2017年12月28日木曜日

彦根城天守の修復へ滋賀飲料が売上の一部を寄付する自動販売機を設置

 10月の台風21号の影響で漆喰壁がはがれた彦根城天守の修復に貢献しようと、自動販売機業者の滋賀飲料(彦根市本町)は23日、売上の一部を寄付する自動販売機を同社近くに設置した。
 台風21号により、現在は一般出入り口になっている天守の多門櫓の漆喰壁が高さ約3・7㍍×幅16・6㍍にわたってはがれ、玄宮園の広場(武蔵野)からもその惨状がよくわかる。
 同社は天守の修復に貢献しようと、自動販売機で売れた商品1本あたり10円を市に寄付することにした。自動販売機は側面にプロの写真家たちが撮影した天守の写真が貼られており、「わかくさ堂」前に設置。茶やコーヒーなどの飲み物のほか、双葉荘(松原町)のしょうゆ「うまし」など計約20種類を販売している。飲み物の購入以外に500円と1000円が募金ができる専用ボタンも付いている。
 同社専務の瀧圭介さん(37)は「天守の惨状を見るたびに何かできないかと思っていた。寄付をしたいけど、その方法が分からない市民や観光客の皆さまにも簡単に寄付ができると思い考えました」と話している。自動販売機の設置期間は天守の修復が完成する来年夏頃まで。

近江鉄道 電車の経営困難

 近江鉄道が鉄道部門の経営を単独で続けるのが困難だとして、沿線の5市5町に対応策を求めていることがわかった。
 同社によると、鉄道部門は平成6年度に赤字に転落して以降、23年連続で赤字経営が続いており、昨年度は過去30年で最悪の3億1800万円の営業損益を計上した。
 営業収益自体はここ10年ほど微増傾向にある一方、レールや車両の修理など設備投資が増えており、昨年度の営業費用は過去30年で最多の14億7600万円となっている。同社は設備投資の費用を今後10年で現在の1・5倍になると予想。すでに同社単独での経営再建は困難と判断し、昨年6月から沿線自治体に説明している。同社執行役員の小端努さんは「鉄道がこの地域の中で必要かをみんなで考え、存続に向けた方策を講じてほしい」と話している。
 1㌔あたりの1日の利用人数を指す昨年度の輸送密度は、八日市~近江八幡が4639人と最多で、彦根~高宮の2906人、高宮~八日市の1509人と続き、7路線で平均が1865人だが、米原~彦根が693人、高宮~多賀大社前が583人と1000人以下の区間もある。
 今後は輸送密度の低い区間のバスへの転換や、鉄道部門を第三セクターなどが保有する公有民営方式など対策を考える必要があり、5市5町と近江鉄道による早急な調整が求められる。
 彦根市交通対策課の担当者は「財政的な負担の問題などがあり、今後、どのようにするのかはまだ検討もつかないが、鉄道をやめてもらったら困るというのは5市5町の共通認識だと思う」と話している。

2017年12月27日水曜日

JA東びわこ災害時の保存食として彦根梨カレーを彦愛犬に寄贈

 JA東びわこは災害時の保存食として「彦根梨カレー」を彦愛犬の1市4町に寄贈。15日には木村正利理事長が最初の豊郷町役場を訪れ、伊藤定勉町長に箱詰めを手渡しした。
 1市4町のJAが平成9年4月に合併してから20年が経つため、その記念事業として企画した。彦根梨カレーは幸水と豊水のうち、規格外の梨を使って昨年8月にイベント時の提供用として開発。彦根梨の甘みと香りが漂うおいしさがあるといい、約2年間保存できる。来年にはJA直売所で販売していく。
 今年も1万袋作り、そのうち7000袋を1市4町に寄贈。豊郷町には25箱の1250袋が贈られ、木村理事長から受け取った伊藤町長は「備えあれば憂いなし。災害時の保存食として大変ありがたい」と礼を述べた。
 今後は20日に甲良町(20箱)と彦根市(10箱)、27日に多賀町(25箱)、28日に愛荘町(60箱)に贈られる。

