2016年11月30日水曜日

甲状腺がんを発症した子どもたちを支援するための「12人の絵本作家による応援カレンダー」が完成 彦根市内でも配布開始

 東日本大震災の福島原発事故が原因で、甲状腺がんを発症したとされる子どもたちを支援するための「12人の絵本作家による応援カレンダー」が完成。彦根市内でも配布が始まった。
 福島県内の18歳未満の子どもを対象にした調査によると、135人が悪性のがんとの診断を受けて甲状腺の切除手術を受けたという。しかし原発事故による影響が認められず、一部の医療費しか補助されないため、甲状腺がんになった子どもの治療費などを支援していこうと、今年9月に有志たちによって「3・11甲状腺がん子ども基金」が創設された。
 また福島の子どもたちを救うため、日本の絵本作家たちが「応援カレンダープロジェクトチーム」を結成し、昨年は「被ばく裁判」を支援する活動を展開。今年はカレンダーの収益金を3・11甲状腺がん子ども基金に支援することにした。カレンダーは絵本作家12人の作品1点ずつが一月ごとに描かれている。
 全国各地に賛同者がおり、彦根市内では富永美砂穂さん(55)=原町=がプロジェクトチームに入り、カレンダーを販売している。富永さんは「作家さんや応援する人たちの思いが1人でも多くの方に届くように願っています」と話している。カレンダーは1部1000円。問い合わせは富永さん☎090(6737)9868。

彦根市民体育センターでB・LEAGUEの試合開催に合わせて滋賀レイクスターズの選手らが市長を表敬訪問

 12月3、4日の両日に彦根市民体育センターでプロバスケットボールB・LEAGUEの試合が開催されるのに合わせて、滋賀レイクスターズの選手らが11日、大久保貴市長を表敬訪問した。
 訪問したのは坂井信介代表、遠山向人ヘッドコーチ、キャプテンの横江豊選手、ジュリアン・マブンガ選手。遠山ヘッドコーチは「年に1度の彦根での開催。子どもたちに夢を与えられるような面白いバスケットをしたい」と語った。大久保市長は「滋賀は国体に向けてスポーツが盛んになる。大いに頑張って頂きたい」と述べた。最後にはひこにゃんも登場し、一緒に記念撮影をした。
 彦根市民体育センターでは新潟アルビレックスBBと対戦。試合開始時間は3日午後5時と4日午後2時。チケットは滋賀レイクスターズのホームページなどから購入を。

谷川俊太郎さんと息子の賢作さん招いた授業彦根市立城東小学校で

 詩人の谷川俊太郎さん(84)と息子の賢作さん(56)を招いた授業が15日、彦根市立城東小学校で行われた。
 城東小では平成14年から詩の暗唱を授業に取り入れており、年間に約100編の詩を暗唱する児童もいる。
 授業は「『ことばっていいなすてきだな』谷川俊太郎さんとつくりだす詩の風景」をテーマに実施。第1部では、教員20人が谷川さんの詩「生きる」を朗読した後、全校児童319人が学年ごとに「やま」「だいち」「ひつとのほし」など谷川さんの作品を朗読した後、全校児童で「ひとりひとり」を披露した。
 第2部では谷川さんが賢作さんのピアノの伴奏に合わせながら、「生きる」や「うんこの歌」などを時折、ユーモアを交えながら発表した。質問コーナーでは児童たちが「いつから詩を作り始めたのですか」「1つの詩を作るのにどれだけかかりますか」などとたずね、谷川さんは「18歳から作り始めています。作品を作るのに短いので15分、長いのは書き直しを含めて3年かかります」と答えていた。
 6年生の杉本心都さん(11)は「谷川さんの読み方や声の音量が勉強になりました。たくさんの詩を上手に暗唱できるようになりたい」と話していた。谷川さん親子の授業は、子どもたちに本への親しみを持たせる活動をしている団体「季節風びわこ道場」が平和堂財団の協力を得て開催し、保護者ら約150人も見学に訪れた。


