2009年12月4日金曜日

沖縄密約問題 元毎日記者・西山太吉さん現政権に解決求める 滋賀大学で講義

 沖縄密約事件で逮捕された元毎日新聞記者の西山太吉さん(78)が先月30日、滋賀大学で講義を行い、密約を認めない国を批判した。翌1日には元外務省アメリカ局長の吉野文六さん(91)が東京地裁で原告側の証人として登壇し、公の場で初めて密約を認めた。
 西山さんは政治部記者時代に、沖縄返還協定をめぐって米国が支払うべき原状回復補償費を日本が肩代わりしていた密約情報を入手。しかしその入手方法が問われて、沖縄が返還された年の1972年に国家公務員法違反で逮捕された。ほかのジャーナリストや作家らと密約の文書公開を求めて訴訟を起こしている。
 西山さんは、密約に関する関連文書を日本の外務省が情報公開請求法施行前の2001年に廃棄した可能性を示唆したうえで「官僚3、4人の会議で永久保存すべき文章の保存期間を簡単に縮めることができる」「民主主義の根幹を揺るがす重大な問題だ」と批判。
 密約により多額の金が米国に流れていたとする経緯を紹介したうえで「国を売っているような行いで、主権国としての権威がまったくない」と断罪。「いかに戦後の民主主義がでたらめだったか。メディアの監視能力が弱かったか。あらゆる意味を込めて問題提起をした」と、訴訟を起こした経緯を説明した。
 沖縄密約を含めた米国との4つの密約についても「政権交代を機に、現政権が過去の過ちを検証しなければならない」と述べた。

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