事件は4月11日午後7月47分頃に発生。市によると、同10時35分に彦根署から市へ「学校関係の出校停止をお願いするかもしれない」との電話があった。その後、市は市民向けにメール配信する原稿の送付を彦根署に依頼し、同11時25分に彦根署からファクスが届き、10分後に市民向けにメール配信。市のホームページにも事件の報告文をアップした。
翌12日午前1時48分にNHKが犯人の身柄が確保されたと報じたが、市の先月25日の定例会見では、彦根署や県警に情報提供するように依頼したが、「連絡がなかった」としていた。
市長は午前0時20分に退庁し、彦根署に立ち寄った後の同5時40分に再登庁。同5時42分に逮捕の報道が流れたが、市が県警に確認したところ「身柄は確保したが、逮捕の報告は受けていない」との回答だったといい、市が文章を作成して同5時53分に身柄が確保されたとする2回目のメールを配信した。県警から身柄を確保したとする情報を得るまで約4時間の空白があった点に、市長は先月の会見で「誠に遺憾。緊急時に警察と連絡できる態勢の整備などを県警本部長に改善を申し入れたい」と発言していた。
一方で県警によると、市から彦根署に12日午前1時51分と同2時20分に問い合わせがあり、当直の署員が「身柄は確保したが、逮捕には至っていないので注意喚起の態勢解除はできない」と回答。同2時52分にも当直の署員が同様の内容を市に伝えたという。
県警側との相違について、市の担当者は12日午前1時51分やそれ以降に彦根署から身柄確保の情報があったと、市長の発言内容を一部修正。「市長にも再登庁時に彦根署から報告があった旨を伝えたが、混乱されていたのだろう」と釈明した上で「今回の事件のように広域になった時でも情報提供してもらえるよう、県警には申し入れというか、要望、お願いをしていきたい」と話していた。
※(解説)=容疑者確保の情報が県警から約4時間なかったとした先月25日の市長会見に対し、県警は3回連絡したと反論。市も彦根署から連絡を受けていたことを認め、市長発言を修正した。
市長会見の翌日の新聞紙面は「県警へ態勢改善の申し入れ」など、まるで市長の「功績」かのような報じ方だったが、その「功績」は真実でなかったことが判明。新聞報道を見た県警の職員からは疑問の声もあがったという。
ここで不思議なのが、県警が容疑者確保の情報を市に伝えたと言っているにもかかわらず、なぜ市は当初あいまいな発表をしたのかだ。
市役所本庁舎の耐震化を巡る裏合意の問題といい、今回もまた、市長と市職員との意思疎通がうまくいっていない憂慮すべき事案である。 (山田)
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