2014年11月29日土曜日

国登録・秋口家住宅が移築 鈴木達也さん管理し住居へ

 彦根市芹町の国登録文化財「秋口家住宅洋館」が、市民団体・まち遺産ネットひこねの会員で彦根市職員の鈴木達也さん(28)=大東町=に譲渡され、移築後に鈴木さんの住居として活用されることがわかった。
 同館は大正5年(1916)に歯科医院として建造。施主が職人を神戸の異人館へ連れて行き、建てさせたとされ、外観が洋風になっている。内部は診察室や待合室、技師室などに使われていた跡が残っている。平成23年10月に国の登録有形文化財になった。
 その後、市の診断で耐震性の問題が明らかになったことなどから、所有者が移築と第三者への譲渡を希望。鈴木さんはまち遺産ネットひこねの活動の中で市内の旧城下町や外堀などのマップを作っており、その一環で昨秋に同館を訪れた際、所有者から移築の話を聞き、その後 自身で所有して住むことを決断した。今年10月に文化庁に現状変更の届け出を行い、今月26日に受理する旨の報告を受けた。
 同館では既に解体工事が始まっており、解体後は業者が部材を一時保管し、鈴木さんが契約する予定の近くの土地に移築される。外観はそのままで、内部も建設された約100年前に近づける構造にするという。来年秋に完成する予定。
 鈴木さんは「古い建物に価値を見出して、そこに住む人が増えれば、彦根はもっと魅力的なまちになると思います」と話している。移築後も定期的に開放する。

2014年11月28日金曜日

彦根城フェス閉幕へ、全国城サミット開催

 10月1日に開幕した彦根城フェスは30日に閉幕する。また全国城サミットin彦根が28日~30日まで開催される。
 城フェスの終盤を飾るイベントとして、29日には「ひこね甲冑祭」がある。本陣の四番町スクエアか、夢京橋キャッスルロード、花しょうぶ通り商店街、芹橋2丁目の辻番所の各陣に甲冑姿の武将たちが登場。各エリアでは小学生以下とのじゃんけん大会、大手門での総勢約100人による綱引き、スタンプラリーなどがある。
 また、歩行者を装って突然パフォーマンスをし達成後に解散する「フラッシュモブ」には約50人が参加。今月13日と24日に文化プラザで練習しており、当日は四番町スクエア内で午前11時半~と午後0時半~発表する。
 城サミットでは28日に滋賀大学で元NHKアナウンサーの松平定和さんの講演や分科会、29日に湖東・湖北の城郭を巡るバスツアーが開催(いずれも募集終了)。
彦根城夜楽2回目
 夜間に彦根城を開放する「彦根城夜楽(やがく)」の2回目が29日午後6時半~行われる。
 彦根城フェスの一環として開催。9月14日の1回目の夜楽には約1800人が来場した。彦根城の夜間公開は、これまでは大みそかに人数を制限して実施されていたのみ。当日は表門の入り口が午後6時半に赤備え甲冑隊が集結して登城太鼓が鳴り響く中で開門される。天守前広場まで登ってライトアップされた天守が見学できる。ひこにゃんステージが午後7時~天守前で。懐かしい彦根の姿を石垣などに投影するシアターや甘酒接待、多賀座の和太鼓演舞もある。入場は午後10時まで。無料。天守内への入場はできない。
「流鏑馬」披露へ
 城フェスと城サミットのフィナーレを飾る最終日の30日には大手前保存用地で、馬上から鏑矢(かぶらや)を射る「流鏑馬(やぶさめ)」が開催。午後0時半~彦根弓道連盟によるデモンストレーション、午後1時~祈とうを受けた倭式騎馬會の一行が滋賀県護国神社から会場まで武者行列、午後2時~実演。また午後3時~は当日受付で乗馬体験も(500円)。

琵琶湖一周のろし駅伝、佐和山城趾武将隊も参加

  滋賀県内の中世の城跡をのろしを上げて1周する「琵琶湖一周のろし駅伝」が23日に行われ、彦根市の佐和山城跡ではこの日に彦根城フェスの一環で行われたフィールドワークの出席者らも参加した。
 のろし駅伝は県民有志による実行委員会が平成13年から開催。13回目の今年は36の城跡で開催され、湖南市の三雲城を午前10時にスタート。甲賀、近江八幡、高島、長浜、米原の城跡を巡り、1時間44分後に佐和山城跡でのろしが上げられた。
 佐和山の山頂には、甲冑や姫、忍者姿の佐和山城趾武将隊メンバー4人と、佐和山フィールドワークに参加した約70人が準備。前の磯山でのろしが上げられると、次の山崎山方面に陣取って、武将隊の合図でのろしが上げられた。
 フィールドワークの参加者も、主催者側が用意したホラ貝代わりの竹筒を吹いていた。のろし駅伝は山崎山の次の勝楽寺城跡(甲良町)で終了した。

