2020年4月30日木曜日

給食の食材活用し生活困窮者や母子家庭に弁当や食材の残り無料配布

 彦根市社協は、新型コロナウイルスの感染拡大防止の影響に伴う学校の臨時休校で使われなくなった給食の食材を活用し、生活困窮者や母子家庭などの世帯向けに弁当や食材の残りを無料で配布している。
 休業要請に伴って収入がなくなるなど経済的に困窮している世帯が出ているため、「あったかごはんプロジェクト」と題して、市給食センターで残った食材を使って市内の協力店が作った弁当や冷凍・冷蔵の残りの食材を提供している。
 日時と場所は祝日を除く月~土曜の午前11時から午後2時まで市男女共同参画センター・ウィズの軽運動室(火曜のみ市社協事務所)。市社協職員やフードバンクひこねのボランティアらが配布する。本紙が取材に訪れた25日はイワシ10個入りやサケの切り身5切れのフライの冷凍、弁当が配られていた。
 弁当約50人分、食材約30人分を用意。問い合わせは市社協☎(22)2821。

2020年4月29日水曜日

桃栗柿屋マスク1万枚を彦根市に贈呈

 建築業の桃栗柿屋(彦根店・長曽根南町)はマスク1万枚を彦根市に提供。23日に市役所仮庁舎で贈呈式があった。
 新型コロナウイルスの感染が国内で拡大し始めた先月、野々村新治社長(50)が本店の東近江市、支店がある彦根市と長浜市にマスクを寄贈しようと、知人に依頼して中国からマスクを入手。今月8日に東近江市へ2万枚、21日に長浜市へ1万枚を贈った。
 大久保貴市長にマスクを渡した野々村社長は「緊急時には適切な支援が必要と考え、足りないマスクを贈ることにした。お年寄りや障害者の方たちに使ってほしい」と話した。市は市立病院や市内の福祉施設、小中学校などで活用する予定。

湘潭からマスク届く
 彦根市の友好都市、中国湖南省の湘潭市からマスク2万枚と非接触型の体温計100本が彦根市に送られ、その第一便が21日に到着した。
1月31日に彦根から湘潭へマスク1万枚を送付。先月27日に湘潭から提供の申し入れがあり、マスク1万2000枚と体温計20本が届いた。残りは通関手続きの終了後に到着する予定。マスクは小中学校、福祉施設、市立病院、医師会に、体温計は幼稚園・保育所、小中学校、市立病院にそれぞれ配布される。

松風会もマスク贈る
 社会福祉法人松風会 花しょうぶの郷(彦根市稲枝町)は21日、マスク3000枚を彦根市に贈った。

2020年4月20日月曜日

タッチレス・混雑度表示・空気清浄のエレベーター開発、フジテック開発

 フジテック(本社・彦根市宮田町)は、手をかざすだけで操作できるタッチレスやかご内の混雑具合がわかる機能などを搭載したエレベーターを開発。エレベーターが新型コロナウイルスの集団感染の原因にもなっているため、同社では「快適で安全な移動空間を提供できる」としている。 
 同社製のエレベーター「エクシオール」のフルモデルチェンジ製品。エレベーター専用のクーラー、定格速度分速120㍍、8・4㌅大型液晶モニターをはじめ、機能や性能、デザインを充実させた。4月1日発売。
 主な機能のうち、タッチレスは赤外線ビーム式のセンサーを搭載した操作盤に、利用者が手をかざすだけで呼び登録と行き先登録ができる。従来のようにボタンを触る必要がないため、衛生的でスピーディーに操作できる。一般的な場所のほか、食品工場や病院、研究機関などに最適だ。
 混雑度表示は、各階の乗り場でかご内に何人ほど乗車しているかが5段階表示で把握できる機能。「利用者が多く、密集しているから見送ろう」「降りてくる人たちに備えて、ドアの脇に立とう」などの判断が事前にできる。

新型コロナ対策も
「安心の移動空間」
 プラズマクラスターイオン発生装置はシャープの技術を活用し、プラズマクラスターイオンの放出によりエレベーター内の空気の汚れを浄化できるという機器。乗り場やかご内のボタンには抗菌性樹脂を練り込んでおり、細菌の増殖を抑制する抗菌ボタンを採用している。かご内の8・4㌅の大型液晶モニターでは時事通信社の政治、経済、社会、スポーツなど6ジャンルのニュースや日本気象協会の天気予報を提供する。
 岐阜市内ではビルのエレベーターが原因とみられる新型コロナウイルスの集団感染が発生している。フジテックの広報担当者は「非接触や抗菌ボタンの機能のほか、ソーシャルディスタンス(他者との距離が確保できる)にも配慮した製品で、安心できる移動空間が提供できる」としている。


