2014年6月3日火曜日

書籍・彦根城 刊行 石垣や遺構など詳細に、世界遺産へ海外に配布

 彦根市教委文化財課は、最新の研究成果を含めて国宝・彦根城について詳しく解説した書籍「彦根城」を刊行。6月1日から販売する。
 これまでにも彦根城についての書物を刊行しているが、書籍「彦根城」では天守や城内の櫓のほか、不足していた視点や最新の研究成果を新たに加筆し「これまでの彦根城についての書物の集大成」のような内容にした。「解説編」と「論文編」の2部構成。解説編は築城の歴史から始まり、天守や櫓、石垣、構造物、彦根藩の御殿、城下町、井伊家、井伊家伝来の美術工芸、古文書などについて実物や関連の写真入りで紹介している。
 論文編は、滋賀県立大学の中井均教授と、彦根城博物館学芸史料課の渡辺恒一課長、野田浩子係長、市彦根城政界遺産推進室の谷口徹氏が執筆を担当。築城や縄張りについて詳細に説明しているほか、石垣については各所の写真や年表を用いながら江戸時代から現代までの修理状況を解説。ほかに表御殿、槻御殿、玄宮園についてもまとめている。
 最終欄では彦根城ガイドブックの英文編も掲載しており、彦根城の世界遺産の登録推進を目指して、イコモスなど海外の関連機関にも配布する予定。
 執筆を担当した谷口氏は「彦根城には建造物のほか、縄張りや堀切など遺構が数多く残っている。本ではその部分を詳しく説明しており、海外への説得材料にもなる」と話している。A4判、全296ページ、オールカラー、上製本の箱入り。1冊3000円。開国記念館、彦根城博物館、歴史民俗資料室、文化財課ホームページで販売している。

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