2014年9月30日火曜日

ひこねプレミアム商品券 発売せず

 1万円で1万1500円分が購入でき、市民に人気があった「ひこねプレミアム商品券」が、今年は発売されないことがわかった。
 彦根商店街振興株式会社(彦根商店街連盟内)が市内商店や大型店舗の振興を目的に、市からの補助1500万円(事務費入れると約1800万円)を受けて平成21年5月から発行を開始。大型店舗でも使用できる全加盟店共通券・5500円分と、中小加盟店専用券・6000円分の1万セット(1億1500円分)が発売されてきた。最初の年度のみ2回で昨年10月26日には6回目が発行され、いずれも発売日に行列ができるほどの人気だった。
 発売しない理由について市商工課は、元々がリーマンショック後の経済対策としての臨時的な取り組みだったとした上で「いつ終了させるかを考えながらやってきた。発売中止を決めた8月までの時点では景気も明るい兆しが見られていた。また市の財政的にも厳しい状況が続いている」と理解を求めている。来年度以降については「消費税が10%になる場合の経済状況を見ながら、同様の商品券を発行するのか、違う形での経済対策を導入するのかを検討していきたい」としている。
 一方で彦根商店街連盟の安澤大輔副会長は「市の支援を受けて発行をしたいのが正直な気持ちで、来年度は再開して頂きたい」と話している。

高校生向け青春フリー定期券、湖国バスが発売

 近江鉄道グループの湖国バスは26日に高校生限定の「青春フリー定期券」を発売した。
 路線バスを利用する高校生を増やしていこうと、彦愛犬1市4町による湖東圏域公共交通活性化協議会が10月1日~来年3月31日の期間限定で試験的に実施。これまでの定期券と比べ、最大で半額程度安くなるほか、利用可能の区間を設けずに彦根・甲良・多賀の各市町が乗り放題になる。
 例えば、3カ月間の定期でこれまでは2万0520円~3万0780円だったのが、1万4250円になる。事務局の市交通対策課では「自家用車や自転車での通学から路線バスでに転換してもらうことで、路線バスの活性化や駅周辺の渋滞解消につながるのでは」としている。販売は彦根駅東口の近江鉄道彦根旅行センターで。

視覚障害者と盲導犬が彦根城内散策、びわこハーネスの会

 滋賀県内の視覚障害者と盲導犬が23日、彦根市内を散策。観光客や市民に啓発チラシを配りながら、盲導犬と共に暮らす社会づくりの大切さをアピールした。
 県内の盲導犬を使用する視覚障害者と支援者によって平成18年8月に設立された「びわこハーネスの会」では毎年1回、会員の交流会を兼ねて県内各地を訪れている。
 今年は視覚障害者8人を含む会員17人と家族ら7人、盲導犬4頭が参加し、彦根駅から尾末町の滋賀県護国神社を経由して彦根城内を見学。
 市教委文化財課の職員の説明を受けながら、玄宮園ではこの日のために用意された天守閣の模型や天守閣の屋根にあった鬼瓦などに触れながら笑顔を見せていた。
 内堀沿いや佐和口多聞櫓を見学した後はホテルサンルートで昼食をとりながら交流を深めていた。
 自身も視覚障害者で同会会長の山野ひろみさん(65)=彦根市西今町=は「参加した皆さんには楽しんで頂けたのでは」と笑顔で話しながら、先日さいたま市で盲導犬が刺される事件が起こったことにふれ「あのような事件が起こったのは非常にショック。仕事をしている盲導犬に触ってはいけないなど、盲導犬に対する理解が少しでも広まればと思う」と話していた。

2014年9月29日月曜日

彦根総合高校のゆるキャラ・ひこっぴー初披露

 彦根総合高校のゆるキャラ「ひこっぴー」が23日、ビバシティで初披露され、来店客の人気を集めていた。
 同校は平成22年2月に彦根鉄砲隊の着ぐるみ「ひこどん」を作って以降、甲良町の「ここらちゃん」、京都府向日市の「ゆるからっきー」、近江鉄道の「がちゃこん」を製作。
 5体目となるひこっぴーは同校のイメージカラーの緑を基調に、肩からかばんをぶら下げたヒヨコ型のキャラ。5月に全校生徒にデザインを募り、選考した中からアートデザイン系列の2、3年生が7月末に完成。名前は2年生の竹谷大河君が命名した案が採用された。
 23日のお披露目会にはほかの4体も応援に駆けつけ、一緒にダンスをして会場を盛り上げていた。ひこっぴーは今後、同校の行事のほか、来月1日の歳末たすけあい運動のオープニングセレモニーなど校外にも登場する予定。
 なおビバシティ1階では28日まで同校を紹介したパネルや生徒たちが作ったドレスなどが展示されている。

