2021年6月29日火曜日

彦根城の内堀で白鳥のヒナが誕生6年ぶり

 彦根城の内堀で白鳥のヒナが誕生し、観光客や散歩をする市民の目を引いている。彦根城運営管理センターによると、城内でヒナがかえったのは2015年以来、6年ぶりだという。
 同センターの職員が今月12日午前に白鳥たちの巣にえさをやりに行った際、体長約20㌢のヒナ3羽がかえっていることに気づいた。その日の夕方までにカラスに襲われるなどして2羽が死んだり、行方不明になったりしたが、1羽が生き残り、すくすくと成長している。親鳥のそばを離れず、泳ぐ姿がかわいらしく、観光客らが撮影する姿も見られる。
 内堀には5年前まで
内堀に白鳥3羽・黒鳥2羽、中堀に白鳥2羽・黒鳥1羽の計8羽が生息していたが、現在はオス2羽とメス1羽と今回のヒナの計4羽が内堀にいる。

2021年6月27日日曜日

滋賀大学データサイエンス学部に起業の合同会社mitei(ミテイ)設立1周年

 滋賀大学データサイエンス学部を昨春卒業した井本望夢(みゆ)さん(22)が起業した合同会社「mitei(ミテイ)」が、今月5日に設立1周年を迎えた。井本さんにこれまでの業務内容や今後の抱負を聞いた。
 井本さんは愛媛県松山市出身。進学先として文理融合の大学を探していた際、滋賀大学データサイエンス学部を知り、1期生として入学。1、2年で基礎を学び、3、4年生でデータサイエンスの実践での活用方法や起業の仕方を習得した。
 マーケティングのリサーチや分析を担う企業は大手が多く、活用を希望する中小企業にとっては「コストがかかる」という。そのため中小企業が「一歩を踏み込みやすい」受け皿として起業を決意し、昨年6月5日に同級生と一緒に合同会社を設立。学内に事務所を置いた。「未定の未来を確定させたい」との思いから社名をmiteiにし、データサイエンティストの井本さんが代表に就いた。
 
DSシリコンバレーの拠点へ
製造・物流・小売など多分野で
 主な事業は▽注文データやPOS(販売実績)データから顧客やその行動などの分析▽倉庫の入出荷のデータ管理▽新規事業の立ち上げ支援(ニーズ調査や簡易なホームページ作成など)▽テレビ局におけるデータ放送から得られるデータ活用▽機械の異常検知モデル作成―など。
 取引先はメーカー、物流、小売業、経営コンサルタント業など多岐にわたる。井本さんは「ニーズはさまざまな分野、業界にあるため、会社の認知度を広めていきたい。将来的にはデータサイエンスのシリコンバレーの拠点になれるよう、また先頭に立てるような会社にしたい」と意気込みを語った。
 最後に彦根の印象について、井本さんは「何でもあるのでちょうどいい街で住みやすい」と笑顔を見せながら「彦根をはじめ湖東・湖北エリアの中小企業の皆さんは温かい雰囲気。これからも中小企業にプラスになることを論理的に提案していきたい」と話した。問い合わせはmitei☎080(6281)8451。

彦根市役所の新庁舎用に彦根仏壇の技を活用したいすとサイドテーブル納品

 彦根市役所の新庁舎用として、彦根仏壇事業協同組合は彦根仏壇の技を活用したいすとサイドテーブルを製作。4日に井上昌一理事長(53)ら役員が来庁し、製品が設置される特別応接室で和田裕行市長に説明した。
 彦根市からの製造依頼を受けた同組合は仏壇七職のうち漆塗りと蒔絵、錺金具の技術を用い、幅52㌢×高さ75㌢×奥行き55㌢のいす18脚と、幅40㌢×高さ45㌢×奥行き50センチのサイドテーブル9台を製作。 木地部分は多賀町のひらつか建築が担当し、いすの背もたれ部分は井伊の赤備えの甲冑の天衝きをイメージした。木目を表面に出して蝋色の漆を塗り、市章を蒔絵で描き、銅板部分にも市章を掘り込んで仕上げた。総経費は約800万円。
 この日は同組合の新役員5人が来庁。井上理事長は「伝統技術を後世につなげていくことが大事で、今後もあらゆる分野にチャレンジしたい」と述べた。市長は「すばらしい製品で、市としても彦根仏壇の技術を国内外に発信するお手伝いをしたい」と語った。
 同組合では今後も彦根仏壇の技を生かしながら、ひこにゃんや戦国武将などを描いた高級いすなどの製造も検討している。
 