2017年12月18日月曜日

近江鉄道沿線の麺メニュー食べ歩くスタンプラリー ぐるーっと麺めぐり

 近江鉄道沿線の麺メニューを食べ歩くスタンプラリー「ぐるーっと麺めぐり」が今月1日から始まった。
 近江鉄道が米原から貴生川までの沿線にあるラーメン、うどん、そば、焼きそば、パスタなど麺を扱う27店舗と連携して企画。彦犬地区では、ちゃんぽん亭や文久蔵、めんや三平、FUKUMOTO、ローズマリー、一休庵多賀店、寿命そば(多賀)などが対象の店。
 利用者は彦根駅や米原駅など主要駅で1日乗り放題の専用の切符を1000円で購入。一緒にもらえるスタンプカードを持参して各店を巡り、彦根・多賀大社線、湖東近江路線、水口・蒲生野線、万葉あかね線の各ゾーンで1個以上のスタンプ計10個集めると、オリジナルのはしが受け取れる。全27店のスタンプを集めるとオリジナルの丼も。
 イベントは来年2月28日まで。大人1人につき小学生以下1人が無料に。問い合わせは近江鉄道鉄道部☎(22)3303。

2017年12月16日土曜日

築城410年祭から何を得たか

 ある市外の住民「彦根はさまざまなイベントを企画して素晴らしい。我がまちも見習うべきだ」。ある彦根市民「彦根城築城410年祭と同様のイベントを近隣他市が催していたとしても、どれほどの市民が訪れたであろうか」
 ◆小生が耳にした市外住民の声は「隣の芝生が青く見える」とのことわざ通りの感想である。一方の市民の意見は大多数の市民が抱いている率直な思いであろう。小生はいずれも誤りではないと確信しており、築城410年祭推進委員会の小出英樹会長も閉幕式のあいさつで「結果としてできたことと、できなかったことがたくさんあった」と話していた
 ◆「できたこと」とは近年では最多の来場者だった航空自衛隊のブルーインパルスの飛行であり、「できなかったこと」とは(あえてその名を上げないが)斬新過ぎるイベント等を指すのであろう。とどのつまり、「できたこと」と「できなかったこと」の差異は観光客が訪れた点よりも、いかに彦根市民や近隣市町の住民がイベント会場に足を運んだかである
 ◆イベントを企画する際、「市民参加型」を勧める意見が頻繁に聞かれるが、小生は築城410年祭を含めたこれまでのイベントから、ここでいう市民参加型とは、市民が企画に携わるという視点よりも、市民がいかに客として会場に足を運ぶかを重視するべきだと考える。彦根の市民性という観点からも後者の視点に重きを置くのが賢明だ
 ◆小出会長は閉幕式で「築城410年祭で彦根全体にノウハウが身についた」とも語っていたが、その「ノウハウ」を生かすためには、彦根という独特の市民性や、まちの風情に合わしながら、という条件付きが必要になる。【山田貴之】

ひこにゃんと市章をあしらった2種類のマンホールカード作成

 彦根市は、ひこにゃんと市章をあしらった2種類の「マンホールカード」を作成。9日から四番町ダイニングなどで無料配布する。
 マンホールカードは下水道の価値を伝えるため、国や地方公共団体、民間企業などで組織された団体「下水道広報プラットホーム」(GKP)が考案。平成28年4月1日に28自治体で30種類の発行を始めた。全国的にマンホールカードを集めるファンがおり、6弾目となる今回は土日の配布が可能な彦根を含む64自治体が66種類を作成。これにより計252自治体の293種類となる。
 彦根のマンホールカードは、市の花のハナショウブを背景に飛び跳ねるひこにゃんと、回りに橘の花を配した中に市章を金亀の形にあしらった2種類。いずれも実際に市内で使っているマンホールの縮小版(縦8・8㌢×横6・3㌢)で、裏面にはデザインの由来や印刷されている花の説明がされており、QRカードを読み取るとひこにゃんファンクラブや彦根市のサイトにつながる。
 2000枚ずつ作成したが、なくなり次第増刷予定。配布日時はひこにゃんバージョンが四番町ダイニングで午前10時~午後6時、市章のが市下水道建設課か土日のみアルプラザ彦根仮庁舎の宿直室。1人1枚。配布時にアンケートも。

2017年12月14日木曜日

彦根城天守の修復に貢献 新成人のつどい実行委員会メンバーが募金活動

 台風21号の影響で外壁がはがれ落ちた彦根城天守の修復に貢献しようと、来年の「新成人のつどい」の実行委員会メンバーが10日、彦根城博物館前で募金活動をした。
 実行委は新成人として社会に貢献する活動をしようと企画。この日は、実行委員7人のうち男性3人が井伊の赤備えの甲冑姿、女性4人が井伊直虎の衣装を身に着けて、募金箱を手に約3時間、博物館前や表門橋前で観光客らに支援を呼び掛けた。ひこにゃんも博物館前で一緒に募金を手伝い、この日だけで6万8031円集まった。
 実行委員長の山田美和さん(20)=中藪2丁目=は「彦根城は彦根市民の誇り。私たちでできることは何かを考え、修復につながればと思い募金活動を企画しました」と話していた。
 募金箱は来年1月5日までに市教委などの窓口に設置されている。

