中川さんは佐和山小3年生の時に授業の中で金箔押しを体験しており「すごく難しくて、職人の方の技を見て興味を持った」と職人を目指した動機を説明。「職人によって技が違っており、正解はないとわかった。色んな職人のやり方を取り入れてやりやすい方法を見つけるのが大切。これからも技術を身につけていきたい」と語った。
中路さんは京都伝統工芸大学校の3、4年生の時に、永楽屋彦根工場で行われた宝華展で彫刻の実演のアルバイトしたのを機に関心を持ち、卒業後に同社に入社。「自分の彫りの技をもっと磨いて、価値を認められるようになって、将来は彫り師として生計が立てられるようになりたい」と意気込みを話していた。
小林さんは親戚が彦根仏壇の製造に就いていたこともあり、30歳の時に入社。組立などをしていく中で「仏壇の構造がどのようなものか、どのような技が使われているかがわかってきた。(製造の中で)失敗することはあるが、その失敗をどのように生かしていくかは自分の心持ち次第だと思っている」と話していた。
宝華展では中川さんが金箔押し、中路さんが彫刻、小林さんが組立の各コーナーで実演を披露するほか、中路さんが学生時代に制作した鳳凰の作品も展示する。
※彦根仏壇職人等後継者育成事業補助金=彦根仏壇職人の育成を目指して彦根市が平成27年度から導入。おおむね40歳以下で就労1年以内の新規就業者を雇用している事業者に、人件費の半額(上限月10万円)を最大3年間補助する制度。現在、永楽屋を含め計4人が対象となっている。
永楽屋は18日から彦根工場で秋の宝華展を開く。大型や和風の仏壇展示、七職や修復の実演、金箔押しや蒔絵などの体験コーナーも。午前9時~午後5時だが、最終20日のみ午後4時まで。問い合わせは彦根工場☎0120(23)1466。
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