井上氏が理事長就任
 彦根仏壇事業協同組合は新役員を発表し、理事長に井上仏壇の井上昌一氏を選任した。組合員は商部10社、工部18社からの21人。任期は今年5月21日から2年間。副理事長と専務理事は以下の皆さん。▽副理事長=宮川清、吉田彰浩、清水隆司、関新二郎▽専務理事=寺村勇。

2021年6月21日月曜日

岡村本家、精米歩合ごとのスティック型ボトル製品セット開発クラウドファンディングの返礼品で提供

 蔵元の岡村本家(豊郷町吉田)は、精米歩合ごとの酒を飲み切りサイズのスティック型ボトルに入れた製品セットを開発。クラウドファンディングの支援者への返礼品として提供している。
 
コロナで自宅飲み増
スティック型ボトル
 国税庁の「酒のしおり」によると、全国の酒蔵から出荷された清酒の数量はピーク時の1973年度時の177万㌔㍑と比べて、2019年度が46万㌔㍑と3割以下に低迷。そこに新型コロナウイルスによる影響が加わり、更なる落ち込みが必至の状況だ。また自宅で過ごす時間やオンライン飲み会の機会も増えている。
 岡村本家の日本酒は、近江米の吟吹雪を20%まで磨き上げた純米大吟醸「長寿金亀F20」から、日本酒として唯一の精米100%の玄米で醸造した純米「長寿金亀100」までの精米歩合を10%ずつ変化させた製品群。時代やニーズの変化に対応するため、100㍉㍑のおしゃれなスティック型ボトルに入れた精米歩合4090の6本セットとF20~100の9本セットを用意した。
 
新登場の日本酒も
CFで支援求める
 製品群のうち9本セットにある「長寿金亀30」が6月1日に発売、「同100」のうち火入れ品が初めての製品となる。自宅や贈答品のほか、キャンプやバーベキュー、ホテル・レジャー施設のウェルカムドリンクとしての活用を推奨している。
 クラウドファンディングはREADYFОRで。支援金は2500円~1万9800円で受け付けている。返礼品は金額に応じて、オリジナルマスク、6本セット、9本セット、岡村本家六代目とのオンライン飲み会、感謝の手紙。目標額は100万円。6月30日までだが、延長の場合も。
岡村博之社長(51)は「『金亀』をより多くの皆さまに味わって頂き、精米歩合の変化による違いを楽しんでほしい」と話している。クラウドファンディングの反響を見ながら、一般への販売も予定している。

2021年6月10日木曜日

近江ツーリズムボードにフランス人のボナフェー・クロエさん着任

 湖東地域の観光振興事業を展開している近江ツーリズムボード(ОTB、事務局・彦根商工会議所)に、フランス人のボナフェー・クロエさん(24)が着任。外国人向けの情報発信サイト「Visit Omi」の執筆や動画の翻訳などを担っている。
 クロエさんは、フランスの大学に在学していた2017年9月から翌年6月まで米国の大学に留学。その時に一緒に学んでいた日本人から聞いた文化などに関心を持ち、18年の夏休みに初来日し、東京を拠点に3週間過ごした。
 最初の日本の印象について、クロエさんは「街中は漢字だらけだったので、他の世界に来た感じで、戸惑っていた。でも日本人はみんな笑顔で接してくれて、すぐに慣れた」と話した。大学卒業後の19年1月に再来日した際には京都と奈良で3週間過ごし、数多くの寺社仏閣を見学。「日本の歴史を感じた」という。
 ニュージーランドでの生活を経て、1911月に3回目となる来日。東京のシェアハウスに住みながら生活しようとした矢先に新型コロナウイルスが流行した。その後、東京を離れて地方での生活を希望し、2020年4月に彦根市内に移住した。ラーメン店でのアルバイトや彦根東高校での外国語教師の仕事をしていたが、以前から観光の仕事がしたかったこともあり、知人からОTBの紹介を受け、今年4月26日に彦根商工会議所に入所した。
 
