2024年9月21日土曜日

城東出身の奥井颯大選手 凱旋 夏の甲子園で優勝・京都国際の捕手「プロ目指す」

 今夏の全国高校野球選手権大会で優勝した京都国際高で捕手を務めた奥井颯大選手(18)が14日、小学校時代に所属していた城東スポーツ少年団の大橋弘和監督(52)や後輩の小学生たちに報告のため凱旋(がいせん)。滋賀彦根新聞のインタビューにも応じた。
 
小中生時代は投手か遊撃手
肩の強さなど買われ高1で転向
 
 奥井選手は市立城東小学校出身。小学2年の時から城東スポーツ少年団で野球を始め、遊撃手や投手を務めた。市立東中学校時代に所属していたクラブチームの近江ボーイズでも遊撃手と投手だった。
 京都国際高へ進学後の1年秋の大会後に、フットワークの良さや肩の強さなどを買われて捕手へ転向。奥井選手は「最初は嫌な部分もあったが、指(サイン)一つで勝敗が決まるおもしろさに気づき始め、好きになった」と説明した。
 甲子園の印象については「大観衆の前で野球ができて、楽しさを感じていた。まったく緊張しない場所だ」と予想外の回答。3年夏の甲子園では対戦前に相手チームの打者の傾向やスイングの特徴などを分析したといい「一戦一戦、必勝の思いで必死だったが、準々決勝あたりから日本一を意識するようになった」と明かした。
 優勝の瞬間については「びっくりした気持ちしかなかった」と解説しながら「時間の経過と共に、色んな場所でお祝いしてもらう中で実感するようになっている」と笑顔を見せた。
 今後については「大学かプロ野球」をあげ、プロの球団としては「子どもの頃からファンだった(ソフトバンク)ホークスを希望している」と明言。「プロ野球選手になったら、子どもたちが憧れて応援される選手になりたい」と夢を膨らませていた。
 
大橋監督「野球IQ高かった」
2年から5年の試合出場し活躍



 大橋監督は奥井選手を小学2年から6年まで指導。奥井選手が2年の時に出場した5年試合で2塁ランナーだった際、相手投手が初球を投げる前に必ず1塁へけん制するクセを見抜いた大橋監督がけん制と同時に3塁へ走るようにジェスチャーで指示し、その通りに奥井選手が走ったエピソードをあげ「野球IQの高い子で、センスがずば抜けてあった」と絶賛した。
 一方で、小学生時代の思い出として奥井選手は「大橋監督に教えてもらった打撃フォームが今も生かされている。試合を経験するたびに成長していった記憶がある」と当時を振り返った。
 
「楽しんで野球を」
後輩たちを激励
 
 奥井選手は、城東スポーツ少年団が練習試合のため訪れていた愛荘町の町立スポーツセンター秦荘グラウンドを訪問。本紙のインタビュー後には後輩の小学生たちと一緒にノックを受けたり、捕手のキャッチングを披露したりして汗を流した。
 奥井選手は後輩たちに向けて「野球が好きなことが一番なので、これからも楽しんで野球をやってもらいたい」と激励。城東スポーツ少年団主将の神谷由惟奈さん(11)=5年=は「夏の甲子園で優勝した選手に会えてよかった。(奥井選手は)送球のスピードが私たちとぜんぜん違った」と目を輝かせていた。

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