センバツでは近江高吹奏楽部の演奏もツイッターなどSNSやマスコミ各社で話題になった。特に準決勝以降に披露した滋賀出身の歌手・西川貴教さんの曲「HOT LIMIT」や、決勝での平和堂のイメージソング「かけっことびっこ」の演奏は西川さんのファンや県民の話題にもなった。2曲が披露されることになった背景を取材した。
卒部式中「繰り上げ出場」発表
部員たち驚くも「試合重ね成長」
近江高吹奏楽部の甲子園での演奏曲は、ピットブルの「Fireball」やファレル・ウィリアムスの「Happy」など洋曲7曲が定番となっている。
センバツ出場校を決める選考の前段階で近江高は近畿地区から選ばれることが有力視されていた。吹奏楽部でも昨年12月末から甲子園で応援するための準備をしてきた。しかしその後、まさかのセンバツ落選の知らせがあった。吹奏楽部は新型コロナのため2月から3月16日に延期になっていた文化プラザでの卒業演奏会で野球応援メドレーなどを披露した。
そしてその翌日、繰り上げ出場の発表があった17日の午後6時から3年生を交えて校内で開いた卒部式の時だった。部長の福永千秋さん(17)=東近江市=と指揮の工藤優莉さん(17)=野洲市=によると、卒部式が始まってしばらくして、顧問の樋口心さん(46)が急に生徒たちの前に近江の帽子をかぶって立ち「甲子園へ応援に行くぞ」と繰り上げでの甲子園出場を発表。しかし繰り上げ出場の事実を知らず、落選だと思っていた部員たちは「どういうこと?」と顔を見合わせていたという。
部員の間では初戦の応援前の時点でも「本当に甲子園へ行けるの?」との声があがるほど疑心暗鬼の状態だった。しかし試合が進むたびに演奏の熱も帯び、福永さんは「試合を重ねるたびにクオリティーがあがり、球場の観客からも手拍子が起こったり、SNSで話題になったりした」と満足そうに振り返った。
「滋賀の特色」急きょ練習
準決後「かけっことびっこ」も
今春のセンバツで注目された近江高吹奏楽部の曲は、準決勝と決勝で披露された西川さんの曲「HOT LIMIT」と、決勝でのみ演奏された平和堂のイメージソング「かけっことびっこ」。
近江の繰り上げ出場からの快進撃を受け、西川さんはツイッターで「目指せ、決勝!頑張れ、近江高校!」と発信。これに吹奏楽部がツイッターで「応援を吹奏楽部も全力で頑張ります!」とツイートしたことから、つながりが生まれた。
そして「滋賀の特色」を出そうと、準決勝を前に急きょ「HOT LIMIT」を応援歌に追加。これまで練習したこともなかったが、楽譜がたまたまあったこともあり、2、3年生の部員53人で練習。準決勝では主戦の山田陽翔投手の打撃の際にサビの部分を披露し、山田投手が途中降板した決勝では西川さんにちなんで、西川朔太郎選手の時に演奏した。
平和堂の「かけっことびっこ」はこれまでの定期演奏会などで披露した実績があった。準決勝終了後の帰りのバスで、「HOT LIMIT」の大きな反響を知った樋口さんら顧問は「さらに盛り上げて、決勝でもう一押ししよう。滋賀で一番有名な曲を全国に届けよう」と考え、「かけっことびっこ」も追加することを決定。帰路途中のサービスエリアで部長の福永さんらに伝え、学校に戻ってすぐに全員で演奏の練習をし、振り付け用として録音して応援団の野球部員やダンス部員たちに渡した。
決勝では5回の一回のみ「かけっことびっこ」を演奏する予定だったが、「想像以上に盛り上げり、反響がすごかった」(樋口さん)ため、その後も何度か演奏した。
「夏出場時も応援したい」
福永部長と指揮の工藤さん
新しい2曲を中心に吹奏楽部の応援曲に対してはSNSを中心に反響を呼び、マスコミ各社も相次いで取り上げた。樋口さんは「知人からは演奏を聞いたとたん、涙が出てきたとも聞いた。夏の大会でも甲子園出場時はどういう構成にするか、県民の皆さんに喜んでもらえるよう考えたい」と話した。
福永さんは「甲子園で5試合も応援の演奏ができ、私たちも成長できたと思う。夏の大会でも甲子園に行けたら選手のために一生懸命応援したい」と語り、工藤さんは「センバツではアルプス席を近江一色に染めることができた。私たちの演奏もリアルタイムで反応があり、盛り上げることができて良かった」と話していた。
