同遺跡は縄文から弥生、古墳、奈良、平安、鎌倉の時代までの遺構で構成された小泉町や西今町に残る約17万7000平方㍍の複合遺跡。大正7年(1918)に弥生土器が見つかって以降、その存在が知られ、城南小学校や宅地開発に伴って昭和56年から発掘調査を実施。これまでに5世紀代の古墳などの遺構や溝の跡などが確認。また近くの西今、須川、竹ケ鼻廃寺などの各遺跡からは埴輪片が見つかっている。
第23次となる今回は新しい彦根市民体育センターの建設に伴って、昨年8月から約1万1550平方㍍で発掘調査をしている。発見された遺構のうち、等間隔の柱の上に建てられた総柱という構造の2棟の掘立柱建物跡は、35平方㍍と25平方㍍の敷地に奈良時代に2棟建設。同地は犬上川沿いの自然堤防の地にあり、奈良時代の主要道「東山道」にも近かったことから、米の運搬や管理に適していたと考えられる。
ほかに、縄文時代の河道、弥生・古墳・飛鳥時代の竪穴住居、平安時代の掘立柱建物や高級食器、下駄など木製品、金具、鎌倉時代の溝や土器、砥石も見つかった。発掘調査は来年3月まで。県文化財保護協会副主幹の中川治美さんは「倉庫の発見は奈良時代、この地が犬上郡西部における重要な場所だったと認識できる」と話している。
現地説明会が今月30日午前10時半~ある。雨天決行。問い合わせは平日に県文化財保護協会☎077(548)9780。
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