2021年3月4日木曜日

つぎはぎの仕事着の企画展 愛荘町立歴史文化博物館で

 昔の人々が補修しながら使っていた衣服「つぎはぎの仕事着」の企画展が、3月21日まで愛荘町立歴史文化博物館で開かれている。展示説明が3月14日にある。
 昭和初期までに農林水産業の仕事をしていた人たちは、一日の大半を仕事着で過ごしていた。山では防寒のために厚手で作ったり、漁師は水を通しにくい木の繊維で作ったりしていた。そして長く着用するため、仕事着が傷んでも捨てずに保管し、衣服に接ぎあてるために使用。時には数代にわたって、受け継いできた。
 仕事着のうち裾(すそ)の長いものを長着(ながぎ)と言い、多賀町では山仕事に着る服を「山行きボッコ」と呼んだ。肌着として襦袢(じゅばん)、その上に長着を着て、男性は股引(ももひき)も着用した。股引は山仕事で重宝され、防寒性に優れていたほか、枝などから肌を守った。女性は明治から昭和初期まで長着に前掛けといった姿が一般的だったが、昭和17年(1942年)に厚生省から「婦人標準服」が発表され、モンペ姿が奨励された。
つぎはぎだらけとなった仕事着はその色合いがパッチワークやビンテージのジーンズのようになり、その芸術的な美しさから近年は国内外で「BORO(ボロ)」と呼ばれて人気になっている。
 企画展では多賀町の山間部を中心に、愛荘、東近江、近江八幡で発見された長着や股引、モンペなど仕事着30点と、ANTONINAやKUONなどのファッションブランドの協力で制作されたジャケットやワンピースなど5点を展示している。
 学芸員による展示説明は21日と3月14日の午前10時半~と午後1時半~ある。開館日時は3月21日までの午前10時~午後5時。休館は月曜火曜、今月12日と24日。入館料は高校生以上300円、小中学生150円だが、20日と21日、3月13日と14日は入館無料。問い合わせは同博物館☎(37)4500。

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