総会で会長の小出英樹・彦根商工会議所会頭は、地域経済の強化や人口減に対する交流人口の増加などの重要性をあげた上で「企業が良いアイデアを持っていても提案をする方法がなく、この地域の政治、経済、教育の分野を強くするため結成した」と組織設立の経緯を説明。「強くするためには上野代議士に汗をかいてもらわなければならず、法律に沿った形で上野代議士をサポートしていきたい」と、上野氏の地盤が弱い湖東地域での支援組織として活動する意向を示した。
上野氏は、国土交通大臣政務官として外町の渋滞緩和など道路整備や稲枝駅の改築に尽力しているとした上で「全国の県市町が観光振興を重視しており、外国人の観光客が年々増えている。彦根や長浜、近江八幡はポテンシャル(潜在性)があり、意識して誘致活動に努めていかなければならない」と述べた=写真。
同フォーラムは、彦根、犬上郡、愛知郡、旧愛東町、旧湖東町という滋賀2区のうち湖東地域の選挙区内にある事業者を対象にした団体。昨年5月10日に設立され、現在の会員は80人。事務局の平和堂秘書課では随時、会員を募集している。
スポーツ核に市役所など複合型施設に
ひこね政経フォーラムの総会後には、日本政策投資銀行の川住昌光さんが「スポーツを核とした街づくりを担う『スマート・ベニュー』」をテーマに講演した=写真。
スマート・ベニューは、民間の企業によって設立したスポーツ施設を核に市役所やショッピングセンターなども備えた複合型の交流施設。同銀行が主体となり、さまざまなスポーツの協会や大学、関連企業と研究会を立ち上げ、全国での導入を進めている。
川住さんは、これまでのスポーツ施設が▽単機能型▽公設公営▽郊外へ建設▽低収益性の一方、スマート・ベニュー化によって▽多機能型▽民間活力導入▽まちの中心地へ建設▽収益性アップ―になると解説。
全国のスタジアムやアリーナなどにアンケート調査を実施したところ、運営者は第三セクターや財団法人など地方公共団体の外郭団体が40%、市区町村が18%だった一方、民間が23%。収入が市区町村からの委託費を上回っている施設は14%しかなかったことにふれ、収益性がある施設の特徴として▽命名権や広告など収入源の多様化▽スポーツ以外のコンサートなど文化的興行の比率が高い▽駅近くなど利便性の良い立地―をあげた。
スマート・ベニューを実現させる手法として、川住さんは「制度設計などを行う政府・自治体と、収益モデルの構築などの民間企業が相互で補完し合う連携が必要だ」と語った。
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