原爆の傷が残る「被爆ピアノ」によるチャリティーコンサートが31日、日本基督教団彦根教会で開かれ、約100人が教会内に響く優しい音色に聞き惚れていた。
国連平和デー被爆ピアノ平和コンサート実行委員会(事務局・神戸市)主催で、所有者の松葉曄子(まつばようこ)さん(85)=仙台市=に昨年2月に借りて以降、各地の教会や寺社などでコンサートを開いており、今月には県内の堅田と水口でもあった。
彦根でのコンサートには、祖父が広島で被爆したピアニスト・佐渡春菜さん(25)=京都府亀岡市=や、飛び入り参加した彦根出身の声楽家・中嶋俊晴さん(25)ら5人が出演。
佐渡さんのベートーヴェンのソロ演奏を皮切りに、東日本大震災後に作られた「しあわせの歌」、「アヴェ・マリア」、「千の風になって」など計15曲がピアノと二胡の演奏や歌で披露された。
被爆ピアノについて演奏後、佐渡さんは「タッチの感じで音が異なる、良い意味で『おばあちゃんピアノ』だった。音楽が好きだった祖父にも届いてくれたのでは」と話していた。
休憩中にピアノを弾いた彦根市須越町の宮川虎太朗君(11)は「原爆で飛ばされたのに今も良い音が出ていることにびっくり。傷も残っていて原爆は恐ろしい」と話していた。
会場では東日本大震災の募金も行われ、実行委では年内に計画している被災地でのコンサート時に義援金として持参する予定。
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