費税10%(10月)など政治的動きがあることにふれ「景気をもっと良くするため、今年は金融緩和と財政出動の第2弾があるのでは」と予測した。
地方経済を回復させる方法として、日本は大企業や官僚らエリートが弱い国で、米国はエリートが強い国だとした上で「日本のエリートは前例に無い事をしないが、地方の零細企業はイノベーション(技術革新・創意工夫)をしている」「ヨーロッパでは地域の歴史や文化、自然を生かしたイノベーションをしており、若者を活用して人が訪れたいと思わせるまちにしている」と語り、地域にしかできない創意工夫による経済振興を求めた。
岸さんの講演会は稲枝と犬上3町、愛荘町の商工会によるねっと湖東が主催し、彦愛犬から約350人が来場した。
0 件のコメント:
コメントを投稿