2018年11月22日木曜日

宗安寺の秘仏・庚申尊の胎内から大日如来像と享保年間の法華経版本、23日に一般公開

 彦根市本町2丁目の宗安寺は、安置している秘仏「庚申(こうしん)尊」(別名・青面金剛童子)の胎内から、大日如来の像と享保年間(1716~36)に書かれた法華経の版本が見つかったと発表。23日に一般公開する。
 庚申尊は仏教の守護神で延命の神様され、同寺の像は高さ約1㍍。彦根藩井伊家の四代当主・直治(直興)の援助で旧安清村に建立された金剛寺宝珠院に、元文5年(1740)にまつられたとされる。明治2年の神仏分離令で宝珠院が賢木(さかき)神社となった際、庚申尊は宗安寺に移され、現在まで同寺に安置。秘仏として不定期で開帳してきた。
 庚申尊には背中の部分に縦20㌢×横12㌢の切り口跡があり、大日如来の像などが入っていることを表した文章も記されていた。足元が破損していたこともあり、今年3月から10月まで修復をした際、胎内から台座に乗った高さ10・5㌢×横6㌢の大日如来の像と法華経が確認され、取り出された。仏像の中に仏像や経典を入れる行為は鎌倉時代以降に見られるが、宗安寺の竹内真道住職は「神は仏の化身という当時の本地垂迹(ほんじすいじゃく)説の考えを表している。庚申信仰に関する資料は少なく、貴重な発見」と話している。
 23日は午後1時~浄土宗の御十夜法要、同2時10分~庚申尊ご開帳法要、同3時15分~「秘仏庚申尊について」の住職講話などがある。「魔よけ猿」に願い事を書いて奉納する庚申尊祈願も受け付ける。当日午後1時までで、1回1000円・限定60個。竹内住職は「かつては民衆の間で信仰されてきた仏様。広く市民の皆様にも手を合わせに来て欲しい」と語っている。問い合わせは宗安寺☎(22)0801。

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