2014年11月25日火曜日

衆院選、彦根は投票率県下最下位脱出なるか

 衆議院が解散し、総選挙が12月2日公示、14日投開票で行われる。県内の選管でも対応に追われているが、ここ最近の衆院選で彦根市の投票率は県内13市で連続最下位となっており、市選管は投票率向上に向けた準備を急ピッチで進めている。
 衆院選での彦根の投票率は平成24年12月16日が57・29%と県内市町で下から愛荘町に次いで2番目、同21年8月30日が66・41%と豊郷町に次いで下から2番目、同17年9月11日が65・97%と甲良、旧虎姫に次いで下から3番目となっており、市単位ではいずれも最下位。彦根を筆頭に犬上郡や愛荘町の湖東エリアで投票率が低いのも特徴だ。
 市選管では、昨年7月の参院選で彦根の投票率が県内市町で最下位だったことを受け、同年11月に選挙セミナーを開催。また今年7月の滋賀県知事選でも最下位だったため、翌月からは市民団体「誰のまちやねん彦根」に委託してのセミナーを行っており、統一地方選を控えた来年1月に3回目のセミナーを行う予定だった。
 その最中での衆院選に、市選管は投票率アップに向けて、県知事選から取り入れているビバシティ彦根での期日前投票を12月10日~13日に導入する予定。ただ、準備期間が足りなかったため、投票率向上につながるほかの新たな取り組みはされない。市選管の担当者は「何とか最下位脱出を図りたいが・・・」と話しているが、投票率向上には市民が選挙行動を行うしかない。
 なお滋賀2区には、自民党から現職の上野賢一郎氏(49)、民主党から元職の田島一成氏(52)、共産党から新人の中川睦子氏(56)が出馬する予定。

2014年11月21日金曜日

旧豊郷小学校の建設前のフィルム発見

 豊郷町は17日、旧豊郷小学校の建築工事や新築記念の体育会などの様子をまとめたフィルムが発見されたと発表。23日に旧豊郷小で開催される全国アニメ聖地サミットで、立命館大学の学生が調査結果と告知動画の公開を行う。
 同町の職員が今年9月に旧校舎の理科準備室の棚で保管用の缶に入れられた16㍉のフィルム2巻を発見。缶のラベルには「校舎新築工事場実況 新校舎竣工祝賀会実況」「校舎新築記念体育会実況」と記されていたほか、それぞれに「発送者住所氏名」と「発送年月日」も書かれていた。
 撮影から80年近く経過し、劣化が激しかったため、豊郷町は復元に向けて映像研究の実績がある立命館大学に相談。東京光音(東京都狛江市)で復元し、立命館大でデジタルコンテンツを作ることになった。私財を投じて建築にあたった丸紅商店専務の古川鉄治郎や設計を担当したヴォーリズが写っている可能性もあるとして、同町と立命館大学、丸紅などがプロジェクトチームを設立する。
 関連議案を12月町議会に提案。東京光音がフィルムを復元し、立命館大がデジタルコンテンツを作成した後、同町では上映会を開くなどして地域振興に役立てていく。

全国アニメ聖地サミット23日 とよさと軽音楽甲子園24日、旧豊郷小で

 アニメ「けいおん!」のモデル校としても知られる旧豊郷小学校で23日、全国アニメ聖地サミットが開催される。
 サミットでは、大津出身の声優・雪野五月さんが司会を務め、午前10時10分~ポップカルチャーの可能性について研究している北海道大学の山村高淑教授と、聖地巡礼プロデューサーの柿崎俊道さんが講演。午後1時~は各教室で先進事例や大学院生による研究の発表、ファンによるコンテストの分科会と、「滋賀県から羽ばたけクリエーター」についての交流会があるほか、講堂では午後1時45分~立命館大生によるフィルムの調査結果発表も。入場無料。
 また豊郷町商工会は24日午後1時~旧豊郷小学校で「とよさと軽音楽甲子園」を開催する。高校生によるバンドを募集し、4回目で過去最多となる群馬県から兵庫県までの61団体から応募があり、音源審査を経た4団体と10月25日の滋賀県予選を勝ち抜いた県立草津東高校が決勝のステージに進むことになった。当日は1団体が2曲(約25分間)を演奏し、最優秀には文部科学大臣賞が授与される。見学無料。
 旧豊郷小学校2階では30日まで歴史展が開かれている。豊郷出身の実業家・古川義三が昭和3年~同4年に世界30カ国を旅した様子を同5年にまとめた「世界ひとのぞ記」の発刊を記念し、公益財団法人芙蓉会が開催。旧豊郷小の竣工当時の古写真や当時が偲ばれる資料を展示。同著の会場での販売は23・24・30日。1冊2100円。開館は午前9時(土日祝同8時半)~午後5時半(同5時)。

