2015年11月26日木曜日

地産地消給食等メニューコンテスト 彦根市立病院のメニューが農林水産大臣賞

 地産地消の食材を使った給食のコンテストで、彦根市立病院が応募したメニューが最優秀の農林水産大臣賞を受賞した。26日に東京都内で表彰式が開かれる。
 地域の生産者と消費者を結びつけて食糧自給率を向上させることを目的に、一般社団法人 都市農村漁村交流活性化機構などは「地産地消給食等メニューコンテスト」と「地産地消優良活動表彰」を実施。
 今年度で8回目となるコンテストには、学校給食・社員食堂と外食・弁当の2部門に全国から計129件の応募があり、学校給食・社員食堂部門の農林水産大臣賞に彦根市立病院の「初夏のメニュー」=写真=が選ばれた。
 市立病院は平成24年度から地産地消の推進を目的に、入院患者向けの給食に多賀の米や滋賀県産の野菜、果物を積極的に採用しているほか、季節ごとに年4回、地産地消イベントとしてすべての料理に滋賀県産の食材を使っている。
 初夏のメニューは、多賀の米、ビワマスの香草パン粉焼き、近江牛ミンチのそぼろ煮、彦根産キュウリの酢しょう油和え、愛東メロンソース付きのブラマンジェ。
 なお、地産地消優良活動表彰の地域振興部門の農林水産大臣賞には、東近江市のあいとう直売館が選ばれた。県内団体の大臣賞ダブル受賞は滋賀県初。

2015年11月23日月曜日

彦根城の外堀跡の一部 国の特別史跡に追加指定

 文化庁の文化審議会は20日、彦根市中央町から錦町にかけての彦根城の外堀跡を、国の特別史跡に追加指定すると答申した。すでに特別史跡に指定されている彦根城跡に外堀跡が加わることで、今後の世界遺産登録に向けた弾みになる。
 彦根城の外堀は城の防御施設として、築城後の元和(げんな)元年(1615)以降に芹川(当時は善利川)の支流を使って彦根藩単独で整備が始まり、中堀の整備を終えた同8年以降に完成。旧松原内湖から彦根城を囲み同内湖に戻る総延長約3・4㌔の長さで、堀の城内側には土塁が築かれた。
 外堀はマラリア対策として昭和20年代後半までに埋められ、土塁が現存するのは中央町のみ。中央町の土塁の大きさは、高さが城内側で5・5㍍、城外側で6㍍以上、南北の幅が23㍍、東西の幅が底辺18㍍・上部4㍍の台形型。
 特別史跡に追加指定されたエリアは民有地の土塁部分と、一部が市道になっている堀のあった部分の計約1305平方㍍。土塁部分が中央町で、市道部分が錦町に位置する。
 また特別史跡の追加指定に先立ち、外堀跡全体が土地の発掘調査の実施対象になる市の埋蔵文化財包蔵地になった。
 外堀跡としては中央町の土塁のほか、土塁の基底部分が長曽根口や蓮華寺(中央町)裏手、圓常寺(城町)の竹薮にも残っている。市教委は来月19日午後1時~文化財課の職員のガイドで探索する「外堀探検隊」を開催する。問い合わせは文化財課☎(26)5833。

大久保市長 2人目の副市長提案へ

 大久保市長が新たな副市長の人事案件を30日開会の定例会に提案する意向を示している。以前から人選を進めており、すでに現職の部長級の男性職員(60)に絞ったとの情報もある。
 平成23年3月23日施行の彦根市の副市長定数条例では副市長の定数が1になっており、現在は元ユネスコ職員の山根裕子氏(69)が副市長に就き、彦根城の世界遺産などを担当している。
 今月初めの本紙の取材に市長は「まだ決まっていない」としていたが、すでに副市長を2人にする人事案件を市議会に報告した模様で、条例の改正案を提案する予定。
 副市長の候補にあがっている男性職員は環境や福祉などの分野で活躍してきたベテランで、現在は市立病院に勤務。市内部の調整役にあたるとみられる。