2020年4月16日木曜日

デリバリー・テイクアウト・仕出しの専門サイト開設3市4町分

 新型コロナウイルスの感染拡大の自粛モードにより、打撃を受けている飲食店の支援などを目的に、彦根市中央町の一般社団法人近江ツーリズムボード(OTB)は14日、デリバリーなどができる店を紹介した専用サイト「おうち外食応援団」を開設。掲載する飲食店も随時募集している。
 同団体内の7者で組織した美食研究会が彦愛犬、近江八幡市、米原市でテイクアウトやデリバリー、仕出しをしている事業者の支援と外食を控えている各家庭の食事の際に活用してもらおうと、専用のサイトを立ち上げた。アドレスは(http://japan.oh-mi.org/app)で、第一弾として10店のメニューなどを掲載しており、随時加えていく。
掲載する3市4町の飲食店を募集しており、同団体の会員以外でも無料でアップする。同団体美食研究会の上川悟史委員長(45)は「地域の事業者の事業継続や食卓を囲む市民の皆さんが少しでも明るい気持ちになって頂けたら幸いです」と話している。問い合わせは同団体☎(22)5580。

2020年4月15日水曜日

コロナ感染者の重点医療機関に指定 彦根市立病院 病床確保し体制強化へ

 滋賀県は7日、新型コロナウイルスの感染者の急増に備えて、県内の医療機関の関係者を集めた対策協議会を初めて開き、彦根市立病院と県立総合病院(守山市)を重点医療機関に指定し、5月上旬までに2院で合わせて約100床の病床を確保する意向を示した。
 県内には感染者が入院する感染症指定医療機関が彦根市立病院を含めて7カ所あり、34床(うち彦根市立病院4床)の病床があるが、8日時点で23人が入院している。
 県の試算では、感染のピーク時に入院が必要な感染者が7700人、うち重症者が約2000人に上るという。県は感染による入院患者が34人を超える場合に備えて、彦根市立病院と県立総合病院に病床の確保を要請した。

人口呼吸器や防護服
提供支援へ県と協議
 彦根市立病院では二重扉で感染者を隔離できる感染症病床などを活用する予定。感染制御医師5人、専従の感染管理認定看護師2人などの体制で、担当者は「チームを組んで今後も院内感染の防止に万全の対策を講じていく。県と連携して感染症指定医療機関としての機能を強化したい」としている。今後は人工呼吸器や防護服など物資の提供の支援について県と調整していく。
県は今後の状況を見ながら、5月中に公立病院でさらに250床、6月中に民間の医療機関にも協力を依頼して1600床を確保し、重症患者を受け入れる体制を整える計画。

2020年4月9日木曜日

マスクの製造 経産省がひこね繊維協同組合に依頼

 安倍晋三首相が全国の全世帯に布マスク2枚を配布する意向を示したことを受け、経済産業省の職員が3日、彦根市役所仮庁舎を訪問。大久保貴市長を交えて、ひこね繊維協同組合に布マスクの製造を依頼したことがわかった。
 首相は今月1日の新型コロナウイルス感染症対策本部の会議で、全国5000万以上の全世帯に布マスクを2枚ずつ配布する方針を公表。また小中学校や高齢者・障害者施設にも必要枚数を配る考えを示した。
 相当な数のマスクの調達が必要となるため、管轄する経産省は全国の繊維業界の産地に職員を派遣し、布マスクの急ピッチでの製造を依頼している。

100万枚4カ所で
ジャパン・アドカ
 ひこね繊維協同組合は、マスクを製造または卸売している業者を含めた加盟事業者12社に国からの要請について報告。応じる業者は10日までに見積もりとサンプル品を国へ提示する。
 同組合の加盟事業者のうち「ジャパン・アドカ」(後三条町)は滋賀彦根新聞の取材に、布マスク100万枚を製造する計画を示した。国からの正式な要請後、協力会社を含めて4カ所の工場を稼働させて約1カ月半で製造する予定だ。同社の佐々木正幸社長は「国難のため利益を得ることができない値段になるが、協力会社を含めてリスクが出ない程度に協力していきたい」と話している。