2016年11月29日火曜日

南彦根駅近くに新設する市民体育センター内への図書館(サテライト館)を巡って事務局側の市教委と大半の委員の意見が対立

 彦根市内の図書館の整備方針を決める3回目の市図書館協議会が15日、尾末町の市立図書館で開かれたが、南彦根駅近くに新設する市民体育センター内への図書館(サテライト館)を巡って事務局側の市教委と大半の委員の意見が対立。急きょ年内に再度、協議会が開かれる予定となった。
 市教委が発表した整備基本計画のたたき台では、拠点になる「中央館」を河瀬か亀山学区内に新設するほか、現図書館の北部館、稲枝地域の南部館、市民体育センター内に図書館機能を有するサテライト館の3つの「地域館」を設ける方針。
 一方で、協議会では昨年7月から新たな図書館整備に向けて話し合ってきた経緯があるため、委員からは「市内3館で議論を進めてきたのに、突如4館になった。これまでの話し合いは何だったのか。納得できない」「サテライト館が先に完成すると、中央館が充実しないのではないか」「サテライト館を設けるぐらいなら、もっと体育機能を充実させるべきだ」「サテライト館ではなく、図書機能ぐらいでよい」など、正副委員長を除く委員8人のうち6、7人がサテライト館に対して反対意見を述べた。
 今後は年末に整備基本計画の素案を市のホームページにアップするなどして、パブリックコメントを1カ月間募り、2月中旬に4回目の協議会を開催した後、3月中旬に計画を策定する計画だった。しかし、サテライト館に対して委員の反対が根強いため、公表前の年内に4回目の協議会を開くことになりそうだ。
教育部長が不適切発言
委員「議論意味ない」
 15日に開かれた市図書館協議会では、市教委の山口義信部長の発言を巡って委員から不信の声があがった。
 サテライト館が不要だとする意見が計画に反映されるのかとたずねた委員からの質問に対し、山口部長は「この協議会は諮問機関ではないため、最後は事務局が決めることになる」と述べた。
 同協議会は法的には諮問機関ではないが、市教委から諮問された委員たちが市内の図書館の整備方針を話し合っており、事実上の諮問機関の役割を果たしている。
 山口部長の発言に対し、委員からは「いくら議論を深めても反映されないのなら意味がない」など反発の意見が出ていた。
 ※解説=サテライト館を新設したい市教委(市)側と、設置する必要がないとする委員側で対立し、このままでは収拾がつきそうにない。
 市側がサテライト館の設置にこだわる理由は、市民体育センターの新設とも深く関わっている。元々、南彦根駅前のひこね燦ぱれす周辺は図書館(中央館)の最有力候補地だった。
 地元においても図書館整備を期待する声があった中での市民体育センターの新設話に、動揺の声があったとも聞く。
 つまり、市側としては「サテライト館」と銘打って、地元に理解を求めたい思惑があるものの、この財政難の時代にそうやすやすと問屋が卸すはずがなく、委員から反対の声が相次いだ。
 そして、その上に事務局トップの部長による不適切発言があったことで、委員の不信感はますます根強くなっている。
 同協議会を経たとしても、次は市議会が待ち構えており、このままの素案では先行き不透明であり、見直しが求められよう。        (山田)

国際ソロプチミスト彦根が認証35周年の記念行事で小学校計34校にソフトバレーボールを寄贈

 国際ソロプチミスト彦根(棚橋幸子会長)は認証35周年の記念行事として、彦根市や周辺市町の小学校計34校にソフトバレーボールを寄贈。9日に城北小で贈呈式が開かれた。
 ソロプチ彦根は子ども支援の事業を進めており、今年は9月23日にビバシティホールで開催したチャリティーバザーの収益金を活用し、市内の17校、旧能登川町の4校、愛荘町の4校、米原市の9校に計636個(うち彦根442個)のボールを寄贈。
 最初の学校となった城北小ではソロプチ彦根の会員20人が来校し、棚橋会長が森居康孝校長に目録を渡した後、役員たちが6年生の代表6人にボールを1個ずつ手渡した。
 棚橋会長は「このボールで遊んで、体を強くして健康な体になってください」と述べ、森居校長は「頂いたボールを有効に使っていきたい」と語っていた。
 贈呈式後には式に参加した1年生64人が会員たちと一緒にボールを使って遊んでいた。6年生の福井駿君(11)は「バレーやドッジボールなど色んな遊びができるので、とてもうれしいです。友だちと楽しくボール遊びをします」と礼を述べていた。