2015年11月20日金曜日

彦根市立病院に憩いのスペース・こもれびのガーデンがオープン

 彦根市立病院の正面入り口近くに、樹木や花が植えられた憩いのスペース「こもれびのガーデン」が7日オープンした。
 市民有志団体「彦根市民健康サポーターズ倶楽部」と病院職員らによる「ラ・フルールの会」が、雑草が生えるなど整備されていなかったエリア約330平方㍍を小鳥の集まる場所にしようと計画。元々あったネムの木の周りに花を植えるなど、数年前から手作りで整備を進めてきた。
 ガーデン内にはアジサイ、バーベナ、シャガなど計約20種類の樹木や花が植えられているほか、テーブルやベンチが置かれ、歩道も整備されている。日中にはネムの木のすき間から太陽の光が差し込むこともあるため、ガーデンの名称に「こもれび」を取り入れた。初日には団体のメンバーらが集い、テープカットなどをした。世話人の一人で循環器科の医師・綿貫正人さんは「患者さんや市民、職員の憩いの場となり、皆さんの心が和む場所になればいい」と話していた。

昔の職人作った価値ある仏壇の情報募集、永楽屋が法人設立50周年で

 彦根市芹中町の永楽屋は「近江仏壇百選」と題して、昔の職人が作った仏壇を募集している。
 来年4月11月の同社の法人設立50周年に合わせて、価値ある仏壇が処分されることへの懸念と、昔の職人の技を改めて学びたいとの思いから企画。「先代や住職が良い仏壇と言っていた」「近所にすばらしい仏壇がある」などの情報を募り、同社職員が訪問して無料で診断する。
 価値があると判断すれば、写真撮影などを行い、冊子などの形で記録として残していく予定。同社では「価値がある仏壇を判断するのは難しいと思うので、気軽に連絡してください」としている。問い合わせは同社☎0120(23)1466。
 なお同社は彦根工場(甲良町)で9日まで彦根仏壇の製造工程が見学できる宝華展を開いている。

2015年11月18日水曜日

ものづくりの魅力 児童がマイスターから学ぶ、滋賀県職業能力開発協会

 彦根市立高宮小学校で6日、児童が大工や和菓子作りなどの仕事を体験する「ものづくりの魅力」講座が開かれた。
 滋賀県職業能力開発協会(大津市)が、古くから伝えられてきたものづくりの技とその魅力を子どもたちに知ってもらおうと企画。彦根で初めてとなった講座では、高宮小の6年生78人が和菓子、建築板金、畳、大工の4分野に分かれて、厚労省が認定した職人「ものづくりマイスター」の指導を受けて体験した。
 大工には児童17人が木製の高さ2㍍×幅2㍍×3㍍の家とウサギ作りに2グループに分かれて交互に挑戦。家作りを体験した児童たちはヘルメットをかぶり、ものづくりマイスターらの指示を受けながら木材を連携して運び、組み合わせて家の骨組みを製作。完成後はマイスターから工具の使い方を学んでいた。
 児童の岡田涼人君(11)は「実際に体験すると、実感がわいてきた。もっと色んなものづくりをしてみたい」と話していた。

彦根駅西口に新しい駅前交番が完成

 彦根駅西口に新しい駅前交番が完成し、6日に竣工式が行われた。
 旧の交番は昭和54年3月に建設されたが、耐震性に問題があったため新設されることになり、南側約100㍍の彦根市観光案内所(いらっしゃいませ館)隣の場所で、今年4月8日から新設工事が行われてきた。
 建物は鉄骨2階建て延べ約145平方㍍で、多目的室や女性警官用の部屋などが整備。外見は正面の屋根が彦根城の天守に似せた唐破風の形状になっている。1台分の駐車場や非常用発電システムなども設置されている。設計は水原建築設計事務所、施工は大輝建設。旧交番の用途は未定。
 女性の警官2人を含む6人が交代で勤務するほか、日中は警官OB1人が相談員として配置。竣工式で彦根駅前交番所長の御書一生警部補は「犯罪の無い安心・安全なまちづくりのために精一杯まい進していきたい」と決意表明していた。

旧広田家住宅・納屋七で大阪在住の画家・なかもとりえこさん作品展「すずめとかき」

 彦根市城町1の旧広田家住宅・納屋七(なやしち)で11日から、大阪在住の画家・なかもとりえこさん(40)が制作した作品展「すずめとかき」が始まった。市内のノゾミ保育園や彦根幼稚園、城西小学校の子どもたち約130人が描いた柿の絵も展示されている。
 今年7月に高宮町の「座・ギャラリー」でなかもとさんの作品を見た納屋七の番頭・水野攻(おさむ)さん(67)が納屋七での作品展を依頼したことから実現。なかもとさんは彦根入りした9日に、スチロール製の高さ約2㍍の柿の木と女の子、柿40個を作り、8畳の和室に柿の木を設置し、子どもたちが柿をイメージして描いた絵を付けて、なかもとさんが作った柿を天井からつり下げた。
 10日にはアクリル絵の具を使って縦5㍍・横2㍍の画用紙に、女の子が山の上に座って柿の皮をむいている様子を約4時間かけて描き、土間の上から設置した。なかもとさんは「彦根など地域の多くの人に見て頂ければうれしい」と話していた。
 展示は30日までの午後1時半~午後5時。21、22日休館。問い合わせは納屋七☎(29)5077。