100円バス運行開始 彦根・南彦根・河瀬の各駅1㌔以内で

 彦根、南彦根、河瀬の各駅から1㌔以内の停留所までを100円で運行する取り組みが10月1日から期間限定で始まる。
 公共交通の利用促進を目的に湖東圏域公共交通活性化協議会で提案があり、湖国バスが運行する。「ちょっとそこまで買い物などに行きたい」「駅を降りたら雨が降っていた」「荷物が多くなって困った」などという時に利用できる。
 対象の範囲は、彦根駅なら西口方面の彦根郵便局やフレスポ彦根など、南彦根駅なら印刷局やパナソニック前など、河瀬駅なら亀山郵便局前や北河瀬エリアなど。例えば、彦根駅からフレスポ彦根までの所用時間は、徒歩なら約25分かかるが、バスだと約5分だという。
 運行しているバスのうち、彦根駅発と南彦根駅発には、ひこにゃんがラッピングされた車両も1台ずつある。路線やダイヤは既定のもの。料金は中学生以上100円、小学生50円、幼児以下無料だが、1㌔を超えると通常の運賃になる。来年3月31日までの運行だが、市交通対策課は「定着度を見て、来年度以降の継続も検討したい」としている。
 ビバシティ彦根1階で28日午後1時半~交通安全フェアが開催。南彦根ベルロード線で昨年10月23日から運行しているひこにゃんのラッピングバスが展示されるほか、ラッピングバスのペーパークラフト作りも行われる。イベントはほかに白バイ乗車体験、滋賀大オーケストラ演奏会なども。

2014年9月26日金曜日

馬屋 保存修理中の見学受付、11月こけら葺き体験も

 彦根城内にあり、保存修理中の馬屋=重要文化財=の見学会が22日から始まった。
 馬屋は江戸時代中期の元禄年間(1688~1704)に建設され、佐和口門の内側から西へ延び、南へ折れ曲がる構造で、現存部分は延べ約62㍍に及び、内部には21の馬房(馬の部屋)がある。元々は現在の売店あたりの約20㍍先まであったとされるが、明治初めの廃城令の際に壊された。城内に馬屋が残っているのは全国で彦根城のみ。
 昭和43年の解体修理後、屋根のこけら葺きが腐食し、漆喰壁がはがれるなどの損傷が目立っていたため、彦根市は国や県の補助を受けて今年7月15日から修理に入っている。平成28年3月に完成する予定。総事業費は6800万円。来年3月末まで専用通路から自由に見学可。午前9時~午後4時。11月16日には午前10時~・午後1時半~・同3時~工事用の足場からこけら葺きの見学ができるほか、こけら葺きの体験も。無料。問い合わせは市教委文化財課☎(26)5833。

彦根城博物館臨時休館へ

 彦根城博物館は館内の空調設備などを改修するため、10月1日から約8カ月間、臨時休館する。
 同館によると、昭和62年2月11日に開館して以降、これまでは害虫を駆除するくん蒸で約10日間休館することはあったが、今回が最長の休館となる。改修費は約2億円。
 休館の間、能舞台や木造棟など各施設が利用できないほか、所蔵資料の閲覧や貸し出しもできない。