2020年4月8日水曜日

近江上布のお守り完成 県護国神社

 彦根市尾末町の滋賀県護国神社は4月1日から、大麻(おおあさ)を原料にした近江上布で作ったお守り「おうみの幸せ守り」の授与を開始。3月25日には同神社拝殿で入魂式と機織りなどの実演が行われた。
 神道の世界で大麻など麻は、けがれを祓(はら)う力を持つとされ、神事のお祓い用具や鈴の緒、しめ縄に使用。天皇陛下が大嘗祭でお召しになった衣「麁服(あらたえ)」にも使われている。相撲で横綱が土俵入りする際の化粧まわしも大麻で作られている。
 近江上布はその前身の高宮布(※)が江戸時代、幕府に献上されるほど全国に流通。現在は大麻を原料に愛荘町や東近江市で麻布が生産されている。滋賀県護国神社では日本文化とつながりがある麻製のお守りを作ろうと、近江上布伝統産業会館(愛荘町)に依頼。同会館の非常勤職員で、大麻の繊維を裂いて繋いでいく苧績(おう)みの職人・近藤美和さん(51)=西今町=と、機織りの職人・山口礼子さん(45)=長浜市=が製作を担当した。
 完成したお守りは縦6・5㌢×横3・5㌢。麻の持つ力でけがれを祓い、天に向かって真っすぐ伸びる麻のように自分の才能を発揮してもらおうとの願いを込めているという。名称には苧績みと近江にちなんで「おうみ」を入れた。1個1600円。
 25日には山本大司禰宜(ねぎ)(43)がお守りに「入魂」した後、近藤さんと山口さんによる苧績みと機織りの実演が行われた。山本禰宜は「麻の本来の美しさがわかるお守りができました。近江上布のすばらしさと、日本の麻文化を見つめ直すきっかけにもなれば」と話していた。
 ※【高宮布】
湖東地域は室町時代から麻織物の産地として全国的に知られ、江戸時代には彦根藩が統制して幕府にも献上していた。高宮は近江商人が全国に流通させる拠点地で、その麻織物は高宮布として人気だった。
江戸時代は越後緬、奈良晒、薩摩上布と並び近世四大麻布の一つで、高宮布は唯一、大麻を原料に現在の愛荘町や東近江市などの地で生産され、高宮宿で販売されていた。
しかし明治時代になると、藩の後ろだてがなくなった上、産業構造の変化の影響もあり、麻織物は衰退した。その後、生産拠点が旧愛知郡や旧神崎郡に移り、昭和52年(1977年)に近江上布として国の伝統的工芸品に指定された。

2020年4月6日月曜日

中堀沿い「景観配慮欠く」批判受け規制方法改める

 彦根キャッスルリゾート&スパ前の中堀沿いに彦根市が張った規制線に対し、インターネット上で「景観を損なう」などの批判が相次いだことを受け、市は景観に配慮した規制に改めた(1日付に関連記事)。
 この場所は毎年、花見シーズンになると観光客や市民でごった返し、車と来場者のトラブルも起こっている。このため市観光企画課は「事故が起こる前に対策が必要だ」として、3月27日に堀沿い約30㍍に「座り込み禁止」「三脚禁止」「車に注意」の札を多数掲げた規制線を設けた。
 しかしこの模様がネット上にアップされると批判や指摘の声が多数あがったため、市は札を数枚に減らし、竹を活用した規制措置に改めた。変更した理由について市の担当者は「ネット上でのさまざまな意見を踏まえて、景観に配慮した形に改めた」と述べた。
(メモ帳)
 この場所は毎年、花見客やカメラマンでごった返す場所であり、危険箇所である。小生は数年前、近くを通り過ぎた軽自動車にイラついた中年男性がその車の後部を殴る姿を目撃。そのまま中年男性が逃走したため、警察の捜査に協力したこともあった。そのため市が規制する姿勢は理解できる。
 問題はその方策である。「禁止」「禁止」「禁止」「禁止」…と規制の札を何枚も掲げる対策は前時代的であり、市の美的センスやおもてなし精神の欠如の表れである。ネット上での「(市職員の)品位、品格を疑う」「市の行為は見苦しい」は極めて正しい指摘であり、そのような品位を欠く感覚・感性の職員が市の観光を担っているのかと思うと、情けなく、かつ恥ずかしい限りである。
 ネット上での批判や小生の指摘を受け、市は「景観に配慮した」方法の規制措置に改めたが、担当課の職員が市の観光業の振興を少しでも本気で考えているのならば、今回の惨状に対し猛省し、改心するべきである。(山田)

2020年4月2日木曜日

光陽展で小田柿寿郎さんの油絵が文部科学大臣賞

 全国組織の美術公募団体の光陽会は、4月2日から東京都美術館で開催する光陽展の入賞作品を発表。そのうち彦根市河原1丁目の小田柿寿郎さん(72)=写真=の油絵が文部科学大臣賞を受賞した。
  最高位の光陽会賞に次ぐ文科大臣賞を受賞した小田柿さんの作品テーマは「冬の里」。小田柿さんは日夏町出身で、荒神山を背景に雪が積もった日夏や清崎に広がる田んぼを描いた。昨年12月から創作に取りかかり、約3カ月かけて完成させた100号の大作。
「幼少期遊んだ場」
出身地の日夏周辺
 題材にした田んぼについて、小田柿さんは「幼少期に走り回ったり、寝転んだりした遊びのフィールードだ」「昔の日夏はとてものどかな雰囲気があふれていた。思い出深い場所を懐かしみながら描いた」と説明。受賞の報告が届いた際は「とても感激した。故郷をいつくしむ気持ちが審査委員に伝わったのでは」と笑顔で語った。
 光陽展は油彩、水彩、版画などの分野で全国各地の会員から応募のあった絵画作品を毎年この時期に展示。68回目の今年は4月8日まで東京都美術館で開催される。5月12日~17日に広島県立美術館で、8月11日~16日に京都市美術館で準本展がある。
滋賀県内の入選者のうち小田柿さん以外の彦犬地区の受賞者は以下の皆さん。▽会友奨励賞=上村豊子(豊郷町)▽小品努力賞=松林憲一(平田町)。