2015年11月14日土曜日

彦根市の地域医療を守る会代表の川村啓子さん 著書「母の恋人松木先生、私の恋人村上先生」自費出版

 彦根市の地域医療を守る会代表の川村啓子さん(61)=佐和町=が、著書「母の恋人松木先生、私の恋人村上先生」を自費出版した。
 介護が必要になった母親・静江さん(享年89歳)が看取りで亡くなるまでの22カ月間におよぶ在宅介護の記録をまとめている。静江さんを診察した平田町の松木診療所の松木明院長と、「守る会」の設立の助言を受けた北海道岩見沢市で地域医療に取り組む「ささえるクリニック」の村上智彦院長を中心に、介護中に支援した個人や団体も紹介している。
 川村さん自身が寝食の暇もなく介護に励む様子や、松木院長ら医療・福祉関係者との関わりなど在宅介護の現実を時系列で掲載。電子書籍には無かった写真も追記している。
 川村さんは「多くの親は病院や施設で亡くなるよりも、自宅での看取りを希望しているということを著書で示したかった。将来、親の介護の必要性が出てくるかもしれない若い方にも読んでほしい」と話していた。
 本はA5判・160ページ。発行「ポンコツカフェ」。希望者には実費で販売。問い合わせは川村さん☎(24)6300。

稲部遺跡・稲部西遺跡から弥生〜古墳期の大規模集落跡、住居・祭祀・工房は県内初

 彦根市教委文化財課は11日、発掘調査中の稲部町と彦富町にまたがる稲部遺跡と稲部西遺跡から、弥生時代後期後半から古墳時代前期(2世紀~4世紀)の集落跡が発見されたと発表。15日午後1時半~現地説明会を行う。
 宅地造成工事に伴い昭和56年に稲部遺跡の約500平方㍍で第1次調査が始まって以降、市道芹橋彦富線・稲部本庄線の道路改良工事に伴って、平成25年7月から現在まで、稲部遺跡で第6次まで、稲部西遺跡で第2次まで調査が実施。これまでの調査面積は稲部遺跡が約4230平方㍍、稲部西遺跡が約2215平方㍍。今月末~年度内には稲部遺跡の約430平方㍍で第7次調査が行われる。
 稲部遺跡の第2次では弥生時代末~古墳時代前期における、地中に掘った穴に柱を立てて建設した掘立(ほったて)柱建物7棟(うち祭祀や政治に使われたとみられる独立棟持柱付建物が2棟)、青銅器鋳造の工房跡とみられる竪穴建物1棟、桃の種が入った井戸などが、第3次では弥生時代末から古墳時代前期の掘立柱建物5棟以上、周溝付建物3棟以上などが確認。また稲部の第2次~第6次と稲部西の第1次では弥生時代後期後半から末にかけての竪穴建物が延べ105棟見つかった。
 今年6月23日から行われている稲部遺跡の第6次では、古墳時代初頭から前期にかけて数回建て替えられた掘立柱建物跡が見つかっており、柱を立てた跡の穴が数カ所空いた直径1・5㍍の巨大な穴もある。柱の穴の上層部や付近のくぼ地からは計12個の桃の種が出土。桃は弥生時代に中国大陸からもたらされ、古代中国では不老長寿や魔除けなどの力を持つ神聖な果実だったとされるため、何らかの祭祀が行われていたと考えられる。
 居住空間、祭祀スペース、工房跡の「3点セット」が出土したのは県内初で、近畿でも珍しいという。また第3次で確認された溝の東側には祭祀に対応する首長の居住域が存在する可能性もあり、「4点セット」となれば全国初になるといい、第7次でその場所の発掘調査を行う。文化財課では「居住域の展開、祭祀域と工房域の様子がわかり、集落内の階層、社会構造の変化の様子を知ることができる集落遺跡だといえる」としている。
 奈良県立橿原考古学研究所共同研究員の森岡秀人さんは「弥生時代後期から古墳時代前期にかけて、近畿北部、近江湖南・湖東エリアが要の場所と考えていたが、稲部遺跡・稲部西遺跡はまさにその鍵を握る物証が重層的に見つかった遺跡群と考えられ、大変驚いている」とコメントしている。
 現地説明会の集合はみづほ保育園の駐車場に午後1時半までに。駐車はみづほ保育園と稲枝東小学校に。小雨決行。