2014年9月24日水曜日

交通事故の被害者向け無料相談会 川地工務店で、ジコサポ彦根

 交通事故の被害者向けの無料相談会が10月12日午後1時~彦根市長曽根南町の川地工務店のモデルハウスで行われる。
 市内の弁護士や柔道整復師らが今年1月に立ち上げたNPO法人交通事故と労災をサポートする会日本(ジコサポ)の滋賀県彦根支部が主催。
 彦根署管内では交通事故による負傷者が昨年だけで1290人おり、交通事故の被害者からは「事故で負ったけがが治らない」「賠償や保険の手続き方法がわからない」などの相談があるといい、より多くの被害者の悩みを聞こうと相談会を企画した。
 対応する専門家と相談内容は、弁護士が事故時の対応、社会保険労務士が示談後の障害年金、柔道整復師が事故後の体のケアと通院、トレーナーが事故後の体の予防、保険アドバイザーが保険内容、工務店が損壊した建物などの修理。当日は各分野の6人の専門家が個別に相談に応じる。
 同支部長の上田永吉さん(31)は「支部のメンバーが増え、交通事故時のさまざまな悩みに対応できるようになりました。多くの皆さまのお役に立てると思います」と話している。定員あり。問い合わせは同支部☎0120(37)7049。

2014年9月22日月曜日

井伊直弼公生誕200年イベント来年開催へ

 彦根藩十三代藩主・井伊直弼公が来年、生誕200年を迎えるため、記念イベントが行われることが決まった。彦根市議会の一般質問で市が明らかにした。
 直弼公は文化12年(1815)10月29日に槻御殿(楽々園)で、十一代藩主・直中公と母のお富の間に14男(19番目)として生まれた。
 市によると、イベント期間や実施主体について検討を進めており、具体的な内容については彦根城築城400年祭や井伊直弼と開国150年祭、今秋開催の全国城サミットin彦根と彦根城フェスと同様、関係団体と実行委員会を組織し、主催事業と市民創意の提案事業を開催。直弼公の功績や人柄を分かりやすい形で全国に発信するイベントを実施したいとしている。

世界遺産「高いレベルで」国体「松原内湖の歴史重視」稲枝駅「平成27年度末完成」

 18日まで行われた市議会一般質問ではほかに、彦根城世界遺産や国体などについて質問が出た。
 世界遺産についてはこれまでの市の協議に対する評価などに、大久保市長は「県との協力体制を強化していく。世界遺産の基準は年々厳しくなっており、より高いレベルが求められている」と答弁。これに対し議員は「高いレベルということは彦根(これまで)の世界遺産の協議はレベルが低かったということか。これまでがんばってきた職員へのねぎらいはあったのか」と質し、市長は「大競争時代で市単独でやるのは大変。今日までの実績はほかに類がないが、大競争時代の中で存在感をアピールするには心もとなかったのは事実」と答えた。また市長は「彦根城に関わる職員を総動員して、普遍的価値の再検討をする。コンセプトを固め、3年後までには確固とした方向性を出せれば」とも述べた。
 世界遺産を目指しながら10年後の国体も成功させる方策について、市は「風致地区のエリア拡大により、国体主会場の区域は競技場を建設する場合、高さが15㍍との規制がある。高さを超えるようであれば、歴史的景観に配慮した計画とした上で、景観審議会に諮問し対応する」「県立大学などの先生からは、地盤改良と並行して建設場所の地盤を下げることや森の中に競技場を隠すことなどがあると助言を受けた」とした。また主会場となる地域はかつて松原内湖があり、彦根城の外堀の一環や御殿があったことについて、市は「世界遺産のために、松原内湖の歴史的景観や移り変わりへの配慮が必要。都市公園としての整備の中で、松原内湖をほうふつさせる船着き場や州浜、あしなどを考慮したい」とした。
 稲枝駅整備について市は、自由通路と駅舎が平成27年度末に完成するとした上で、仮駅舎が今年10月に完了し、11月中旬に旧駅舎から仮駅舎へ切り替えた後、年内に旧駅舎を解体し、自由通路と新駅舎の工事に入るとした。

モビリティマネジメント授業 城東小で

 マイカー依存から路線バスや鉄道などの利用促進へシフトさせるための取り組み「モビリティマネジメント」の授業がこのほど、彦根市立城東小学校で行われた。
 城東小では毎年、2年生を対象に鉄道の利用を促すために同様の授業をしているが、今年は路線バスについても学習。今月2日には児童66人が近江鉄道ミュージアムで学び、この日は市交通対策課の職員から路線バスのバス停の位置や乗車時のマナーを聞いた後、湖国バスの運転手・徳田美智子さん(60)が事前に児童から寄せられていた乗客数や座席数などの質問に回答していた。
 その後、児童たちは体育館に敷かれたブルーシートをバスに見立て、徳田さんが運転手役を務める中、乗降や運賃の支払いの仕方を練習していた。児童たちは「バスのことを色々知れて良かった」などと話していた。

