2017年3月31日金曜日

4月23日投票の彦根市長選挙 事実上の選挙戦モードに

 4月16日告示、23日投票の彦根市長選挙まで1カ月を切り、立候補予定者の3氏が事務所を設けるなど事実上の選挙戦モードに入っている。立候補予定者は、新人で元毎日放送記者の田原達雄氏(68)=元岡町、新人で元市教育長の前川恒廣氏(61)=池州町、現職の大久保貴氏(53)=三津屋町(出馬表明の順番)。3氏が事務所開き時に述べた内容や支持する議員の状況などを紹介する。
 田原氏は昨年10月に出馬を表明し、駅立ちや街頭演説、ミニ集会をしてきた。今月1日に銀座町の旧文具店で事務所開きを行い、現市政について「観光一辺倒だ」と指摘した上で「子育て世代への支援は近隣3市と比べても不十分だと言え、このままだと若い人が移り住んで来ない」と解説。自身の知名度が低い点にもふれ「皆さんの支援をお願いしたい」と述べた。田原氏には市議2人が応援している。田原氏の事務所は銀座町2の22、☎(22)3180。
 前川氏は昨年11月に出馬を表明し、街頭演説や支援者回りなどをしてきた。今月20日にベルロード沿いの平田町に事務所を設置。次期市政では大規模事業が相次ぐことにふれ「財政的に適正かどうかの協議が不十分だ」と指摘した上で「市民の生活への支援に目を向けるのが大切。大きな花火よりも、小さい所、細かい所に行き届かせるのが政治の役割だ」と語った。教育長時代の実績にもふれた上で「次の世代を担っていく教育を進め、若い人たちが暮らしやすい彦根にしたい」と述べた。前川氏にはこれまでのところ市議5人前後のほか、幅広い政党の支持者が支援している。前川氏の事務所は平田町255番地、☎(47)3090。
 大久保氏は昨年の12月議会で出馬を表明。今月25日に西今町の事務所開きであいさつ。市役所の耐震化問題や除雪対策で市民の厳しい声がある点にふれ「受けとめていく必要がある」とした上で、彦根の現在の状況について「大きな節目の時期にある。国体の周辺整備の事業などで財政上、厳しくなるという意見がある。平成28年度決算は前年度よりも良くなる見込みだが、心配していく必要があり、堅実財政でやりたい」と話した。子どもの医療費を小学3年生まで無償化することや市立病院の産科医の招へいなどの実績をあげながら「都市間競争の激しい中で、少しずつ前に進めたい」と述べた。大久保氏には民進党の国会議員のほか、民進系と自民系の県議3人と市議10人ほどが付いている。大久保氏の事務所は西今町932の1、☎(21)3755。
 ※解説=彦根根市長選まで1カ月を切ったものの、市民の盛り上がりはいまいちであり、投票率は事実上の過去最低だった前回の41・82%を下回る可能性がある。
 その原因は争点が無いためだが、市政の課題はさまざまある。市民の身近な生活の問題から、市全体の将来に関わる重要案件まで多岐にわたる。
 詳細は今後の弊紙で紹介していくが、これまでの取材から鑑みると、立候補予定者の3氏がそれぞれの問題点について三者三様の考えを持っており、市民の判断材料には十分になり得る。
 市民の皆さんは投票日まで3氏の考えを是非、吟味してほしい。(山田)

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