2016年11月25日金曜日

彦根城築城410年祭をPRするため、ごみ回収車にラッピング加工

 彦根市は来年開催される国宝・彦根城築城410年祭をPRするため、ごみ回収車にラッピング加工を行い、14日に野瀬町の市清掃センターで出発式を開いた。
 築城410年祭は来年3月18日から12月10日まで開催。市民にPRして「オール彦根」で盛り上げていこうと、ごみ回収車の両面に縦65㌢×横1・5㍍の大きさで築城410年祭のロゴをカラーでラッピングした。
 まずは7台にラッピングし、新車両と入れ替わる2台にも年内に加工。計9台を築城410年祭の終了まで市内で走らせる。
 出発式には築城410年祭や市清掃センターの職員ら約30人が出席。川嶋恒紹副市長は「組織をあげて410年祭を盛り上げていきたい。市民の皆さんにアピールできると期待している」とあいさつ。ラッピングされた回収車はテープカットの後、市内へ出動して行った。

彦根総合高校に本格的な調理技術や接客が学べる新しい調理実習室とレストラン実習室が完成、調理実習室の設備は高校では全国随一の規模

 彦根総合高校(芹川町)に、本格的な調理技術や接客が学べる新しい調理実習室とレストラン実習室が完成。調理実習室の設備は高校では全国随一の規模を誇るという。
 彦根総合高は平成18年4月に総合学科を開設。現在は人文・自然、情報・ビジネス、福祉・保育、アート・デザインの4系列があり、そのうちアート・デザイン系列は美術領域と総合家庭領域食物調理専攻に分かれている。
 調理の仕事に携わる人材を育てていこうと、今年4月に彦根市安清町出身でイスラエルやカナダ大使館の料理長などを歴任した中嶋章浩さん(55)を食物調理専攻の担当教員に招へい。6月からは音楽室や理科室、書道室などがあった延べ床面積約444平方㍍の2階建ての校舎棟を改装し、2階に調理技術が学べる設備を備えた調理実習室(約117平方㍍)と、最大72席を確保できるレストラン実習室(約130平方㍍)を整備。1階にも基本的な調理技術が学べる調理実習室を設置した。
 将来的には総合家庭領域をランクアップさせて調理を専門に教える「フードクリエイト系列」を設ける予定で、平成31年度の新設を目指している。中嶋さんは「滋賀県内の料理の世界で活躍できる人材を育てていきたい」と話している。レストラン実習室には今後、プロジェクターなども設置していき、集会やパーティーなどにも使えるスペースにする予定で、将来的には校外にも開放していくという。

2016年11月17日木曜日

彦根市内の複数の寺社や地蔵堂に「日本死ね」と刃物のような物で刻んだ落書き

 滋賀県護国神社(尾末町)など彦根市内の複数の寺社や地蔵堂に、「日本死ね」と鋭利な刃物のような物で刻んだ落書きがされているのがわかった。滋賀彦根新聞が調べたところ、佐和町や旭町、京町、河原、大藪町などで見つかっており、彦根署も15日に市内14カ所で確認したと発表した。
 護国神社では市役所側といろは松側の鳥居の両方の柱に2カ所ずつ、縦約50㌢×横約10㌢の大きさで「日本死ね」と刻まれている。市内の寺から報告を受けた神職が境内を見回ったところ、11日午後10時ごろに確認した。10月23日には異常なかったという。
 また佐和町の地蔵堂には建物の周囲など複数個所に落書きされていた。毎朝、掃除と参拝をしているという近隣住民によると、今月2日朝には異常なかったが、お城祭りパレードの開催日の3日朝に落書きされているのを確認したという。被害にあったのはいずれも木製で、彫刻刀など鋭利な物で刻んだとみられる。
 彦根署によると、落書きが確認された日時は今年8月20日午後5時から1115日午前7時ごろまでだという。器物損壊事件とみて調べている。
 「日本死ね」の言葉は、子どもが保育園に入れなかった母親がブログで「保育園落ちた日本死ね」と書き込んだことが全国的な話題となり、今年2月末の国会でも取り上げられた。

