彦根観光協会の男性職員(40)が5月25日付けで、上司にあたる専務理事(69)からのパワハラでうつ病を発症したとして、専務理事と同協会を相手取り損害賠償など約883万円の支払いを求める訴訟を大津地裁彦根支部に起こしたことがわかった。
訴状などによると、専務理事は市職員を退職後の平成20年に協会の理事に選任。着任後すぐに男性職員に対し「役所にいる時にも部下を何人も辞めさせた。わしの言うことを聞かなかったらそうなるぞ」と威迫。以降も「理不尽な内容で厳しく叱責することがあった」という。
今年1月には男性職員に昇給しないことを告げ、3月4日には会長の名前入りの退職勧奨通知書を渡され、男性職員が断ると専務理事は「解雇ということを出されるかもわからん。降格があったり、人事異動があったり、色んなことが起こる」と話し、3月24日には「いててくれることが不利益」と発言し、翌日には始末書を提出するよう求めたという。
男性職員はうつ病を発症し、3月29日から休職となった。訴状では「専務理事の行為は、職務上の地位を背景に精神的苦痛を与える、職場環境を悪化させる行為であり、パワーハラスメントに該当する」「彦根観光協会は安全な職場環境ではなかった」などとし、精神的苦痛による損害額や治療費などを求めている。
男性職員は「17年間、彦根を良くしたいという思いでがんばってやってきた。とても悔しい思いだ」と話している。
彦根観光協会は「訴状が届いていないのでコメントできない」としている。
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