外国人向けサイトの執筆
「彦根の皆さんフレンドリー」
 ОTBでは外国人向けの情報発信サイトの執筆のほか、外国人も楽しめる名所紹介のユーチューブチャンネルへの出演、英語・フランス語での案内文書の作成などを担当する。湖東や滋賀の魅力について、クロエさんは多景島、竹生島、沖島をあげて「湖に島があるというのはとてもユニークで、外国人ウケする」と説明。また「織田信長が天下統一をした時の城が滋賀にあり、近くにキリスト教関連のセミナリオ跡もある。そして日本の神道や仏教に関し、多賀大社など神社や湖東三山など寺も多い。宗教と歴史に外国人はとても関心がある」と解説した。
 特にヨーロッパの中でもフランス人の日本への観光が多い理由として、クロエさんは「茶道や着物など日本文化特有の『静』の空間をフランス人は好む」と紹介した。最後に彦根市民の印象について、クロエさんは「とてもフレンドリーで、話しやすい」と笑顔を見せた上で「日本語力をもっと上げたいので、多くの人に出会って、色んな話がしたい」と語っていた。

 

2021年6月9日水曜日

30言語対応のАI多言語通訳サービスKОTОBAL(コトバル)ひこね外国人センターに導入

 彦根市はこのほど、30言語に対応できるАI多言語通訳サービス「KОTОBAL(コトバル)」を、4月に人権政策課内に開設したひこね外国人センターに導入。外国籍住民の行政手続きなどの際に活用している。
 市内にはベトナム664人、中国535人、ブラジル513人、フィリピン439人、韓国172人など、さまざまな外国籍の住民が今年4月末時点で計2721人いる。人数は1989年9月時の548人から、2010年9月時が2072人、昨年9月時が2644人と増加傾向にある。在留資格別で見ると、永住者が787人と最多で、次いで技能実習450人、定住者375人、技術・人文知識・国際業務268人などとなっている。
 市は通訳者として、ポルトガル語2人、英語1人のほか、毎月10日間の勤務の中国語担当1人を配置しているが、ほかの言語については「やさしい日本語」での説明や、県が設置しているしが外国人相談センターと連携。昨年5月には82言語対応のポケットサイズの翻訳機「ポケトーク」を8台導入し、対応してきた。
 
オペレーターとАIが応対
新設のひこね外国人センターで
 5月14日に利用を開始した「コトバル」は行政用語に特化した翻訳ソフトとしてコニカミノルタが開発。タブレット端末を使いながら、遠隔のオペレーターが英語や中国語、韓国語、ポルトガル語、スペイン語、タガログ語など計13言語で対応できるほか、フランス語やドイツ語、イタリア語などを含む計30言語をAIが通訳する機能も搭載している。
 彦根市は、13言語についてはオペレーターによる対応、ほかの17言語についてはAIによる通訳で対応し、それでもカバーできない言語についてはポケトークを活用する。外国人住民との対応は1階の担当課での窓口が多いため、総合案内から連絡を受けた3階のひこね外国人センターにいる通訳者が1階へ向かって応対。詳細な資料の提供や複雑な生活相談の場合は3階の同センターで対応する。
 彦根市は、市民会館の閉館に伴って7月末に中央町の仮庁舎1階へ移る国際交流サロンにもひこね外国人相談センターを開設し、8月1日にオープンする予定。「コトバル」については英語、ポルトガル語、中国語のみ市のホームページや外国語版広報ひこね、フェイスブックで告知。ほかの言語を含めた外国人住民の世帯には同センターの開設の案内を含めて7月末に郵送する予定。