2016年11月16日水曜日

「フェラーリ インターナショナル・カヴァルケード」近畿で開催。12日には彦根市内に世界24カ国から73台

 国内外からフェラーリが集う「フェラーリ インターナショナル・カヴァルケード」が10日から14日まで近畿で開催。12日には彦根市内に世界24カ国から73台が訪れた。
 2012年にイタリアで始まり、昨年からはイタリア国外でも開かれるようになり、今年はフェラーリの日本上陸50周年にあたることもあり、京都を拠点にイベントが開催。
 12日は湖岸からいろは松を通り、午後1時ごろから桜場駐車場に徐々に集まり始めた。彦根城内にはファンらがカメラ片手に集まり、フェラーリが登場するたびに撮影していた。参加者は桜場駐車場に車を止めた後、屋形船に乗ったり、キャッスル&リゾートスパで食事をしたりした後、約2時間後に大津方面に向かった。

元滋賀県知事でびわこ成蹊スポーツ大学学長の嘉田由紀子さん河瀬中学校で自然を活用しながらの昔の暮らしを説明

 元滋賀県知事でびわこ成蹊スポーツ大学学長の嘉田由紀子さん(66)が4日、県立河瀬中学校で講義を行い、自然を活用しながらの昔の暮らしを説明した。
 講義は本庄町の安仏久仁男さん(89)と田口みわさん(85)をゲストに迎えて「自然環境を巧みに生かした暮らしの学びから未来を考える」をテーマに行われ、2年生80人が受講した。
 嘉田さんは高度経済成長以前の昭和30年代、琵琶湖岸の集落の22%が湖水や川の水、山水を飲み水として飲み、食器や鍋なども湖水で洗っていたとし「これらの『近い水』が生きていた時代は、水を汚さないという意識と信頼が集落にあり、水の使い回し文化があった」と説明。
 安仏さんと田口さんは、稲わらなどを燃料にして五右衛門風呂に入り、その排水を小便と一緒に野菜畑に流していたことや台風後には多くの人たちが浜辺に打ち寄せられた流木を取りに行っていたことなどを紹介。嘉田さんは「知事時代は流木の処理に数億円の経費を使っていたが、昔は住民が燃料に使うため拾いに行っていた。行政の税金を使わず、地域の人もお金を出さない暮らしをしていた」と話した。
 講義の最後で嘉田さんは「自然と近い暮らしはその気になれば再生できる。近代的な技術と自然とが寄り添った社会を皆さんの世代で実現していってほしい」と述べた。
 生徒の野﨑琴音さん(14)は「お風呂や飲み水など昔の暮らしが今と違っていて勉強になりました。川を汚さないなど気をつかいながら生活したい」と語っていた。
 嘉田さんの講義は河瀬中学校による科学、言語、環境の各分野の学者を招いての授業「スタープログラム」の中で実施。今年中に宇宙や日本語の専門家を招いた残り計4回の講義がある。

2016年11月11日金曜日

前市教育長の前川恒廣氏が来年4月23日の彦根市長選挙への出馬を表明

 前市教育長の前川恒廣氏(61)=池州町=が7日、来年4月23日の彦根市長選挙への出馬を表明した。市長選への出馬表明は2人目。
 会見で前川氏は市教育長に就いた平成23年10月の約1年後に父親が介護の必要な状態になり、その際に自宅に来たヘルパーが孫の進学のために働いていることを知ったエピソードにふれながら「人々の生活がもっと豊かにならないとダメだ。彦根を良くするためにお役立ちしたいと思うようになった」と出馬理由を説明。「『何も変わらない』から『何か変わってきた』と実感してもらえるよう、『チェンジ彦根』に向けてリーダーシップを取らせて頂きたい」と述べた。
 公約としては▽彦根城域に物産館設置▽湖岸道路に道の駅新設▽数億円規模のふるさと納税▽水泳の飛び込みなどスポーツ・武道の練習環境整備▽高校進学のための独自の奨学金制度▽南部地域への図書館建設▽小中学生の医療費無料化などを掲げている。
 前川氏は城西小、西中、彦根東高、東京大学経済学部卒。旧三菱銀行に入り、退社後にフランス留学しMBA(経営学修士号)取得。クレディアグリコル銀行を経て、平成4年に日本航空に入り、同22年に退社。前市長時代の翌年10月に市教育長となり、4年間の任期中に鳥居本小中一貫校の実施、ユネスコスクールの展開などをした。現在は社会問題の現場ツアーを企画するリディラバの非常勤社員。