2014年11月17日月曜日

三倉茉奈さん・田中直樹さん出演の朗読劇「Re:」ひこね市文化プラザで

 お笑いコンビ・ココリコの田中直樹さんと女優の三倉茉奈さん出演の朗読劇「Re:(アールイー)」が24日午後2時~文化プラザで開催されるのを前に、三倉さんが11日に文化プラザを訪れて来場を呼びかけた。
 同作品は土田英生さんが演出を務め、平成24年3月から東京都渋谷区の小劇場などで公演している恋愛ドラマ。1通の間違いメールをきっかけに交流を深める男女のメールを通した物語で、毎回異なる男女の俳優1人ずつが舞台上で朗読しながら演じている。「セッション5」となる今回は田中さんと三倉さんが出演し彦根と東京で公演する。
 2年前に同作品を鑑賞した際に感動して以降、出演を希望していたという三倉さんは「とにかくすばらしく、感動できる大好きな作品に出演でき、とてもうれしく思っている」「恋愛は直接話すことや触れ合うことも大切だけど、言葉でストレートに思いを伝えてもらうのも幸せなこと。パートナーの方と一緒に幅広い年齢層に見てもらいたい」と話していた。
 文化プラザのグランドホール1階の限定席で、入場料は4320円、友の会会員3780円。未就学児の入場不可だが、託児あり。チケットは文化プラザ、ビバシティ・アルプラザ彦根のサービスセンターなどで販売。問い合わせは文化プラザ☎(27)5200。

2014年11月14日金曜日

彦根仏壇七職の錺金具師・宮殿師の後継不足深刻、伝統的工芸品の存続危機

 彦根仏壇の専門工程・七職のうち、装飾を作る錺(かざり)金具師と屋根を作る宮殿(くうでん)師の後継者がおらず、国から指定されている伝統的工芸品としての存続を危ぶむ声が出始めている。
 彦根仏壇の七職はほかに、木地師、彫刻師、箔押師、蒔絵師、塗師がおり、彦根仏壇事業協同組合内では国が認定した伝統工芸士が29人いる。そのうち、錺金具師は3人、宮殿師は2人いるが、いずれも50歳代以上で、ここ20年ほどは新しい職人が育っていないという。
 原因として、彦根仏壇の関係者は▽宮殿師が作る部材が海外からの供給に押されている▽錺金具師の製造工程がプレス機など機械化されている▽職人として一人前になるには最低10年かかる―ことなどをあげている。
 彦根仏壇を伝統的工芸品と呼ぶには、七職すべてが彦根仏壇の職人によって作る必要がある。そのためこのままの状況が続けば、錺金具師と宮殿師の現在の職人が引退する10年~20年後には伝統的工芸品としての製品ができなくなる。
 仏壇のほかの産地でも同様の後継者不足が課題になっており、職人がいなくなった部門を各都道府県の許可を得た上で他産地の職人に作ってもらっているケースもある。彦根仏壇の業界でも今後、滋賀県に申請する可能性があるというが、認可されるかは未知数であり、後継者の育成が急務な状況にある。
 同組合の宮川孝昭理事長(70)は「これまでは子どものころから継承されてきたが、今は時代的に厳しい状況。仏壇の職人には30歳代からでも十分になれるので、やりたいと思う人は是非来てほしい」と話している。