2017年12月12日火曜日

奉仕活動をするインターアクトクラブ彦根総合高校で結成

 地域での奉仕活動をする「インターアクトクラブ」(IAC)が彦根総合高校の生徒たちで結成。彦根南ロータリークラブ(RC)の呼びかけで実現し、2日に同校で創立総会が開かれた。
 IACは12歳から18歳までの青少年の奉仕団体で、地域に役立つボランティアや海外研修など国際理解の活動をする。全世界では2万2252団体あり、滋賀県内では光泉中・高校と近江八幡のヴォーリズ学園の2団体ある。
 彦根総合高IACは1、2年生37人で結成し、芹川など地域の清掃活動や発展途上国での海外研修などをしていく。彦根南RCのメンバーは指導にあたる。
 創立総会には彦根総合高IACのメンバーや教員、彦根南RCの会員ら計約120人が出席。彦根南RCの高木淳一会長が「同世代と交流を深め、楽しく活動しながら地域に役立つボランティアに参加し、世界についても学んで頂きます」とあいさつ。彦根総合高IACの初代会長で2年生の藤田さらさん(17)と高木会長らが結成書類に調印し、バッジや旗、備品が贈られた。
 彦根総合高を運営する松風学園の松本隆理事長は「私も彦根南RCのメンバーだが、メンバーとのつながりがあるからこそこの学校がある。彦根南RCの最後の仕事として一生懸命務めたい」と述べ、橋本修校長は「生徒たちには他人の役に立つことに喜びを感じ、真の生きがいを発見してほしい。IACの活動から自分の可能性を広げることもできるだろう」とあいさつした。
 彦根総合高IAC会長の藤田さんは「自分の人間形成に役立つと思って結成した。奉仕の精神を持って、色んな社会貢献の活動をしたい」と抱負を語った。

2017年12月8日金曜日

歳末特別警戒パトロールの出動式 彦根出身のJリーガー・岩崎悠人選手=京都サンガFC=が一日警察署長

 歳末特別警戒パトロールの出動式が1日、彦根署の駐車場であり、彦根出身のJリーガー・岩崎悠人選手(19)=京都サンガFC=が一日警察署長として参加した。
 県警は年末年始に金融機関やコンビニなどを狙った強盗事件、飲酒による暴力や交通事故が多発することを懸念し、毎年、12月1日から警察活動を強化している。
 彦根署での出動式には署員や彦根・犬上の首長ら約50人が参加。熊谷浩一署長が「犯罪と交通事故の抑止に向けて総力を結集して警戒にあたりたい。市民の皆さんが笑顔で新年を迎えられるように努めたい」と訓示。来賓を代表し大久保貴市長は「共々に健やかな新年を迎えることができるよう、歳末警戒の任務が遂行されることを心から祈念している」とあいさつした。
 「一日警察署長」のタスキをかけた岩崎選手は「体調に気をつけながらパトロールしてください」と激励。熊谷署長や大久保市長らと一緒に署員の服装や車両の点検をし、彦根署長にサッカーボールをキックして渡した後、出動していく車両を見送った。

彦根バッティングセンター今月30日に閉店

 彦根バッティングセンター(地蔵町)=写真=が今月30日に閉店することがわかった。市内唯一で、室内練習やフットサルができるトレーニングフィールドもあっただけに利用者からは残念がる声があがっている。
 同センターは平成22年9月に彦根相互トラックが隣接する約3300平方㍍の敷地を整備してオープン。球速が異なる軟式6打席、硬式2打席のコーナーがあるほか、奥の人工芝のフットサルコートでは野球の室内練習場としても利用されている。
 ただ同社によると、利用客は平日の夜か土日・祝日が大半で、平日の昼間の利用が少なかったという。佐竹穂(みのる)代表取締役会長(70)は「経営上、採算が合わない事業は撤退して、新しい取り組みをせざるを得ない」と話していた。閉店後は自動車の整備工場になる予定。
 同センターは彦根東高校野球部も練習場として活用しており、同部の松林基之部長は「部員が使っているバッティングセンターが無くなるのは残念だが、仕方ない。代わりをどこにするかはまだ決めていない」と話していた。
 同センターでは閉鎖する前日の29日午後1時~彦根バッティングセンター杯フットボール大会を開催。8チームを募集している。参加費は1チーム8000円。問い合わせは同センター☎(26)7595。