2014年9月18日木曜日

柘榴坂の仇討 滋賀県先行公開始まる、中井貴一さん舞台挨拶

 彦根藩士をえがいた映画「柘榴坂(ざくろざか)の仇討」の滋賀県先行公開が13日から始まり、初日にはビバシティシネマなどで主演の中井貴一さんと若松節朗監督を招いた舞台挨拶が行われた。
 中井さんらは満席となった劇場入口から入場し、約190人の観客の歓声と拍手を受けながら登壇。映画のPRのため8月から3回、彦根に訪れていることを明かし「昨日、彦根に着いた時は『帰ってきた』と思った」と笑いを誘いながら「(映画で演じる)志村金吾のような精神が日本人の心の中にある。そういう日本人なら国際社会でも通用できるはず。中高生の皆さんもこういう心があるんだよということに気づいてくれるだろう。金吾を演じて勉強させられた」と話した。
 若松監督は「とても静かな映画で、現代の日本人に足りない部分を表した。日本人の皆さんに見てもらいたい映画になっている」とPRした。舞台あいさつ後にひこにゃんが登場すると、中井さんも笑顔になり、一緒にフォトセッションにのぞんでいた。ビバシティシネマでは1カ月以上、上映される。

2014年9月16日火曜日

金亀体操で健康長寿延ばそう ロコモ予防も

 健やかで心豊かに暮らせるまちを目指して彦根市が策定した「ひこね元気計画21」の第2次が今年度から始まっており、市は「コツコツ続ける金亀(根気)体操」(以下、金亀体操)の出前講座の開講やワンコイン(500円)のがん健診を呼びかけている。
 元気計画21は平成16年度から10年間実施され、今年度からの第2次では「市民の健康寿命の延伸」と「地域と人を育む食の推進」を盛り込み、5年計画で行う。そのうち、彦根市民の平均寿命と健康な状態で生活できる期間を指す健康寿命は、滋賀県が示した最近のデータによると、男性が81・05歳と79・43歳でその差が1・62歳、女性が86・78歳と83・43で差が3・38歳となっている。
 市はこの「不健康な期間」を短くするため、元気計画21の第2次では、市民の死因の6割を占める生活習慣病の発症と重症化の予防徹底を施策の柱に位置づけ、平成35年度までに▽がん検診の受診率を25%以上(現在14・6%)▽がんで亡くなる人を50%以下(同63・1%)▽骨・関節・筋肉などが弱くなって介護の危険性が高くなった状態・ロコモティブシンドローム(ロコモ)の認知度を80%(同15・1%)―にすることなどを目標にしている。
 健康寿命を延ばすためやロコモ防止の主な取り組みとして、市は今年度から胃、大腸、乳、子宮頸がんの健診を500円でできるサービスを導入。また、湖東地域リハビリ推進センター(くすのきセンター内)の作業療法士・金子明美さんと市立病院の理学療法士・藤井淑子さんが考案し平成23年度から取り組んでいる金亀体操は市民の間で広がりを見せている。
 そのうち金亀体操は、筋肉をほぐすストレッチや筋力低下を予防するトレーニングを中心に、心臓・肺の機能を高める有酸素運動を取り入れた気軽にできる30分ほどの動作。市内では自治会やサロンなど31グループが導入しており、体験者からは「足がつらなくなった」「足腰が丈夫になった」「血圧が下がった」などの声があがっているという。各地域での金亀体操の出前講座は無料。問い合わせは市健康推進課☎(24)0816。
 彦根市は18日~平田町の福祉センター2階で、金亀体操をほかの市民に教える立場の介護予防運動指導員の養成講座を行う。対象は地域の5人以上の団体に属する市民。毎週木曜午後1時半~、11月13日まで計9回の講座がある。受講無料。申し込みは16日までに市健康推進課へ☎かファクス(24)5870。

