彦根城博物館はテーマ展「近代の書聖・日下部鳴鶴」を開いている。ギャラリートークは21日午後2時~。
鳴鶴は天保9年(1838)に彦根藩士・田中惣右衛門の次男として生まれ、その後、同じ彦根藩士の日下部家の養子になった。明治時代には太政官大書記官を務めたが、大久保利通暗殺後の明治12年(1879)には退官した。
翌年に、鳴鶴が書家としての道を進むきっかけになる人物で来日していた清国公使の楊守敬(ようしゅけい)に出会い、巌谷(いわや)一六や松田雪柯(せっか)らを誘って、守敬のもとに4年間通い、中国の漢魏六朝時代を中心にした書体を学んだ。その後、鳴鶴は近代随一とまで言われる書道界の第一人者に上りつめ、多くの書家を輩出した。
テーマ展では、鳴鶴82歳時の写真、書を学ぶ前の21歳の時に彦根藩士・宇津木文之進に宛てた書状、退官した翌年の43歳の時に揮ごうした「書譜(しょふ)」、木を薄く削ってはいだ板(=こけら)に写経され鳴鶴が収集した鎌倉時代の「柿(こけら)経」、楊守敬が鳴鶴のために書いた七言詩書扇面など43点を展示。6月21日まで、午前8時半~午後5時。高校生以上500円、小中生250円だが、市内大学生以下や高齢者などは証明書提示で無料に。
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