柳廼四附は直弼が埋木舎での生活時代から詠んだ和歌を勅選和歌集の形式で江戸時代に編集された。上冊が春・夏・秋・冬、下冊が恋・羈旅(きりょ)・祝賀、雑の部に分類されており、1冊の大きさが縦24㌢×横16㌢。和歌の数は確認されていないが、小田さんによると、1030首以上あるという。書名は直弼が好んだ柳にちなんで付けられ、「柳の雫」とも書く。
小田さんは平成16年ごろに柳廼四附を読み、江戸時代のくずし字を解読できる能力を生かし、数年かけてすべての和歌を翻訳。校正もすでに終えている。現在は西地区公民館で毎月第一水曜日に「柳廼四附を読む会」を開いている=写真。
柳廼四附の翻訳本がないため、小田さんの教室に通う市民有志らが書籍化を目指し、彦根市などに要請しているが、実現のめどは立っていない。和歌の中では玄宮園内に桜があったことなど、あまり知られていない歴史的事実も登場するという。
小田さんは「直弼公は自然に対して繊細な目で見つめ、私たちが気づかないことを歌にしている。安政の大獄などで、全国的にまだ悪い印象があるようだが、絶対に悪い印象を抱かれる人ではない。知られていない直弼公の人間性を広めるためにも書籍化が実現できれば」と話している。
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