2017年6月28日水曜日

彦根城下町遺跡 認定へ

 彦根市は彦根駅西側から彦根城中堀までのエリアを「彦根城下町遺跡」として、県からの認定を目指している。
 市教委文化財課の議会答弁や本紙の取材によると、市教委は彦根の城下町を遺跡として保護することで、彦根城と城下町の価値を更に高めようと、文化財保護法で定める「土地に埋蔵されている文化財(通称・周知の埋蔵文化財包蔵地)」としての認定を約3年前から目指してきた。
 彦根城下町遺跡の範囲は東西が彦根駅西口から中堀まで、南北が池州町までの芹川からお浜御殿など松原地区までの約230㌶。足軽屋敷、七曲り通りなどは入るが、旧松原内湖の県立彦根総合運動場は含まない。
 市内には周知の埋蔵文化財包蔵地が207カ所あり、彦根城下町遺跡内に位置する旧外堀もその一つ。ほかに佐和山城跡(約200㌶)や荒神山古墳群(約240㌶)もある。全国では姫路城、金沢城、松本城、松江城の城下町が周知の埋蔵文化財包蔵地になっている。
 市教委はすでに発掘調査を終えた旧池田屋敷長屋門や辻番所の調査成果を今年3月3日付けで県教委に届け出ており、今年夏中には彦根城下町遺跡として認定を受ける運びだという。
 認定されると、範囲内で工事など掘削行為が必要な開発には市への届け出が必要になるが、市教委は「史跡のように掘削行為や新たな建物の建設ができなくなることはない」としている。議会では議員が住民の生活への影響や世界遺産との関係性などを質問。市教委は「保存する必要がある遺構が見つかれば、保存の協議をするが、基本的には記録保存を行い、調査後は着工していただける」、山根裕子副市長は「世界遺産とは直接的に関係なく、城下町全体を構成資産にすることはまったく考えていない」と答えた。

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