市立病院の産婦人科には正規の医師1人と滋賀医科大学から派遣されている非常勤医が4人おり、年間100件程度の分べん実績がある。
市立病院によると、2018年3月改定の県保健医療計画で、県内の周産期医療体制がそれまでの7つの保健医療圏から湖東・湖北地域を含む4ブロックに区分。各ブロックで医療資源を集約する形になるため、その集約化が原因で滋賀医科大学からの非常勤医が4月末までに順次、派遣されなくなる。非常勤医の派遣中止に伴って、正規の医師も6月末で退職するため、診療継続が困難になった。
「医師確保に努力」
一時は4人体制
昨年6月時点での県の調査では、彦根市内の神野レディースクリニックが経営する2カ所の医療機関での分べん受け入れ可能数の年間1200件のうち、その実績は年間900件程度だという。市立病院の担当者は「市立病院の産婦人科での分べんを休止しても、民間の医療機関でカバーできる体制にあるが、医師を確保して診療再開できるよう最大限、努力していく」としている。
市立病院では2007年4月に産科医が4人から1人になり、分べんを中止。翌年2月に院内助産所を開設するなど対応してきた。15年12月に男性医師2人が着任し、8年ぶりに分べんを再開。16年9月には女性医師が就き、4人体制になったが、18年2月までに3人が退職し、1人体制になっていた。
市立病院での分べんの取り扱い件数は産科医が4人いた2006年度が525件だったが、1人体制になった翌年が0件となり、以降も14件~41件で推移。その後は16年度102件、17年度90件、18年度100件となっていた。
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