2015年11月11日水曜日

滋賀レイクスターズ チアスクール彦根・南彦根校の子どもたち本番に向け練習

 プロバスケットボール・bjリーグの滋賀レイクスターズの試合が11月14、15日に彦根市民体育センター(松原町)で開催される。ハーフタイムには、市内のチアスクールに通う子どもたちも登場する予定で、本番に向けて練習に励んでいる。
 滋賀レイクスのチアスクールは、未就学児のキッズ1、小学1・2年のキッズ2、3年以上のジュニアの3クラスあり、ベルロードのコパンの彦根校に38人、ビバシティ内のコパンの南彦根校に13人(2クラス)が所属。チアリーダーのメンバーを講師に、毎週1回1時間ずつ練習している。
 彦根校のメンバーが14日、南彦根校のメンバーが15日に出場する予定。彦根校の北川穂乃佳さん(10)=城陽小5年=は「みんなと一緒にできるのが楽しみ。将来はレイクスのチアリーダーになりたい」、南彦根校の霜越優日さん(8)=城北小3年=は「当日はセンターで踊るので、がんばりたい」と話していた。

滋賀レイクスターズのチアリーダー彦根のカナコさんとレイナさんが抱負

 プロバスケットボール・滋賀レイクスターズのチアリーダーには彦根在住のカナコさんとレイナさんが所属している。今月14、15日の彦根開催を前に2人に抱負などを聞いた。
 滋賀レイクスのチアリーダーは今年で結成8年目を迎えるが、これまでで最多の13人が所属している。
 4年目のカナコさんはバレエを4歳から取り組んでおり、その技をチアリーダーにも発揮。昨年10月からはキャプテンを務めている。2年目のレイナさんは高校・大学とチアリーディング部に所属し、滋賀レイクスではバイス(副)キャプテンとして活躍している。
 チアリーダーの魅力について、カナコさんは「プロ意識の高いメンバーの中にいると、常に成長できる。女性としてはもちろん、人間的にも人の手本になれる精神面を鍛えられる」、レイナさんは「チアリーダーは一人では決してできない。仲間がいてできる。会場と一体感になれるのも魅力」と話していた。
 カナコさんは「生まれ育った彦根の皆さんの前で披露できることはうれしく思う」、レイナさんは「彦根では1年に1回しかない試合なので、是非見に来てほしい」と来場を呼びかけていた。
 チアリーダーは両日とも、オープニングや、ハーフタイム、タイムアウトなどの時間に随時登場する。

近江鉄道ワイン電車運行開始

  近江鉄道で2日から「ワイン電車」の運行が始まり、会社の同僚や女性仲間、カップルなどが乗車している。
 平成23年以来2回目の企画。白と赤の6種類のワインやワインベースのカクテル、ソフトドリンクが飲み放題。スペイン産の白のスパークリングワインで乾杯した後、米国・ドイツ・フランスの白ワインと米国・フランス・オーストリアの赤ワインの3種類ずつを飲み比べ、気に入ったワインのおかわりができる。ボジョレーヌーボーの解禁日の19日からは新酒ワイン5種類がメニューに加えられる。
 運行日は21日までの金・土曜と19日、22日。彦根発着便と近江八幡発着便があり、平日が夜、土日が昼と夕方の運行に。往復約2時間。料金は千成亭のオードブル付きで3500円、19日以降4000円。カツサンドやチーズの車内販売も。定員72人。申し込みは5日前までの平日に近江鉄道鉄道部☎(22)3303。

井伊直弼役・俳優の原田龍二さん務める小江戸彦根の城まつりパレード

 小江戸彦根の城まつりパレードが3日に開かれ、甲冑など時代衣装を着た約1000人が彦根城内などを練り歩き、観光客や市民ら計約6万5000人(主催者発表)が見学していた。
 今年は例年の子ども大名行列、子ども時代風俗行列、彦根町火消し隊、一文字笠列、市女笠列の例年の隊列に、井伊直弼公生誕200年祭に合わせて、花の生涯井伊直弼公列をグレードアップさせた「井伊直弼公行列」と「井伊家歴代当主行列」を加えた。直弼役は俳優の原田龍二さん(44)が務め、原田さんは沿道の声援に笑顔で応えていた。