2014年9月13日土曜日

彦根西高の前身・彦根高等女学校の昭和14〜18年の生徒の絵画見つかる

 県立彦根西高校(※)の前身にあたる県立彦根高等女学校時代の絵画やデザイン画が西高内で発見され、9日にマスコミに公開。翌日以降、本人や当時の生徒たちが見学に訪れている。
 見つかったのは、昭和14年~同18年に在籍していた生徒たちが1枚24㌢×32㌢(一部その半分も)の紙に描いた水彩画や衣服などデザイン画の計104枚。こけしや当時の台所、建物などのほか、戦闘機や「祝三国同盟」「興亜へ総力」の文字など戦時中を思い起こさせる絵もある。1㍍80㌢×90㌢の掛け軸型の紙9枚に年代別に貼られ、名前やクラスが明記されており、掛け軸型の紙の裏面には県展などに出品したことがわかる文言が記されている。
 西高の美術部顧問が今年初めに美術室の倉庫を整理中に発見。新年度に引き継いだ別の顧問が今月4、5日に校内で行われた文化祭で展示したところ、話題を呼んだため公開した。11日には新聞で知ったという昭和18年に卒業した塚本多美さん(89)=稲枝町=が西高を訪問。同級生たちの作品を見ながら「一緒に電車で通学した友人たちの作品です。当時を思い出します」と話していた。
 猪田章嗣校長(52)は「展示ができる場所があれば、公開したい。ご本人や家族からの要望があれば、返したい」としている。問い合わせは西高☎(22)4890。
 ※【彦根西高】明治19年(1886)に女学校として創立。翌年・淡海女学校、24年・町立彦根女学校、28年・彦根町立高等女学校、35年・滋賀県県立彦根高等女学校、41年・滋賀県立彦根高等女学校と変遷。昭和23年(1948)に滋賀県立彦根西高校となった。来年度に創立130年を迎える。

2014年9月11日木曜日

算数オリンピックで長尾賞の小出慶介君、漢検でも準1級

 算数オリンピック大会の1~3年生の部門で、最優秀の「長尾賞」を受賞した彦根市立城南小学校3年生で高宮町の小出慶介君(8)に算数の魅力や将来の夢を聞いた。
 算数オリンピックは小学6年、4・5年、1~3年の3部門で、予選が6月15日に全国各地で、本選が7月20日に東京・大阪・福岡の3会場に分かれて開催され、1~3年の部門には約1200人が出場。長尾賞は31歳で昨年早世した数学者・長尾健太郎さんを称えるために今年創設され、表彰式が先月24日に国立オリンピック記念青少年総合センター(東京都)で行われた。
 小出君は予選を満点で突破し、本選も2位の得点で、総得点が並んだ京都の児童と一緒に長尾賞を受賞。算数オリンピックでの問題用紙を記者に見せて解きながら「算数の魅力は解けるとすっきりするところがおもしろい。自然に解き方がひらめいてくる」と解説。本棚には100冊以上の本が並んでおり「たくさんの経験が大事だと思います」と述べた。
 インタビューの合間には「無限バスって知っています?」などと記者に問題を出してきて、紙に図面を記しながら答えを教えてくれた。学校でも「小出塾」という勉強会があり、授業後にはほかの児童に教えているといい「塾生は6人います。将来は小学生の先生になりたい」と笑顔で語った。
 父親の竜介さん(37)によると、(慶介君は)園児のころにすでに漢字が読めたと言い、5歳で漢字検定7級を合格し、今年7月には準1級も合格。漢字が読めるようになったことで、算数などの本にはまり、アニメや漫画を見るように、さまざまな分野の本を読むようになったという。竜介さんは「楽しいと思うことを好きなだけやってくれたらいい。色んな事をがんばって、身につけてくれたら」と話していた。(聞き手・山田貴之)

