2015年9月24日木曜日

市長案の市庁舎耐震化案 6月議会に続き賛否拮抗、市職員のヒアリング反映せず

 6月議会に続き、焦点になっている彦根市役所本庁舎の耐震化を巡り、大久保市長が今議会に提案した整備計画に対し、市議の間で賛否が分かれており、滋賀彦根新聞の調べでは再び拮抗している状況だ。
 今議会には庁舎の増築に関わる設計費(2656万円)や仮設庁舎設置(1億9518万円)など計2億4502万円が計上されている。
 6月議会では関連費を省いた修正案が出され、予算特別委員会では1票差で否決されたものの、本会議では可決された経緯があり、今議会でも同様の状況が続いている。
 庁舎の耐震化については24日の企画総務消防常任委員会でも議論される予定で、29日の採決に向けて行方が注目される。
獅山氏が情報公開請求
大半の職員 前面整備支持
 本庁舎の耐震化を巡り、大久保市長が今議会に提案している整備計画案が、事前に市の各部局にヒアリングしていた結果が反映されていないことがわかった。前市長の獅山向洋議員の情報公開請求で明らかになり、市議会一般質問でも複数の議員が市長に真意を質した。
 獅山議員や、情報公開請求の資料を元に質問した北川元気議員、山田多津子議員らによると、6月議会後の7月15日に耐震化の整備方法について、市の各部局にヒアリング調査を実施。その結果、大久保市長が提案した後面(北側)に5階建てを増築する「後面案」を支持したのが1部局のみで、前面(南側)に9・6㍍出して5階建てを増築する「前面案」が7部局、前市長時代の前面に19・2㍍出して5階建てを増築する案が4部局、前面と後面の複合案が2部局だった。
 庁舎耐震化の工事費について、市長は前市長案が6億1232万円で、今回提案の案が9億7850万円で3億6618万円増額したものの、増築部分の削減により全体の事業費は前市長案の34億2337万円から、今回提案の案が27億4965万円となり、6億7372万円の事業費が抑制できると主張。一方で職員一人あたりの執務面積は現状が23・8平方㍍で、前市長案が27・72平方㍍、今回提案が22・08平方㍍と狭くなる。
 今回提案の案は市職員へのヒアリング調査では1部局しか支持していないが、市長は「建設費用が少なく済む」として今議会に提案。これに対し市議会で、北川議員は「何のためのヒアリングだったのか。自分の作りたい庁舎を建てたいだけではないのか」、山田議員は「執務スペースが狭くなり、事業費抑制のつけを職員に回すのか」などと厳しく批判。市長は「見直しを始めた趣旨を保持しながら、出された意見をできるだけ反映できるよう、案を練る作業を実施してきた」と答えたが、獅山議員らから「反映という言葉の使い方がおかしい」と指摘されていた。

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