1日付けで多賀大社の十六代目宮司に就任した※木村光伸さん(67)=多賀町多賀=に、滋賀彦根新聞社がインタビューした。
多賀出身の木村宮司は子どものころ、多賀大社の境内が遊び場で、敷地内の森の中や近くの太田川でも遊んだ。「身近だった多賀大社の宮司に就任できたことに何か縁を感じるし、思いもひとしおでうれしい」と話す。
昭和55年に多賀大社に奉職した後は三代の宮司に仕えた。平成18年にはナンバー2にあたる権(ごん)宮司に就任し、前任の中野幸彦名誉宮司(74)を支えてきた。平成19年10月には3年間かけて行われた11棟の改築工事「平成の大造営」の奉賛会理事長も務めた。「中野前宮司は大造営に尽力され、大きな功績を残された」「私も奉賛会理事長として寄付金集めに苦労した」と権宮司時代の思い出を振り返った。
宮司としての抱負については「多賀大社を滋賀県民や崇敬者の心のより所にしたい」「『何かあれば多賀大社へ』と思っていただけるような心温まる神社にしたい」と柔和な表情を見せた。十数件の文化財も所有、「宮司の役割がそれらを守ることであり、次の宮司につなげるリレー走者の一人」と話した。
趣味は洋画や俳句、釣りで、洋画については彦根市展で特選に入る腕前だという。座右の銘は「初心忘れず」。「歳をとるとどうしても傲慢になるが、初心のころの気持ちをいつまでも持つよう心がけたい」と意気込みを語った。
【木村光伸】昭和19年3月23日に多賀大社の神札の配付を家業とする家に生まれる。多賀中、彦根東高、國學院大学文学部卒業後、生國魂(いくたま)神社(大阪)に入り、彌彦神社(新潟)を経て、昭和55年に多賀大社へ。平成10年に禰宜(ねぎ)、同18年に権宮司。県神社庁理事、神道政治連盟県本部長、日本会議滋賀理事長なども務めている。
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