国の史跡指定を目指し平成23年度から佐和山城跡を調査しており、昨年夏から秋にかけて、本丸跡から約180㍍下った西の丸の3段の曲輪のうち一番下の約750平方㍍(約30㍍×約25㍍)で発掘調査を実施。山の斜面を削った切り土を使って盛り土にして平らにしながら曲輪を形成しており、その北西部には長軸約5・7㍍×短軸約3・8㍍、深さ約1・9㍍の地下式の土坑が確認された。礎石跡が四隅に残っているため、何らかの建物が建っていたとみられ、江戸中期の沢山古城之絵図には「塩櫓」と書かれているため、塩が貯蔵されていた可能性もある。
曲輪の周辺からは豊臣政権時代特有の瓦の破片があるため、当時、佐和山城主を務めていた堀尾吉晴か石田三成時代の瓦ぶきの建物だったと考えられる。文化財課の林昭男主査は「豊臣時代で地下式の建物は全国でも確認されていない」と話している。滋賀県立大学の中井均教授は「豊臣政権時代の瓦ぶきの建物が確認されたことで、当時の佐和山城域が広かったと考えられ、佐和山城の威光の高さを示すのではないか」とコメントしている。
現地説明会の受付場所は午前9時半~同11時に鳥居本駅。そこから随時、徒歩で約30分かけて現地に向かう。当日受付。参加費100円。雨天決行。問い合わせは文化財課☎(26)5833。
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