今年8月26日に許六の没後300年を迎えるため、許六への感謝の思いと許六への更なる関心を持ってもらおうと、俳遊館(本町1)元館長の寺村滋さん(80)=日夏町=ら8人が俳句を制作。一人ずつ自筆で書いた作品を田中家石材(高宮町)が江戸時代とされる御影(みかげ)石製の石碑(高さ1・2㍍×幅24㌢×厚さ9㌢)に仕上げ、長純寺本堂前のクロガネモチの木を囲む形で設置した。
そのうち寺村さんの俳句は「蟻の這ふ句碑蕉風の脈々と」。許六からすれば、アリのようなレベルだが、彦根で絶えることなく、俳句を300年間楽しんでいる気持ちを込めた作品だという。
また「手を合はす許六の墓に風光る」を詠んだ今居利隆さん(70)=楡町=は「今年4月に許六の墓参りをした時の思いを作品にした」と話していた。8月26日には300回忌の法要が同寺で行われる。
※【森川許六】松尾芭蕉の門下生「蕉門十哲」の1人で、俳句のほか武術、馬術、絵画、書、能、茶にも優れた文武両道の実践者。彦根藩から参勤交代で江戸入りした際に芭蕉と出会い、教えを受けたとされ、帰路に詠んだ俳句を「旅館日記」としてまとめ、芭蕉没後には芭蕉の俳句に注釈を加えた「追善註千句(ついぜんちゅうせんく)」を編(あ)み霊前にたむけた。絵師としても知られ、龍潭寺(古沢町)のふすま絵は許六作とされる。
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