2018年7月20日金曜日

銀座商店街の十八番フルーツ先月末で閉店、銀座再興へまちづくり会社は?

 彦根市の銀座商店街で長年、果実を販売してきた「十八番フルーツ」が先月末で閉店した。同商店街では昨年末から4店が閉店するなど、ここ近年で「シャッター街」化が加速しており、再興に向けた対策が急がれる。
 十八番フルーツは店主の田中和之さん(65)=新町=が昭和55年12月18日にミカンだけを販売したのが始まり。準備期間を経て翌年2月に正式オープンした。田中さんはアパレル関係の仕事をしていたが、学生時代に果実店でアルバイトをしていたことや父親が銀座商店街の文具店で勤務していたことから開店を決意。妻の紀子さん(56)と二人三脚で商売してきた。
 20年ほど前からは果実が入っていた段ボールを生かした作品を作り始め、キリンや象など動物から、ミッキーマウスやくまモンなどキャラクターまで数々の作品を作り、地元の子どもや観光客を楽しませた。
 65歳になったのを機に「第2の人生を楽しもう」と閉店を決めた。店の後始末が終わってからは段ボールアートの教室を市内外で開く。田中さんは「ずっと試行錯誤の連続だったけれど、多くの方に来店いただき、支えていただいた。次の人生を楽しみたい」と笑顔で語っていた。
銀座商店街へ市「イメージ」示す
 銀座商店街では7年前に老舗だったノムラ文具店が閉店して以降、シャッターを閉める店が増え、昨年末以降も洋品店や紳士服店などが閉店。再興に向けて彦根市は平成28年度以降、コンサル会社を交えて彦根銀座街商業協同組合と協議しているが、その方向性は見えていない。
 市は銀座商店街を6つのビル群に分けて会議を開いてきた。耐震化工事の必要な建物があるため、固定資産の使用をいったんやめる「除却」を基本に提案しており、今月中にも「イメージ」を地元に示す意向。だが建物の解体または新築には莫大な費用が発生し、解体に慎重な商店主もいるため、実現性は不透明な状況だ。
 解決策の一つとして、彦根市議会は5月に「まちづくり会社」の設立に向けた提言書を市に提出した。
 まちづくり会社は、商店街の再生に向けて行政や商店街などで設立されるのが主流で、株式会社として法人化されるため行政からの支援や金融機関からの融資が受けられやすい。また行政よりも事業をスムーズに運べるというメリットもある。
 まちづくり会社について、市の担当者は「中間的な組織としてふさわしいかどうかを検討している段階だ」としている。

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