七曲りフェスタ 近江上布・信楽焼・びんてまりなど体験も

 七曲りフェスタが15日に彦根仏壇街の七曲り通りで行われる。
 彦根仏壇事業協同組合が七曲り通りの町並みと仏壇産業をアピールするために開催。「技」「町屋」「社寺」「飲食物販テント」の4つのゾーンに分けて、店舗や寺、町屋、会館などで伝統の技の実演や体験会、ワークショップなどを行う。
 「技」では桐の下駄・飾り額・マイはし作りの伝統工芸体験フェア、仏壇七職の実演、仏壇の技を使った新商品展示など。「町屋」では近江上布や信楽焼、愛知川びん細工手まりの実演や作陶体験、滋賀大生が音を使って江戸期を再現するプロジェクト、古道具販売やハンコ作り・絵付け体験のワークショップなど。「社寺」では西念寺で市教委の小林隆さんの「七曲りの歴史を知ろう」(午前10時~)・テレビなどでお馴染みの実業家の矢島里佳さんによる「伝統工芸を子どもたちへ」(午後1時~)・フリースタイルな僧侶たちで知られる池口龍法さんによる「仏教を身近に感じよう」(同2時~)の講話会、子ども向けお地蔵様巡りスタンプラリーなど。「飲食物販テント」では飲食と物販ブースが設置。
 開催時間は午前10時~午後3時。雨天でも開催。問い合わせは実行委員長の井上昌一さん☎090(2351)6623。
 当日はほかに、市民団体・まち遺産ネットひこねによる七曲り通りを巡る「御城下惣発見」も開催。午前と午後の部があり、午前10時までに近江鉄道彦根口駅か午後1時までにメイン会場の七曲り広場に集合を。参加費500円。

2014年11月10日月曜日

韓国・中国問題で講演、経世論研究所所長・三橋貴明さん

 経世論研究所所長の三橋貴明さんが先月30日、「韓国経済の現状と今後の日韓関係」をテーマに滋賀大学で講演。中国問題にふれながら、日本の経済成長の必要性などについて話した。
 三橋さんは、日本が韓国企業から輸入しているのがスマートフォンなど商品である一方、韓国への輸出品が部品や機器であることにふれ「輸出入における日本と韓国の関係は一方通行。韓国は日本を必要としているが、日本は必要としておらず、この関係性を踏まえた上で付き合っていくべきだ」と指摘。
 韓国の社会がサムスンや現代など財閥中心主義であるとした上で「韓国の政治家らは財閥に逆らえない代わりに『反日』という武器を使用している」と解説。産経新聞の記者が起訴されて出国停止処分されていることをあげ「もし米国人の記者だったら、無視しているだろう。韓国による拉致だ」と批判した。
 一方で「韓国は無視して、放置しても良いが、中国は放置できない」とし、中国のGDPが日本の2倍、軍事費も2~3倍になっている一方で、日本は人口減になることにふれ「日本が経済成長をしないと、今後、中国との差は10倍にもなり、軍事バランスが厳しくなって尖閣諸島が危ない」と忠告。「人口減による人手不足を深刻化させないためには、設備・人材・公共の投資を拡大させて、一人あたりの生産性を向上させるのが必須であり、絶対にやらなければいけない」と語った。

2014年11月6日木曜日

永楽屋社長の滋賀県中小企業団体中央会会長・宮川孝昭さん、旭日小綬章・中小企業振興功労を受章

 秋の褒章と叙勲の受章者が発表。そのうち、旭日小綬章(中小企業振興功労)を受章した永楽屋(芹中町)代表取締役社長で滋賀県中小企業団体中央会会長の宮川孝昭さん(70)=後三条町=が本紙に喜びを語った。
 宮川さんは平成19年6月に同中央会の会長に就任し、県内中小企業の新事業や新分野創出への支援を拡充。昨年10月にびわ湖ホールで開催された中小企業団体全国大会では議長を務めた。現在4期目。ほかに、滋賀県公安委員会委員長や彦根仏壇事業協同組合理事長などにも就いている。
 叙勲を受章したことに宮川さんは「非常に栄誉ある賞を頂き、今後も中央会の皆様の期待に応えられる組織にし、強固な中央会にしていきたい」と語っていた。
 ほかの彦犬地区の受章者は以下の皆さん。
 【藍綬褒章】▽更生保護功績=北條眞純(66)城町2。
 【旭日単光章】▽文化財保護功労=西澤政男(70)城町2。
 【瑞宝中綬章】▽教育研究功労=山内隆(79)中薮。
 【瑞宝双光章】▽教育功労=藤本誠二(78)西今。
 【瑞宝単光章】▽伝統工芸業務功労=田中洋一(71)東沼波。

インドのラマカンさん心象風景の作品展、11日〜文化プラザでも

 彦根ワイズメンズクラブ(YMC)は4日~市役所1階ロビーで、インド・ハイデラバードワイズメンズクラブ前会長のラマカンさん(50)の絵画を展示している。
 ラマカンさんはオスマニア大学医学部を卒業後、写真家となり、幅広い分野で活躍しているほか、造形作家としても活動。現在はJCAC(Japan Center for Art&Culture)会長を務めている。大久保市長とは旧知の関係だという。
 彦根とハイデラバードのYMCの姉妹提携50周年を記念し、11日~13日に文化プラザでラマカンさんの絵画展が開催。作品は人の心の中にある心象風景を描いた抽象画で、プレ開催の市役所では「孤独という最悪の貧しさを感じる」「唯一の才はあなた自身の中にある」などの作品20点を展示。文化プラザでは29点を展示する。開館は午前11時~午後6時(13日は午後4時)。