2015年11月10日火曜日

井伊直弼懐石研究会の中尾英力さん 茶席での懐石料理を再現 埋木舎で

 井伊直弼が茶席で接待する際に提供していた懐石料理を再現したイベントがこのほど、埋木舎で開かれ、全国の茶道愛好家たちが作法を学んだ。
 富山県富山市で茶料理の仕出しをしている懐石「万惣」の中尾英力(ひでさと)さん(43)が直弼の人物像にひかれ、直弼が提供していた懐石料理を研究。昨年春には全国の茶道愛好家約30人と井伊直弼懐石研究会を設立し、各地で再現イベントを開いている。
 彦根では初めて先月28、29日に「井伊直弼の心を味わう会」と題して埋木舎で開催し、2日間で県外の茶道愛好家計31人が参加。中尾さんは、直弼が茶の接待時に曹洞宗の食事作法を取り入れた「真式懐石」について説明した後、実際に懐石料理を出し、懐石、点心、抹茶の順番で頂き方など作法を教えていた。
 直弼について、中尾さんは「安政の大獄などでのイメージとはまったくの真逆で、直弼の食事作法は食材の命が尊く、等しいことを教えており、世界平和を願っていることがよくわかる」と話していた。

井伊直弼流派の一会流樹聖会 子どもたちが埋木舎でお点前体験

 埋木舎で井伊直弼の流れをくむ茶道の教室が10月31日にあり、市内外の子どもたちが体験した。
 NPO法人ひこね文化デザインフォーラムが企画し、一会流樹聖会の代表・神野豊子さんが講師を務め、2回の教室に親子計32人が参加し、直弼が生活の大半を過ごした居間で体験した。教室では埋木舎当主の大久保治男さんが埋木舎での直弼の生活を説明した後、神野さんが茶道具や菓子の食べ方、茶の頂き方などを説明。直弼が描かれた掛け軸の前に正座で座った子どもたちは、それぞれの説明を熱心に聞いた後、実際に茶せんを使って茶を点て、ほかの子どもたちに差し出していた。
 体験した大久保さんの孫で小学3年生の忠眞君(9)は「茶道は難しかったけれど、最初、思っていた以上に興味を持つことができた」と笑顔で話していた。

井伊直弼茶道一会流神野社中と石州流井伊大老派 西郷社中がお点前披露

 井伊直弼公生誕200年祭の事業として、「大名茶会と花展」が24、25日の両日、彦根城博物館の木造棟で開かれ、両日で580人が参加した。
 24日には御客座敷で「井伊直弼茶道『一会流』神野社中」と御座之御間で「表千家流 外海社中」、25日には御座之御間で「石州流井伊大老派 西郷社中」と御客座敷で「表千家流 辻社中」のメンバーが出席。各流派の設立までの経緯や作法の仕方などを参加者に教えながら、お点前を披露した。茶が出される前の菓子には、9月に市内で開かれたひこね菓子選手権で選ばれた「かえりみち」「ひこすい」「ちゃかぽん」が出され、参加者がおいしそうに食べていた。
 また彦根城博物館前、旧西郷屋敷長屋門前、旧木俣屋敷前には花道8流派の作品も展示され、観光客らが写真撮影をするなど見学していた。

2015年11月5日木曜日

滋賀レイクスターズの選手とマグニーら彦根での試合に合わせ市長を表敬訪問

 プロバスケットボール・滋賀レイクスターズの選手たちが10月30日、11月の彦根市民体育センターでの試合に合わせて、市長を表敬訪問した。
 試合は11月14日午後6時~と15日午後2時~浜松・東三河フェニックスと行われる。市役所を訪れたのは、代表の坂井信介さん、ヘッドコーチの遠山向人さん、キャプテンの横江豊選手、ジュリアン・マブンガ選手、マスコットのマグニー、広報の倉田伸也さん。
 遠山さんは「今年は昨シーズンよりもおもしろい試合ができているので期待してほしい」と来場を呼びかけていた。最後の記念撮影時にはひこにゃんも参加した。