小泉町にコワーキングスペース1st BАSEオープン

 彦根市小泉町の3階建ての建物に、仕事や勉強など自由に使用できるコワーキングスペース「1st BАSE」がこのほどオープン。会社員や学生らが活用している。
 コワーキングスペースは異なる業界の会社員やフリーランス、学生たちが同じ空間で仕事や勉強をする場所。テレワークやリモート学習の機会が増えた新型コロナ禍以降、全国的にそのニーズが高まっている。
 市内在住のオーナー(44)=匿名希望=が守山市内のコワーキングスペースを活用した際、さまざまな業界の起業家らが利用して「実際に起業やビジネスにつながったケースを何度も見てきた」。彦根でも起業を目指す学生やビジネスマンたちの輪を広げようと、新型コロナが流行する以前の3年前から物件を探していた。
 
店舗 アトリエにも
キッチンなど完備
 先月22日にオープンした建物は延べ約370平方㍍。1階に18席のコワーキングスペースと、イベント・会議・商談で使えるミーティングルームがあるほか、2階に店舗・教室・事務所用のテナント2部屋、3階に個人オフィス・サロン・アトリエなどのレンタル個室8部屋を備えている。2、3階は空きがある。
 コワーキングスペースの利用料は一時利用が2時間まで550円・2時間以上1100円、月額利用が毎日1万1000円・平日のみ8800円・土日のみ5500円。休みは火水曜。Wi-Fi、複合機、キッチン、冷蔵庫、電子レンジ、自販機、ロッカー、トイレなど完備。駐車場や駐輪場もある。
 コワーキングスペースを利用しているフリーライターの米山拓真さん(28)=西今町=は「これまではカフェで仕事をしていたが、ここは静かで集中でき、すごく仕事がしやすい」と話していた。問い合わせは1st BАSE☎(26)5139。添付のQRコードからも。

20代目ひこねお城大使に大学生の前川愛梨さんとサービス業の岡本真弥さん

 今年度のひこねお城大使が決定し、21日に市役所で選任式が開かれた。
 二十代目となったひこねお城大使は、大学4年生の前川愛梨さん(21)=彦根市高宮町=と、サービス業の岡本真弥(ちかね)さん(19)=彦根市。応募者5人から4月17日の審査会を経て2人が選ばれた。
 選任式では新しくなった白を基調にした制服を着た2人に、彦根観光協会の一圓泰成会長から選任状、和田裕行市長から委託状が渡され、市長からたすきがかけられた。2人は「行事と都市間交流を通して風格と魅力ある都市のPR、観光物産の振興にも寄与し、誠意と情熱を持って奉仕する」との誓いの言葉を述べた。
 一圓会長は「2人の力を合わせて彦根を盛り上げて、市民の皆さんに元気を与えてほしい」と激励。和田市長は「SNSを活用して、彦根にこんな所があったんだということを広めてほしい。ひこにゃんも思いっきり活用してくれたらいい」と要請した。
 前川さんは「若い世代から見える彦根をさまざまな方法でPRしたい。これから多くの新しいことに出会える楽しみでわくわくしている」と語り、岡本さんは「市外の方はもちろん、市民の皆さんにも彦根の良さを再認識してもらうため、しっかりと学んで再発見した魅力を伝えていきたい」と抱負を語った。
 ひこねお城大使は2001年から始まり、昨年が新型コロナで活動休止だったため、今年度が二十代目となった。主な登場イベントは7月下旬の鳥人間コンテストを最初に、彦根ゆかたまつり、ご当地キャラ博、ひこねの城まつり、横浜市で12月に開催予定のお城EXPО2021など。任期は6月1日~来年5月31日。