部員たち驚くも「試合重ね成長」
近江高吹奏楽部の甲子園での演奏曲は、ピットブルの「Fireball」やファレル・ウィリアムスの「Happy」など洋曲7曲が定番となっている。
センバツ出場校を決める選考の前段階で近江高は近畿地区から選ばれることが有力視されていた。吹奏楽部でも昨年12月末から甲子園で応援するための準備をしてきた。しかしその後、まさかのセンバツ落選の知らせがあった。吹奏楽部は新型コロナのため2月から3月16日に延期になっていた文化プラザでの卒業演奏会で野球応援メドレーなどを披露した。
そしてその翌日、繰り上げ出場の発表があった17日の午後6時から3年生を交えて校内で開いた卒部式の時だった。部長の福永千秋さん(17)=東近江市=と指揮の工藤優莉さん(17)=野洲市=によると、卒部式が始まってしばらくして、顧問の樋口心さん(46)が急に生徒たちの前に近江の帽子をかぶって立ち「甲子園へ応援に行くぞ」と繰り上げでの甲子園出場を発表。しかし繰り上げ出場の事実を知らず、落選だと思っていた部員たちは「どういうこと?」と顔を見合わせていたという。
部員の間では初戦の応援前の時点でも「本当に甲子園へ行けるの?」との声があがるほど疑心暗鬼の状態だった。しかし試合が進むたびに演奏の熱も帯び、福永さんは「試合を重ねるたびにクオリティーがあがり、球場の観客からも手拍子が起こったり、SNSで話題になったりした」と満足そうに振り返った。
準決後「かけっことびっこ」も
今春のセンバツで注目された近江高吹奏楽部の曲は、準決勝と決勝で披露された西川さんの曲「HOT LIMIT」と、決勝でのみ演奏された平和堂のイメージソング「かけっことびっこ」。
近江の繰り上げ出場からの快進撃を受け、西川さんはツイッターで「目指せ、決勝!頑張れ、近江高校!」と発信。これに吹奏楽部がツイッターで「応援を吹奏楽部も全力で頑張ります!」とツイートしたことから、つながりが生まれた。
そして「滋賀の特色」を出そうと、準決勝を前に急きょ「HOT LIMIT」を応援歌に追加。これまで練習したこともなかったが、楽譜がたまたまあったこともあり、2、3年生の部員53人で練習。準決勝では主戦の山田陽翔投手の打撃の際にサビの部分を披露し、山田投手が途中降板した決勝では西川さんにちなんで、西川朔太郎選手の時に演奏した。
平和堂の「かけっことびっこ」はこれまでの定期演奏会などで披露した実績があった。準決勝終了後の帰りのバスで、「HOT LIMIT」の大きな反響を知った樋口さんら顧問は「さらに盛り上げて、決勝でもう一押ししよう。滋賀で一番有名な曲を全国に届けよう」と考え、「かけっことびっこ」も追加することを決定。帰路途中のサービスエリアで部長の福永さんらに伝え、学校に戻ってすぐに全員で演奏の練習をし、振り付け用として録音して応援団の野球部員やダンス部員たちに渡した。
決勝では5回の一回のみ「かけっことびっこ」を演奏する予定だったが、「想像以上に盛り上げり、反響がすごかった」(樋口さん)ため、その後も何度か演奏した。
福永部長と指揮の工藤さん
新しい2曲を中心に吹奏楽部の応援曲に対してはSNSを中心に反響を呼び、マスコミ各社も相次いで取り上げた。樋口さんは「知人からは演奏を聞いたとたん、涙が出てきたとも聞いた。夏の大会でも甲子園出場時はどういう構成にするか、県民の皆さんに喜んでもらえるよう考えたい」と話した。
福永さんは「甲子園で5試合も応援の演奏ができ、私たちも成長できたと思う。夏の大会でも甲子園に行けたら選手のために一生懸命応援したい」と語り、工藤さんは「センバツではアルプス席を近江一色に染めることができた。私たちの演奏もリアルタイムで反応があり、盛り上げることができて良かった」と話していた。
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