バルブ製造業・清水工業が開発した地下式の消火栓 グッドデザイン賞と特別賞を合わせて受賞

 彦根市楡町のバルブ製造業・清水工業が開発した地下式の消火栓が、今年度のグッドデザイン賞と、同賞からさらに選ばれる特別賞を合わせて受賞した。
 製品名は「ステンレス製弁体収納式地下式消火栓サスキャメル」。水を止めるための弁(弁体)を収納させた構造やステンレス材の使用で、重さが従来品の約半分の12㌔㌘になるなど、コンパクト化や軽量化、長寿命化を実現させたのが特徴。今年4月に開発され、これまでに全国で100台以上が販売されている。
 審査委員の1人は「一般的に人目に触れることのないプロダクト(製品)だが、仕上げが丁寧で、見た目からも剛性の高さが感じられる理想的な機能美を有したデザイン」とコメントしている。
 グッドデザイン賞は旧通産省が昭和32年に創設したGマーク制度が始まりで、以降毎年「よいデザイン」に対して同賞を授賞。今年度は国内外から応募があった4085点から1229点が受賞し、その中からグッドデザイン大賞1点、金賞19点、特別賞19点が選ばれた。清水工業が開発した消火栓は特別賞の中のものづくり部門(7点)に入った。今年度、県内からは計3点がグッドデザイン賞を受賞し、彦根のバルブ業界では初めてだという。
 先月30日に東京都内で受賞者を対象にプレゼンテーションがあり、3日まで受賞展が開催。今月29日には都内で特別賞の贈賞式もある。清水康裕社長(34)は「人の目にはつきませんが、社会を支えている製品だと誇りに思っています。グッドデザイン賞の受賞をきっかけに地場産業にフォーカスがあたることも願っています」と話していた。

2016年11月9日水曜日

彦根城築城410年祭に合わせてサロンバー・シスルが井伊直政にちなんだカクテル「Naomasa~The Red Ogre(赤鬼)」考案

 来年の彦根城築城410年祭に合わせて、彦根市旭町のサロンバー・シスルは井伊直政にちなんだカクテル「Naomasa~The Red Ogre(赤鬼)」を考案。10月24日から提供している。今年3月には直政の養母で来年のNHK大河ドラマの主人公になる井伊直虎をイメージしたカクテル「Naotora女城主直虎」も制作。同店の人気商品の1つになっている。
 「Naomasa」は「Naotora」と同時並行で創作し、1年ほど試行錯誤を繰り返して考案。「Naotora」と同じく、直政が誕生した浜松の蔵元・神谷権兵衛が作って浜松城の徳川家康に献上したとされる忍冬(にんとう)酒をベースに(30㍉㍑)、ジンジャーウォッカ20㍉㍑、ザクロのシロップとレモンジュース5㍉㍑ずつを配合。井伊の赤備えにちなんで、「Naotora」と同じく赤色に仕上げた。
 家康が愛飲していたとされる忍冬酒に、信頼を花言葉の意味に持つジンジャーと子孫繁栄の象徴のザクロを合わせたことで、「直政が家康から厚い信任を受けながら、井伊家を再興させた」とのストーリーをカクテルで表現したという。「Naotora」はアルコール度数15%で女性をイメージし甘酸っぱく仕上げたが、「Naomasa」は度数25%で甘酸っぱさに少し強めのアルコールとキレの良さを加えたのが特徴。
 オーナーバーテンダーの宮下純さん(40)=城町1=は「飲んで頂いて、直政公が彦根藩の繁栄の礎を築いたことを知るきっかけになれば」と話していた。グラスには直政のかぶとの天衝きをかたどったグレープフルーツも添えられている。1杯950円。営業時間は午後6時~翌午前1時半。日曜定休。問い合わせは同店☎(22)7071。