彦根市史現代発刊へ協議大詰め、10月1日6回目の民事調停

 新修彦根市史・通史編現代の発刊を巡り、彦根市側と執筆者側が対立している問題で、5回目の民事調停が5日に彦根簡易裁判所であり、終了後に両者が記者会見を行った。
 前回調停後の8月12日~28日に両者で計5回の実務者協議を行い、5日の調停では市が提示した修正部分の字句46カ所、内容68カ所のうち、編集方針などの「凡例(はんれい)文」を除く部分で合意した。
 凡例文については、執筆者側が6月の調停で示した文案に対し、市から①平成22年1月末に市史編集委員会から市に提出された原稿について、市と執筆者が協議を重ねて、歴史的事実の誤りなどがないように努力した②本書の内容は各執筆者の研究成果をもとに示した一つの見解であり、異なる見解を排するものではない③本書の執筆内容は巻末の一覧通りであり、内容上の責任は各執筆者が負う―という内容で提案があった。
 これに対し執筆者側は、①は受け入れるとした上で、②については「通史編のほかの巻には無い記述を入れるのは不自然」、③については「市側の要望で修正しているのに市がまったく責任を負わないのはおかしい」などと反論。
 市側も、②については「ほかの巻と異なり、文中に出る関係者が存命しているため、ほかとは違う配慮が必要」、③については「発刊の責任は市にあるが、原稿の著作権があるのは執筆者であり、その責任を負うのは当然」などと主張。
 結局、今月24日までに市側が執筆者側に凡例文を再提示し、10月1日に両者で6回目の民事調停を行うことになった。また凡例文の再提示の際には、大久保市長による巻頭言の文案も提示される。
 執筆者側代表の上野輝将・元神戸女学院大教授は「大久保市長が今、どのようなお考えなのか、意見交換がしたい」と話していた。

2014年9月9日火曜日

彦根JOYジュニアオーケストラの20周年記念コンサート

 滋賀県内の子どもたちによる「彦根JOYジュニアオーケストラ」が、13日午後3時~文化プラザで開く結成20周年記念コンサートに向けて最後の練習を行っている。
 同団体は平成6年4月にヴァイオリンの8人でスタート。数年ごとの自主コンサートや彦根市民音楽祭、びわ湖ホールでのびわ湖アートフェスティバルなどに参加しており、現在のメンバーは彦根など湖東を中心にした小学生~大学生の15人。
 自主コンサートは、同団体の元メンバーらによる若手音楽家グループ「ゾリステン彦根」の4人の呼びかけで実現し、平成22年以来の10回目。昨年末から文化プラザのリハーサル室で練習をしており、城南小6年生の杉林あすま君(12)は「だいたい弾けるようになってきた。楽しく演奏したいので、多くの方に見に来てほしい」と話していた。
 当日はOBやOGを含めて総勢20人以上が参加し、ヴァイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバス、チェンバロに分かれて、バッハの「ブランデンブルク協奏曲」やヴィヴァルディの「4つのヴァイオリンとチェロのための協奏曲」などを演奏する。午後2時半~はロビーコンサートも。
 入場料は大学生以上800円、高校生以下500円。問い合わせは澤純子さん☎0749(24)4125。

2014年9月6日土曜日

広末涼子さん・中井貴一さん舞台挨拶 柘榴坂の仇討で

 彦根藩士をえがいた映画「柘榴坂(ざくろざか)の仇討」の特別先行上映会が2日、文化プラザで行われ、約1400人が来場。上映会後には舞台あいさつも行われ、中井貴一さんと広末涼子さんが作品への思いなどを話した。
 舞台あいさつでは、来場客からの「おかえり~」の声を受けながら、中井さんと広末さんが登場。中井さんは、作品について広末さんから「男の人って死ぬことに美学をおぼえているけれど、残された女はどうしたら良いのか」と言われたエピソードを紹介した上で「女性の気持ちからしたら、その通りかもしれない。この作品は生きることの大切さを伝える映画」と述べた。
 広末さんは「女性が強く、世界に羽ばたき、社会的な地位も与えられている今の時代があるのは、(映画で登場した)せつが金吾を支えてきた姿があったから。理想の女性像を教えてくれた作品に出会えて幸せを感じている」と語った。
 最後に中井さんは「彦根の人口は11万人。彦根ではやらないと、全国の人も見ない。今日、来て頂いている皆さまは私たちと同じ立場にあると思って、宣伝よろしくお願いします」と、笑いを誘いながら映画のPRを依頼していた。
 なお柘榴坂の仇討は13日に滋賀県先行公開、20日に全国公開される。

