同館は大正5年(1916)に歯科医院として建造。施主が職人を神戸の異人館へ連れて行き、建てさせたとされ、外観が洋風になっている。内部は診察室や待合室、技師室などに使われていた跡が残っている。平成23年10月に国の登録有形文化財になった。
その後、市の診断で耐震性の問題が明らかになったことなどから、所有者が移築と第三者への譲渡を希望。鈴木さんはまち遺産ネットひこねの活動の中で市内の旧城下町や外堀などのマップを作っており、その一環で昨秋に同館を訪れた際、所有者から移築の話を聞き、その後 自身で所有して住むことを決断した。今年10月に文化庁に現状変更の届け出を行い、今月26日に受理する旨の報告を受けた。
同館では既に解体工事が始まっており、解体後は業者が部材を一時保管し、鈴木さんが契約する予定の近くの土地に移築される。外観はそのままで、内部も建設された約100年前に近づける構造にするという。来年秋に完成する予定。
鈴木さんは「古い建物に価値を見出して、そこに住む人が増えれば、彦根はもっと魅力的なまちになると思います」と話している。移築後も定期的に開放する。
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