2016年11月8日火曜日

石田三成の念持仏がある宗安寺が三成の旗印「大一大万大吉」を印刷したお守り提供

 戦国武将・石田三成の念持仏がある彦根市本町の宗安寺(竹内眞道住職)は、三成の旗印「大一大万大吉」を印刷したお守りの提供を始めた。
 宗安寺は、慶長5年(1600)の関ヶ原の戦いで井伊直政が佐和山城跡の山麓に入った際、高崎(群馬県高崎市)から移築されて、それまでの安国寺から改名されたのが始まり。慶長8年に現在の地に移されている。関ヶ原の戦い後に佐和山城が焼失し、山麓にあった瑞岳寺も被害にあったとされ、同寺に残されていた地蔵菩薩像や千体佛が宗安寺の末寺だった称名院(錦町)に移され、その後、宗安寺で保管されるようになった。地蔵菩薩像は石田地蔵尊とも呼ばれ、千体佛と共に三成が大切にしていた。
 宗安寺では、「1人が万民のために、万民が1人のために・・・」の大一大万大吉の思いを広めるためにお守りを作成。縦9㌢×横5㌢の大きさで、三成が豊臣秀吉と出会ったきっかけにもなった「三献の茶」などにちなんで緑色を基調にし、表に大一大万大吉、裏に宗安寺と記されている。
 宗安寺で1個800円で販売。夢京橋あかり館ではお守り袋が500円で売られており、それを宗安寺に持参して、300円で願い事を書く紙とお札を受け取って袋の中に入れる方法もある。その際の観覧料は無料。問い合わせは宗安寺☎(22)0801。

2016年11月5日土曜日

桐生祥秀選手が凱旋パレード、城まつりパレードの直政役は北村有起哉さん

 彦根出身の桐生祥秀選手の凱旋パレードが3日、城まつりパレードと並行して開催され、多くの観客が声援を送った。
 桐生選手は五輪の日本代表の赤いブレザーを着て銀メダルをかけ、市役所前からひこにゃんと一緒にピンク色のオープンカーに乗車。行列先頭の横断幕の後方に合流し、彦根東高までの約20分間パレード。沿道は桐生選手の姿を見に来た市民らでごった返し「桐生君おめでとう」などの声援が飛び、桐生選手も笑顔で手を振りながら応えていた。桐生選手は「市民の皆さんから頂いた声援を力に変え、来年の世界陸上、4年後の東京五輪では更にいいメダルを目指します」とコメントした。
 城まつりパレードには子ども大名行列や井伊家歴代当主行列、井伊直政公行列などに約1000人が参加し、城東小を発着に約3㌔㍍を東高での休憩を挟んで約2時間かけてパレード。直政役には来年秋公開予定の映画「関ヶ原」に直政を演じる俳優の北村有起哉さん(42)が映画で使用した甲冑姿で登場した。

近江鉄道でワインが飲み放題の「ワイン電車」の運行

 近江鉄道の電車内でワインが飲み放題の「ワイン電車」の運行が先月27日から始まった。
 フランス、チリ、スペイン、米国、日本、ドイツ、オーストラリアの白と赤の計9種類のワインやワインベースのカクテル、ソフトドリンクが飲み放題。それぞれのワインを飲み比べて気に入ったワインのおかわりができる。ボジョレーヌーボーの解禁日の今月17日からは新酒ワイン5種類と日替わり3種類となる。
 運行日は今月22日までの木金土曜と20、22日。彦根発着便と近江八幡発着便があり、時間帯が異なる。往復約2時間。
 料金は千成亭のオードブル付きで4000円、今月17日以降4500円。カツサンドやチーズなどつまみの車内販売も。申し込みは5日前までの平日に近江鉄道☎(47)3020。