2017年12月5日火曜日

彦根市の情報を手軽に入手できるアプリ・ひこまち作成

 彦根市はスマートフォンなどで市の情報を手軽に入手できるためのアプリ「ひこまち」を作成し、1日からリリースを開始した。県内では初の試みだという。
 アプリには「ごみ」「防災」「防犯」「子育て」「観光」「広報ひこね」などの項目があり、アップストアやグーグルプレイから無料でダウンロードできる。
 「ごみ」の場合、住んでいる地域を登録すると、約500種類のごみの分別がわかる辞典の閲覧や各種ごみの収集日の確認ができるほか、ごみ出しの日に通知を受け取ることができる。「観光」では市内で開催されるイベント情報が把握でき、「子育て」では母親同士が交流できるイベント・場所などを掲示する。
 「防災」に関してはハザードマップなどに限られており、Jアラートや地震・台風などの情報サイトとの連動はされていないが、市の担当者は「今後は防災面を中心に担当課と調整しながら、機能の拡充を図りたい」としている。アプリの構築費は38万8800円。

2017年12月2日土曜日

井伊直政はなぜ徳川筆頭家臣になれたのか 歴史研究家の野田浩子さん本に

 彦根藩初代藩主の井伊直政はなぜ、徳川家康の筆頭家臣にまで上り詰めることができたのか―。彦根城博物館の学芸員として22年間、直政をはじめ井伊家を研究してきた歴史研究家の野田浩子さん(47)=佐和町=がこのほど、直政の生涯をまとめた本「井伊直政 家康筆頭家臣への軌跡」を発刊。記者発表では小説などで創作された人物像ではない、真の直政像について学術的な視点から解説した。
 直政は15歳で家康に仕えたが、背景には養母の井伊直虎や浜松・龍潭寺の南渓和尚らが出仕させようと考え、家康が鷹狩りに出た際に直政に声をかけて家臣にしたとされている。その説に対し、野田さんは江戸時代前期に大名らが幕府に提出した古文書をまとめた「譜牒(ふちょう)余録」から、近藤康用ら井伊谷三人衆や小野但馬など7人が井伊家の政務を担っていたという記述を新たに確認。彦根城博物館所蔵の「侍中(さむらいじゅう)由緒帳」なども参考に、井伊家の重臣たちが下準備をして直政を家康に出仕させ、出仕以降も直政を支えたことがわかったという。
 また直政は「井伊の赤備え」で知られるように、軍事面での活躍により徳川四天王に上り詰めたとされる。これに対し、野田さんは直政が家康に評価された点として▽井伊家は西遠江の領主で、元々は徳川家よりも名門で、直政はその当主という立場で徳川家に入った▽北条氏との和議交渉の使者を務めたほか、人質だった大政所(豊臣秀吉の母)を警護して気に入られた―という「家柄と交渉能力」を提示。この2点を踏まえて、「家康は直政を徳川家を代表する『外交官』にし、大名との親密な関係を築かせて、後の関ヶ原合戦での勝利に導いた」と説明した。
 本は、幼少期から家康への出仕・家康直轄軍の井伊隊の創出までの「戦国武将への飛躍」、大政所の警護・北条を屈服させた小田原の陣・箕輪城主の「豊臣政権下での直政」、秀吉没後の危うい政局・家康の名代を務めた関ヶ原合戦・戦後処理・佐和山城主の「八面六臂の活躍をみせた関ヶ原合戦」の3部で構成。
 野田さんは「これまでは小説や逸話で創作の世界に基づいて語られることが多かったが、確実な史料に基づいて、なぜ徳川家の筆頭家老になったのかなど、直政像についてこの本で答えを出せたと思う」と話していた。
 本は戎光祥出版(東京都千代田区)の中世武士選書第39巻として刊行。1冊2700円。234ページ。
 ※【野田浩子】京都市出身。平成7年、立命館大学大学院文学研究科博士課程前期修了後、彦根城博物館学芸員となり、今年3月まで務めた。現在はフリーの歴史研究家として彦根の歴史を研究しており、執筆や講演活動をしている。