有村治子参院議員 滋賀初の女性閣僚に

 3日に発足した第2次改造安倍内閣で、滋賀県出身で自民党の参院議員・有村治子氏(43)が新設の女性活躍・行政改革担当相に就任した。滋賀初となる女性閣僚の誕生に、滋賀2区選出の上野賢一郎衆院議員(自民党)は「安倍内閣でも大事なポジションを務めることになる。有村さんは行動力が抜群で、保守としてこの国を立て直すために一生懸命に活動してこられた。大臣として国民の期待に応えてくれる」と話していた。
 有村氏は、女性活躍、行政改革に加え、国家公務員制度、消費者・食品安全、規制改革、少子化対策、男女共同参画―の計7分野を担当する。
 有村氏は旧愛知川町で育ち、近江兄弟社高、国際基督教大学、米国留学を経て、日本マクドナルドへ入社。退職後、平成13年に30歳で参院選比例代表(全国区)に初当選し、以降、同19年と同25年の選挙でも当選した。3期目。
 マタニティマークの普及に奔走する一方、文部科学大臣政務官として教育基本法改正に取り組み、靖国神社参拝も欠かさないなど、保守派として安倍首相の考えにも近い。鉄道会社に勤務する夫との間に子2人をもうけ、政治と子育てにパワフルな毎日を送っている。
 父の國宏氏は元滋賀県議、兄の國俊氏は現職県議、元秘書で弟の国知氏は昨年4月の彦根市長選に立候補するなど、政治家の家系。 

2014年9月5日金曜日

元労働組合彦根支部長の朝倉克己さん著書 近江絹糸『人権争議』の真実

 近江絹糸労働組合の元彦根支部長だった朝倉克己さん(80)=城町2=が、昭和29年に彦根工場で起きた争議をまとめた本「近江絹糸『人権争議』の真実」が発刊された。
 朝倉さんは平成24年夏に、入社から労働争議が起きるまでの5年間をまとめた「近江絹糸『人権争議』はなぜ起きたのか」を刊行。続編となる今回の著書では、朝倉さんの記憶を元に元組合員からの当時の写真を入れながら、彦根工場で争議が始まった昭和29年6月7日から106日間の闘いと、以降の組合の歩みを紹介。当時19歳だった朝倉さんを中心に1200人が会場に集って新しい労働組合を結成してストライキに入った後、政治家やほかの労組の支持を受けながらの会社側との闘争、あっせん案を受諾した9月15日までを日記形式であげている。
 朝倉さんは「私たちが闘った頃よりも、派遣社員が当たり前になった今の時代の方が労働環境は悪いのでは。それに立ち向かう人がおらず、はがゆい思いがある。自分で自分の生活を守れるのだという思いを本に込めた」と話している。
 本はB5判、181ページ。発行はサンライズ出版。1728円。全国の主な書店で販売。

2014年9月4日木曜日

彦根城 夜間開放14日、城フェスと城サミットのパンフレット完成

 10月1日から11月30日まで開催される彦根城フェスと、11月28日から30日までの全国城サミットin彦根のイベント内容を紹介したパンフレットが完成。今月14日には城フェスのプレイベントとして、彦根城が夜間に開放される。
 彦根城の夜間公開は、これまでは大みそかに人数を制限して実施されていたが、城フェスに合わせて「彦根城夜楽(やがく)」と題して開催。表門の入り口が午後6時半に開門され、天守前広場まで登城してライトアップされた天守を間近で見学する。午後10時半まで。無料。天守内への入場はできない。11月29日にも行われる。
 彦根城フェスのパンフは彦根市の情報誌秋冬号として作成され、三つ折りのA4サイズ。期間中に行われる「ひこね甲冑祭」「彦根城夜楽」「ご当地キャラ博in彦根」「ひこねの魅力体験」などのイベントを写真入りで解説しているほか、恒例となっている小江戸彦根の城まつりパレードや甲冑変身体験、玄宮園で虫の音を聞く会、ひこね夢灯路を紹介。9万部作成し、市内観光案内所、彦根城各券売所、市内宿泊施設、滋賀銀行各店などに置いている。
 城サミットのパンフは二つ折りのA4サイズ。元NHK理事待遇アナウンサーの松平定和さんによる「一城一話~彦根城」についての基調講演と、3人の専門家による「世界遺産」「城郭整備」「城や城下町を活かした街づくり」をテーマにした分科会を案内。裏面には5つのコースごとのバスツアーのプランと、30日午後1時~大手前広場で行われる流鏑馬(やぶさめ)などフィナーレイベントの概要を載せている。5000部作成し、市内観光案内所、全国の城管理団体、友好親善・姉妹提携都市などで配布している。