2016年11月3日木曜日

長松院に井伊直政公を描いた巨大な絵、没後300回忌に合わせて寄贈か

 井伊直政公を火葬した場所として知られる彦根市中央町の長松院(ちょうしょういん)に、直政公を描いた縦2㍍70㌢×横1㍍65㌢の巨大な絵が掛け軸として置かれていることがわかった。直政公の没後300回忌に合わせて描かれた絵とみられ、井伊家十八代当主で市教委歴史民俗資料室の井伊直岳さんは「直政公自身の絵の存在は初めて知った」と話していた。
 直政公は慶長7年(1602)2月1日に死去し、遺言により善利川(芹川)の中州だった場所で荼毘(だび)に伏された。その場所には甲冑などの遺物が埋葬され、塚といおりが建立。その年の6月に禅堂が作られ、「祥壽(しょうじゅ)院」と命名。その後、直政公の幼名・虎松の一文字をとって長松院となった。
 直政公の没後300回忌の明治34年(1901年)には火葬した場に新たな供養塔が有志によって修繕整備され、手塚紀洋住職によると、その際に直政公を描いた絵も同寺に寄贈されたという。同じ年の4月3日から5日にかけては彦根城開城300年紀念祭も開催されており、井伊さんは「紀念祭の行列の様子を描いた巻物や絵馬の存在は知っているが、直政公自身を描いた絵が長松院に残されていたことは知らなかった」と話していた。
 絵は「赤備え」の甲冑を着て、馬上でやりを手にした直政公が勇猛果敢な様子で描かれている。左下には彦根藩士で明治時代の書聖として知られる日下東作(日下部鳴鶴)が記したとみられる漢詩と、右下には絵の作者として日本画家・青柳琴僊(あおやぎきんせん)のサインが書かれている。
 長松院では「直政公出陣之絵図」として、奥の間で掛け軸として置いてきた。手塚住職は「あれだけ迫力のある絵はないと思います。直政公ゆかりのお寺として、大切に守っていきたい」と話している。見学可。問い合わせは長松院☎(24)3225。

袴や鎧の変身、座禅ができる「彦根プレミアム体験~EXTRAORDINARY EXPERIENCES IN HIKOME」を実施

 彦根商工会議所は袴(はかま)や鎧(よろい)の変身、座禅ができる「彦根プレミアム体験~EXTRAORDINARY EXPERIENCES IN HIKOME」を実施している。これまでにも着物の着付けや武士などに変身する体験イベントはあったが、より「プレミアム感」を出す形で開催する。12月25日まで。
 袴体験は変身場所が本町のブライダルハウス・サムスィングフォーか中央町のきものの京美、レンタル費や着付け代込みで1日3000円、午前10時~午後8時。
 鎧体験は変身場所が袴と同じで、着用できる時間は着付け後の1時間、1回3000円。
 座禅体験は場所が古沢町の清凉寺、龍潭寺、中央町の長松院だが、龍潭寺は10人以上から。体験できる時間は午前7時半~午後8時の30分~1時間ほどで、寺によって異なる。1回1000円。問い合わせは彦根商議所内の事務局☎(22)5580。

2016年11月1日火曜日

NPO法人クラブネクスト、スポーツの経験者が学校部活動のコーチなどに就く外部支援事業進める

 教職員が部活動の顧問を務めることによる負担が学校教育現場の課題にあがっている中、彦根市千尋町のNPO法人クラブネクストはスポーツの経験者が部活動のコーチなどに就く外部支援事業を進めている。民間の団体としては県内で初めての取り組みだという。
 理事長の細川硯司さん(47)はソフトテニスをしてきた経験から、昨年4月に市教委が所管する学校支援ボランティアとなり、彦根市立南中学校のソフトテニス部のコーチを務めている。
 その中で、教職員が部活動の顧問に就くことによる労働時間の長さに気づいた。また南中のソフトテニス部の練習時間が平日で30分から1時間半ほどしかないこともあり「外部のスポーツ経験者が顧問やコーチに就いて、練習量をもっと増やす必要がある」と思い、昨年12月から部活動以外のソフトテニス教室を開校。今年3月にはNPO法人化し、ほかの競技でもその輪を広げようと試みている。
 現在は金亀公園テニスコートで水曜と土曜に中高大生と大人、金曜と日曜に初心者と小学生の教室を開いており、彦根と近隣市町から約35人が練習している。南中2年生の細川茜さん(13)と川畑亜花梨さん(13)は「レベルの高い年上の方との練習は学校でだけではできないと思うので、充実した練習になっています」と話していた。
 細川さんは「部活動へ人材を派遣したいほか、スポーツを通して多くの子どもたちを健全に育てていくことや、いじめや不登校、引きこもっている子たちが社会に出て行く助けにもなればと思います」と話していた。問い合わせはクラブネクスト☎(25)0333。