湖東で唯一の銭湯・山の湯 レトロさ魅力「若い世代にも」

 彦根市など湖東地域で滋賀県公衆浴場業生活衛生同業組合に加盟している唯一の銭湯「山の湯」(中央町)。明治12年(1879)創業の伝統ある山の湯は常連客の憩いの場にもなっている
 山の湯は、彦根のキリスト教会の草分けの一人だった三谷岩吉が、それまで経営していた遊郭を廃業し、その時に失業した高齢者らに職を与えるために銭湯を始めたのが最初とされる。
 現オーナーは奥田良(よし)さん(77)。4年前に亡くなった夫・庄喜さん(享年77)が昭和63年(1988)ごろに前任者より引き継ぎ、四代目として隣接する家主から借りる形で良さんと二人三脚で経営。現在は息子(49)と一緒に営業している。
 良さんによると、市内には多い時で20軒ほどあった町中の銭湯も年々減っていき、市史によると、平成13年の調査時では市内で5軒となった。現在は山の湯のみになっている。
 山の湯は、のれんをくぐると、左が女風呂、右が男風呂になっており、入り口を入ると中央に番台があり、良さんが長年座っている。脱衣場から浴場に入ると、少し熱い湯、常温、かけ湯用、薬湯の浴槽があり、特に薬湯は彦根城の元御殿医に教えられた成分の配合だという。浴場の様子は彦根出身の画家・上田道三の絵「明治の風呂屋」にも描かれており、現在も明治期と変わりない。また店舗敷地内の裏手には外堀の土塁跡が残っている。
 常連客は80人ほどで、その9割が高齢者。良さんは「今のお客さんを大事にしながら、一人でも多くのお客さんが来てくれたらうれしい」と語り、息子は「年々、燃料代が上がる一方で、お客さんの数は減っているが、このレトロさを生かして、幅広い年齢層の方に利用してもらえるようにしたい」と話していた。
 営業は午後3時半~午後9時15分。木・日曜休み。入浴料は12歳以上430円、6歳~11歳150円、5歳以下100円。問い合わせは山の湯☎(22)6020。(山田貴之)

2014年11月1日土曜日

観光情報発信施設・湖東三山館 あいしょうオープン

 愛荘町に昨年10月開業した湖東三山スマートインターチェンジ近くの国道307号線沿いにきょう1日、観光案内施設「湖東三山館 あいしょう」がオープン。竣工式後の午前11時~は記念イベントが催される。
 同施設は敷地面積約3756平方㍍に建てられた木造平屋建て。湖東の物産や土産物など販売ブース、旧秦荘で昔から使われているかまど3基で炊いたごはんなど飲食ブース、オープンテラス、ドッグランなどが整備され、普通車56台が止められる駐車場もある。開館は午前9時~午後7時(12月1日~4月30日は同6時)。火曜休館。
 愛荘町スマートIC周辺地域活性化策検討委員会が平成22年6月から協議をし、昨年10月に施設名を決定、今年5月に起工式が行われた。総事業費は約2億1400万円。
 記念イベントではゆるキャラ・あしょうさんらと記念撮影会、よさこい江州愛翔の演舞、かまど炊きごはんの振る舞い、抽選会などが開催。午後4時まで。

ちくちくQuilt倶楽部のパッチワークキルト展 あけぼのパーク多賀で

 パッチワークの創作グループ「ちくちくQuilt倶楽部」のパッチワークキルト展が11月3日まで多賀町のあけぼのパーク多賀で開かれている。
 パッチワークは布の切れ端を縫い合わせて独特の質感や模様を作り上げる手芸で、キルトは綿の布を使って立体的にするのが特徴。同団体は平成13年に結成され、現在は長浜から守山までの25人がメンバー。毎月4回、多賀の藝やカフェで活動している。
 作品は会員が作った約2㍍四方の巨大な物を含むタペストリーを中心に、バッグやポーチ、小物など100点以上を展示。東京国際キルトフェスティバル2013で入賞した昭和初期の布で作られた作品のほか、野良着や江戸時代の継ぎはぎ布なども並べている。
 代表の竹内綾子さん(60)は「布には色々なメッセージがあり、智恵も詰まっています。作り手の思いのこもった作品を見に来てください」と話している。
 観覧無料。会館は午前10時~午後6時(土日祝日は同5時まで)。30日休館。問い合わせは多賀町立博物館☎(48)2077。