2014年9月3日水曜日

クラシックコンサート「森山良子withOEK」文化プラザで

 文化プラザで10月19日午後3時~クラシックコンサート「森山良子withOEK」が開催される。
 OEKは石川県を本拠地とするオーケストラ・アンサンブル金沢の略称。文化プラザでは指揮者の鈴木織衛氏を招き、第1部では彦根をイメージした「彦根散策」をオーケストラバージョンにアレンジした曲が演奏され、第2部にはゲストで森山良子さんが出演し「小犬のワルツ」「さとうきび畑」「涙そうそう」などを歌う。
 全席指定で1階5500円・2階4500円・学生2500円。当日は500円アップ。チケットは文化プラザ、彦根商工会議所、みずほ文化センターなどで販売。問い合わせは彦根商工会議所☎(22)4551かNPO法人ひこねデザインフォーラム☎(23)3383。

2014年9月1日月曜日

「滋賀県立大学にバルブ学科を」市が提案、学会設立後に正式申請へ

 彦根の三大地場産業の一つ、バルブの更なる振興を図るため、彦根市が八坂町の滋賀県立大学にバルブに関する学科などの設立に向けた提案をしていたことがわかった。27日に市役所で開かれた彦根市経済活性化委員会の冒頭で市が明らかにした。
 市によると、バルブ業界の中央組織に位置する「日本バルブ工業会」(東京都港区)を中心に、バルブに関する学会の設立を目指す動きがあり、同工業会の彦根支部がある滋賀バルブ協同組合(彦根市岡町)が今年7月14日付けで、県立大学にバルブ学科の設置を求める協力依頼書を市に提出。
 これを受けて市は、職員3人が7月18日に県立大学を訪れて学内の事務局に説明。県立大学からは例として▽工学部に機械システム工学科があり、そこでバルブについての科目を設ける▽工学部内に民間企業の寄付で設立されたガラス工学研究センターがあり、同様の手法でバルブに関する研究機関を設置する―ことの提案を受けた。
 市商工課の担当者は「市としてもバルブ業界の振興に貢献したいと考えている。学会が正式に立ち上がり、協同組合などからの要請を受ければ、県立大学に協力を依頼したい」としている。
地場産業の課題報告
 彦根の三大地場産業(仏壇、バルブ、ファンデーション)の振興を目的にした彦根市経済活性化委員会の2回目の会議が27日に市役所で行われ、各業界が抱える課題が報告された。
 市が各業界の企業に訪問した調査報告によると、主な課題として仏壇が後継者問題と営業戦略・販路開拓、バルブが従業員確保と円安問題、ファンデーションが従業員確保・後継者問題があがった。
 国や県、市などに望むこととして、仏壇がイベントの開催支援を含む広報や後継者育成支援、バルブが彦根市民の認知度向上のための地場産業教育など、ファンデーションが市による産品優先使用の意見が多かった。次回は10月22日に開かれる。

ご当地キャラ博in彦根2014 今年は227体

 ご当地キャラ博in彦根実行委員会は27日、10月18、19日に行うイベント内容を発表。7回目の今年は全国各地から両日でキャラ227体が参加する。
 今年は会場スペースの関係からブースの数を制限。参加申し込みの締め切り日の6月15日までに207団体の応募があり、抽選の結果、192団体のキャラが参加することになった。そのうち初参加が60体、彦根からが14体、毎回出場のが8体。熊本県のくまモン(両日)や千葉県船橋市のふなっしー(19日)など人気キャラも登場する。
 例年の夢京橋キャッスルロードと四番町スクエアのほか、花しょうぶ通り商店街にもステージを新設。花しょうぶステージではフリーPR形式で行われるため、普段は見られないご当地キャラの組み合わせが観覧できる。また抽選で漏れたキャラは18日に銀座商店街で行われるもちつき大会や、花しょうぶの会場に参加する。ひこにゃんは両日とも3回、四番町のステージに登場する。
 イベントを手伝うボランティアも継続して9月30日まで募集。問い合わせは実行委事務局☎(22)1130。