地元の記録によると、桃原では明治13年(1880)に「ゴボウ4000貫」が収穫され、京都などでは正月の高級食材として人気があったという。桃原には昭和5年から同20年代ごろに60戸余りの家があり、スキー場としても賑わっていた。しかし同30年代ごろから林道の整備などで多賀の町中や彦根へ移り住む住民が増え、人口減に伴い同50年代に多賀ゴボウも生産されなくなった。現在は3戸に3人のみが住む限界集落になっている。
滋賀県やJA東びわこでは昨年から桃原でゴボウの栽培をしており、その活動を知った中川信子さん(56)=安清東町=が復活を目指して協力者を募集。中川さんが所有している桃原の土地のうち4分の1ほどの約150平方㍍をゴボウ畑にすることにした。
4日には彦根や多賀の住民、滋賀県立大学の教員や学生ら計約20人が種をまいた=写真。11月ごろに収穫する予定。中川さんは「今後はかつてのゴボウ畑だった地に生育しているスギの木を伐採し活用しながら、ゴボウの収穫量を増やしていきたい」と話していた。
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