埋木舎の当主・大久保治男さん宅で、小膳(章男)が明治時代に催した直弼公の誕辰祭に関する史料見つかる

 彦根市尾末町の埋木舎の当主・大久保治男さん(81)=東京都文京区=は井伊直弼の誕生日の29日、直弼の側近で大久保さんの曽祖父にあたる小膳(章男)が明治時代に直弼の誕生日に催していた誕辰(たんしん)祭に関する史料の一部を滋賀彦根新聞に公開した。これまでに誕辰祭が行われていたのはわかっていたが、それに関する史料が確認されたのは初めて。
 埋木舎は直弼が17歳から32歳まで過ごした場所で、直弼死後は側役の小膳が拝領し、以降、大久保家が管理してきた。小膳は明治19年(1886)から亡くなる前年の同35年まで、直弼の誕生日にあたる毎年10月29日に、松原にある井伊家の下屋敷・お浜御殿で神式の誕辰祭を自費で行った。
 誕辰祭では、献茶、献花の儀、能楽の奉納があり、余興や福引きもあった。また松原村立小学校の全児童も誕辰祭に参列し、自作の歌を合唱したという。その歌詞は直弼自身が亡くなる前に詠んだ歌が使われている。
 大久保さんが今年9月初めに都内の自宅の書庫を整理していたところ、表紙に「故井伊直弼公誕辰祭祝賀會ニ関スル書類入」と書かれた箱を見つけ、中を確認したところ、誕辰祭の出席簿や寄付者の名簿、松原小の児童が歌った際の楽譜など約100点が入っていた。
 彦根城内では井伊直弼公生誕200年祭が開かれているため、大久保さんは「200年祭に合わせて見つかったのも何かの縁ではないか」と話していた。史料が入った箱は彦根城博物館に預けられており、同館は各史料を確認した上で目録を作成する。

2015年11月2日月曜日

ギャラリーコジマで絹衣デザイナー・野崎文子さん作品展

 彦根市銀座町のギャラリーコジマで11月3日まで、絹衣デザイナー・野崎文子さん(72)=長浜市三ツ矢町=の作品展が開かれている。
 野崎さんは熊本県天草市生まれ。東京で洋画家として活動していた平成5年に長浜市内で浜ちりめんで出会い、その後、長浜へ移住。以降、全国各地から新品の着物地を仕入れ、それを組み合わせて衣服などを制作。絹衣として、国内外でファッションショーや講演会を開催している。
 彦根では初めてとなる作品展では、男性も着ることができる衣服をはじめ、ポーチ、バッグ、ネクタイなど計200点以上を展示・販売している。開館は午前10時半~午後6時、最終3日のみ午後5時まで。

彦根市立病院の産婦人科に産科医2人着任へ8年ぶり医師の分べん再開へ

 彦根市は28日、産科医不足で医師による分べんを中止していた彦根市立病院の産婦人科に、産科医2人が12月1日付けで着任すると発表した。分べん中止から8年ぶりの再開に、市民からは安どの声があがっている。
 市立病院は平成19年4月に産科医が4人から一人になり、分べんを中止。翌年2月に院内助産所を開設し、制限を設けて分べんを扱ってきた。また平成20年度からは毎週水曜に県成人病センターの産科医の派遣を受け、金曜日には京都大学からも派遣を受けてきた。しかし現在まで、35歳以上の初産、帝王切開や逆子などリスクの高い出産、救急時は対応できない状況が続いていた。
 市立病院での分べんの取り扱い件数は産科医が4人いた平成18年度が525件だったが、一人体制になった翌年が0件となり、以降も14件~40件と続き、昨年度が34件だった。分べんを行った施設は、最近のデータで平成25年度に誕生した市内の子1056人のうち、市内の民間診療所と市外の医療施設が約半数ずつとなっており、市立病院では1割にも満たない。
 市や市立病院は平成19年度以降、県内外の大学病院を中心に産科医の派遣を依頼。平成22年1月に策定された県の地域医療再生計画でも市立病院での分べんの再開が明記された。また市議会や市内の女性で組織の「安心なお産を願う会」なども市や県に要望活動を展開してきた。
 市立病院に着任する医師は土岐利彦さん(60)=現・奈良県生駒市立病院産婦人科部長=と、高原得栄さん(53)=現・社会医療法人誠光会草津総合病院。いずれも主任部長(次長級)として就く。
 着任後は徐々に医師による分べんを増やしていき、平成28年度から当面は年間150件の取り扱いを目指す。院内助産所も当面は継続させる。また継続して若手の産科医の派遣も大学などに求めていく。
 市立病院の産科医が再開されることに、安心なお産を願う会の代表を務めた高居涼佳さんは「産科が再開されるのはとてもうれしく、ありがたく思います」と話していた。