2021年10月8日金曜日

体調不良の高齢者助けた彦根市立南中学校の4人に感謝状

 下校途中に体調不良の高齢者を助けた彦根市立南中学校3年生の4人に、彦根署は感謝状を贈った。1日に校内で贈呈式があり、4人は感謝状を手に笑顔を見せていた。
 4人は井崎翼君(14)、岩本太生(たいせい)君(14)、澤田信矢(しんや)君(15)、西村結翔(ゆと)君(14)。4人と彦根署によると、今年7月17日午後0時半ごろ、4人がハンドボール部の練習を終えて自転車で下校していたところ、苦しそうにしながらよろよろと歩く女性(当時75)を発見。20㍍ほど通り過ぎたところで「戻ろう」との思いが合致し、女性にみんなで「大丈夫ですか」と声をかけた。
 
熱中症に水購入し対処
役割分担「助かって良かった」
 この日は気温30度を超える暑さだったため、女性は熱中症のような症状のほか、認知症もあったため道に迷った様子だった。4人は小学校からの同級生で気の合う間柄。とっさの判断で、井崎君と西村君が女性の証言をもとに自宅を探す役、澤田君が世話をする役、岩本君が警察などに電話をする役に分かれて行動した。そのうち西村君は近くの自動販売機で水を購入し、女性に飲ませたり、首元を冷やしたりしたという。結局、女性の自宅はわからなかったが、4人は申し訳なさそうにする女性に「コロナ大変ですね」などと話しかけながら世話をし続けた。
 女性を探していた親族は午後1時ごろに彦根署に連絡。4人からの連絡もあったため、約20分後に女性を親族に引き渡すことができた。
 西村君は「おばあさんが助かってくれて本当に良かった。人助けのいい経験にもなりました」、岩本君は「僕たち一人ひとりの良い所が今回の行動にも出た。チームワークで効率よく対処できた」、井崎君と澤田君は「女性が助かって、僕たちもうれしい」と話していた。
 4人に感謝状を渡した羽田賢一署長は「人は一人では生きていけないということを中学生の皆さんが教えてくれた。小さい子どもや高齢者らを助ける心を持って、これからの人生を歩んでほしい」と語った。

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